桃花亭の『桃福』と作者不明の平皿

桃花亭の『桃福』と作者不明の平皿

こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、桃の和菓子が充実していることで有名な桃花亭の『桃福』です。昨年、幼桃の蜜漬けをいただく機会が立て続けにあり、そのおいしさが忘れられず・・・。幼桃の蜜漬けがこれから人気になるのでは、と思っていたので、“幼桃”を使ったお菓子はぜひ食べてみたいと思い取り寄せました。

桃の和菓子が充実していることで有名な桃花亭の『桃福』です。幼桃の蜜漬けがこれから人気になるのでは、と思っていたので、“幼桃”を使ったお菓子はぜひ食べてみたいと思い取り寄せました。

桃花亭さんは、愛知県北名古屋市に本店があり、東京や名古屋の百貨店では催事販売の常連店さんです。いちご、マンゴー、いちじく、ぶどう、洋梨など旬のフルーツをいちばんおいしい季節に、大福やどら焼きにして販売。それを心待ちにしているファンも多いそう。
なかでも桃は、完熟桃ゼリーやわらび餅、まんじゅうに羊羹など、種類がとても豊富です。実は北名古屋市に隣接する小牧市・春日井市は桃の名産地で、桃にちなんだ地名がいくつもあるほど。桃花亭さんは、そんな地元のおいしい桃を活かしたお菓子作りをされています。

大福の『桃福』は、一般的なフルーツ大福とは違い幼桃(桃の生産過程で間引きされる幼果)を使っているのが特徴です。間引きされていたたくさんの幼桃を活かしたいと思い、じっくりと蜜漬けにすることを考案したそう。桃の産地だからこその発想ですね。また、羽二重餅のやわらかさにこだわり、気温の高くなる6月~8月までは餅生地が熱で緩んでしまうので販売をお休みしています。常にベストな状態で食べて欲しいという、作り手の妥協のなさを感じます。

さて、こちらの大福、袋を開けた瞬間に桃の香りが広がり、ひと口いただくと桃の風味がしっかり味わえます。餅は羽二重特有のとろけるような柔らかさ。あんこはいんげん豆特有の少し粗めの舌触りで甘さの中に果実の酸味をおびたフルーティさがあります。要となる幼桃の蜜漬けは芯まで柔らかいのにきちんと歯ごたえが。どれも控えめながらこの3種のバランスが絶妙です。そして、やっぱり幼桃の蜜漬けはおいしくて、サクッでもコリッでもない食感がなんとも表現しがたいのです。
薄紅の餅とピンクのあんこのグラデーションが緑色の幼桃に映えます。そのきれいな配色を見せたくて、撮影のために切りましたが、実はとても柔らかいので切ることはお勧めしません。ひと口ふた口、パクッパクッと食べて、3種の食感と味を楽しむのがこの大福の醍醐味です。

薄紅の餅とピンクのあんこのグラデーションが緑色の幼桃が映えます

今回の器は、シンプルな陶磁器の平皿です。購入したのは、15年以上前。ある方の作品と思い込んで使っていましたが、サインが違っていたことに今回気が付き、誰の作品かわからなくなりました。6枚ありましたが、東日本大震災で割れ今は4枚残っています。
ほぼ平らなので、なんでも盛りやすい点が気に入っています。真っ白ではなくわずかに黄味がかった白で、うっすらと貫入(細かい釉のヒビ割れのような模様)が入っていて風合いがあります。直径が12.5cmで使い勝手が良い大きさで、お菓子、フルーツ、漬物、おにぎり1個などをのせたり、上に器を重ねてソーサーにしたり。和食器ですが、クッキーやプチケーキといった洋菓子をのせてもしっくりきます。用途が多いので使用頻度がとても高い皿のひとつです。

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