こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、名古屋ういろの元祖である餅文総本店さんの『献上外良(けんじょうういろ)』です。名古屋ういろには、父が出張のお土産でよく買ってきてくれた思い出があります。もう30年以上も縁が無かったので、久しぶりに食べたくなりお取り寄せをしました。
餅文総本店の『献上外良』と作者不明のガラスの器
名古屋銘菓の代名詞といっても過言ではないほど、広く知られている“ういろう”。ちなみに、外良(ういろ)は外郎(ういろう)、どちらも正しい表記です。
今回ご紹介する餅文総本店さんは江戸中期のはじめ1659年創業で、なんと江戸時代の“観光ガイド”にも紹介されている老舗です。その歴史は今年で359年にもなり、創業時からういろづくりをされている“名古屋ういろの元祖”。当時、尾張藩の御用商人をしていた初代・餅屋文蔵が、藩主の徳川光友へういろを献上したことが始まりだそう。以来、昔ながらの製法で秘伝の味を守り続けてきたのが『献上外良』です。
子どもの頃に食べた名古屋ういろは、ムチっとして重くてずっしり。一切れ食べたら、ご飯が食べられなくなるほどお腹がいっぱい。その感覚で『献上外良』をいただいたところ、とても品があってあっさりとしているので驚きました。開封して包丁を入れた時は、うまく切れるかな?と思うほど柔らかく、米粉や小麦でんぷん特有の重たいねっとり感が手に伝わります。しばらくすると、それがもっちりに変わり、どんどん、もっちり感が増すのです。ですので、切りたてと少し時間をおいた最後のひと口では、繊細な食感の違いが楽しめました。
取り寄せたのは、抹茶、黒、栗、白の4種入セット。どれも甘さは控えめでしつこさが全くありません。抹茶は味が濃く、黒は黒糖のコクが深く、栗は小豆と栗の風味がしっかりでています。そして、白はほのかな甘さで・・・餅でもない、白玉団子でもない、これぞ「ういろ」! としか表現できない、私のイメージする味。ですが、思い出の味よりもずっと上品です。4種を切って並べた様子もきれいで、食欲をそそります。ハーフサイズなので、少しずつ楽しめるのも嬉しいですね。少し硬くなったら電子レンジで温めると、蒸したての味を再現できるそう。でも、おいしいので硬くなる前に全部食べちゃいました(笑)。
今回の器は、ガラス皿です。実は買ったお店も、誰の作品なのかも全くわかりません。15年以上前に、たった1つだけ買ったことは覚えています。傾斜がなくフラットなところを気に入ってます。直径19cm、高台6cmとガラス製としてはボリュームがあります。購入当時は、ガラス作家の艸田正樹さんの作品を集めていたのですが、艸田さんのシャープさとは異なる、丸みのあるコロンとした佇まいに魅かれたのを覚えています。普段は、チーズやカルパッチョ、デザートをよくのせて使っています。実はそれ以外に、漬物を作るときの落し蓋にも。平らなので、均等に重さが伝わるので便利なのです。とても重宝しているお皿です。
<気になる和菓子>