栗阿彌の『栗阿彌(りつあみ)』と尾形アツシさんの器

栗阿彌の『栗阿彌(りつあみ)』と尾形アツシさんの器

こんにちは、飛田和緒です。ご紹介するのは、秋になると必ず食べるもののひとつ、栗のお菓子です。羊羹や饅頭などありますが、今回はシンプルな栗そのものを楽しむ和菓子を選びました。お取り寄せしたのは、京都の栗阿彌さんの『栗阿彌』です。和菓子の街・京都で栗菓子をメインに販売しているお店と聞き、これは食べてみたいと思いました。

京都の栗阿彌さんの『栗阿彌』

栗阿彌さんは、京栗菓匠 若菜屋のブランドとして始められたお店です。若菜屋の初代が丹波栗で有名な丹波篠山のご出身で、その奥様も丹波園部で300年続いたお菓子屋さんのご出身だったこともあり、約90年前に栗の和菓子を中心にしたお店を京都の千本丸太町で開業したそうです。今から50年ほど前に誕生した『栗阿彌』は、会席の八寸にでる「栗の渋皮煮」をヒントに作られました。今では、同名のお店を立ち上げるほどの代表銘菓となり、人気を集めてます。

『栗阿彌』を作る工程は、とても丁寧。硬い栗の皮を手作業でむき、渋皮についているひげを1本1本取っているそう。なんて繊細な作業、想像するだけで大変さが伝わってきます。その後、栗が割れないように注意しながら煮て、そして、蜜に漬けて、最後にグラニュー糖をまぶしています。
味は、渋皮がしっかり感じられ、香ばしい栗の風味をいっそう高めています。マロングラッセというよりも、甘納豆に近い食感。栗特有の風味を残しつつ、やさしい甘さが口の中に広がり、シンプルで上品。やはり張りのある渋皮がアクセントになって、ただのやわらかい甘露煮とはひと味もふた味も違うのです。
大粒の栗なので、サイズを揃えるのもご苦労があるでしょう。餅や饅頭で包めないので大きさは誤魔化しようがありません。栗を堪能できる、栗好きにはたまらない一品です。

栗を堪能できる、栗好きにはたまらない一品です

今回の器は、尾形アツシさんの作品です。尾形さんは、雑誌の編集者から陶芸家になった、異色の経歴。東京出身ですが、いまは奈良で作陶されています。この器は、直径は約11cmで、この直径にしては珍しく、高さが3cmほどあります。小さいのにどっしりしている点が気に入りました。表面に薄い貫入があるのですが、模様のように黒く目立っている貫入もあり、素敵だな~と思い同じ大きさを数枚購入しました。最近は一般的に薄い器が多く見られますが、この器は持つとずっしりしていて安定感があります。色も落ち着きがあり、何にでも合いそうと思いました。少し深さもあるので、厚みのある和菓子を入れたり、漬物を入れたりして使っています。

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