こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、京都・桂離宮のそばにお店を構える中村軒さんの『六方焼』です。先日、違う和菓子をいただき、入っていたパンフレットを見て、食べてみたいなぁ~と思い、さっそく取り寄せました。
京都府京都市 中村軒『六方焼』と作者不明の器
中村軒は、饅頭屋として明治16年創業、今年で136年になります。絶品の呼び声高い「かつら饅頭」は創業当時からお土産として珍重され、旧久邇宮家の御用菓子に選ばれたり、天皇、皇后両陛下へ献上されたりしているそうです。
また日本の最高名園といわれる桂離宮の南側に位置し、歴史を感じさせる店構えに加え、併設する茶店は風情のある和室ということで、おいしい和菓子を求めて訪れる人は、日本人に限らず途切れないと聞きます。
こちらのお店は、昔ながらの餡づくりをされています。かまどに木をくべ、銅の釜でじっくりと炊き上げて、余熱も味へのこだわりに。「現代の名工」として表彰されていることからも、匠の技なのだと思います。だからでしょう、とにかく餡がおいしいのです!
『六方焼』は、粒あんとこしあんのセットを選びました。粒あんは、やさしい甘味で、小豆がしっかり残っていて豆本来のおいしさが堪能できます。こしあんは、さらりとしていて口当たりがよく、こちらも甘さひかえめで上品です。それぞれの味わいが異なるのがいいですね。きれいな焼き色がついた皮は、薄いのにコクがあってほんのり卵の風味を感じました。
皮と餡のバランスがちょうどよくて、縦横がほぼ5cmで厚さが約3cmのサイズも大き過ぎず小さ過ぎず。良く考えられているな~と思います。パンフレットに「130年ず~っと人気の六方焼」と書いてあるのも納得です。登録商標されている「麦代餅」をはじめ、お取り寄せできない季節のお菓子がたくさんあるので、いつかお店で食べてみたいです。
今回の漆器は、20年ほど前に杉並区の阿佐ヶ谷にある古道具屋さんで購入しました。骨董というには少し新しく見えます。作者不明で、サインも入っていません。直径は片口を入れると13cm、深さは4cm。当時は、染付の器が好きで買っていたので、それらに合わせてコーディネートしたいと思い、手にしました。
購入した頃は、金平糖にハマっていたので、合うだろうなと思いましたし、実際に入れていました。淡いカラフルさが朱塗りにとてもよく映えるのです。片口なのですが注ぎにくそうなので、いまでもお菓子入れにして豆菓子やあられ入れに使っています。
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