第7回 五穀屋『山むすび』と三谷龍二さんのボウル

 今回ご紹介する和菓子は、静岡県浜松市のお店、五穀屋さんの『五穀せんべい山むすび』です。こちらは、実は全国的に有名な『うなぎパイ』の春華堂さんのブランド。からだに美味しいお菓子というコンセプトが気になり取り寄せました。

まず目を引いたのはパッケージ。シンプルながらモダンで、ひとめ目で日本とわかるデザインです。この『富士山』パッケージは、2016年夏にニューヨークで開催されたイベント「Chefs & Champagne NY」のVIPに贈られた特別仕様だそう。スターシェフが一同に集う“食のアカデミー賞”といわれ、アメリカの食通やセレブリティが一夜限りの饗宴として参加するこのイベントに、五穀屋さんは日本初ブランドとして選ばれました。そんな誇らしいストーリーが、デザインからも感じられます。

今回取り寄せたのは、玄米醤油と七福米塩の2種。“からだに美味しい”というコンセプト通り、素材が感じられる味です。おせんべいで穀物の味がわかるものは、そう多くはないでしょう。食感は2種ともサクッ、ザクッと心地よい歯ごたえ。醤油味はあっさりした薄口で、中華のおこげをずっと軽くしたような味わいです。もち米と玄米を使用しているので、よりおこげっぽいのかもしれません。塩味も塩気は軽く、麦や五穀のコクがしっかり引き出されていて、もちきびやひえなどのつぶつぶ感や黒米の噛みごたえのある食感が楽しめます。
焼きおむずびを薄くしたようなかわいい見た目と、箱の折り方までもモダンなデザインは、贈り物にしたら必ず喜ばれるでしょう。つい手が伸びてしまうので、食べ過ぎにご注意くださいね。

 

器は、三谷龍二さんの木製ボウルです。いまでは、個展を開催すると深夜3時からファンが並ぶというほどの人気作家の三谷さん。この作品は10年ほど前に、自由ヶ丘のギャラリーで購入しました。当時は、おっかけのように(笑)個展にうかがっては購入し一通りそろえたので、食器棚がいっぱいになるくらい持っていました。使用頻度の低いものはお好きな方にあげたので、いまはよく使うものだけを手元に残しています。このボウルもそのひとつで、スープを入れたり、リゾットを入れたりして、よく食卓に登場します。木製なので熱い汁ものを入れても、持っても熱くないのです。ほかに、サラダやお菓子をいれることも。木器のやさしい風合いは飽きがきませんね。

さて、我が家の食卓を少しご紹介。
4月になると、必ずしらすを食べます。3月後半からしらす漁が解禁になるのですが、我が家では年末からそれを心待ちにしています(笑)。釜揚げしらすを炊き立てのご飯にのせていただくのはもちろん、アシタバと一緒に天ぷらにしても。アシタバは近所に自然に生えているんですよ。野菜は、夏野菜が出まわるまでの端境期なのですが、大根、ブロッコリー、菜の花などの様々な種類の菜花の味が楽しめます。おひたしや炒めものにしたり、春のアサリと一緒にオイル蒸しにしたりとバリエーションがあります。あとは、地元のタケノコ。大きくてずっしりとしていて、食べ応えがあります。アクが強いので、しっかり水煮をし、炊いたり、炒めたり、煮たりと大活躍。すその固い部分は油で揚げるとおいしいですよ。

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