こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは名古屋の老舗、きよめ餅総本家の『きよめ餅』です。お餅好き、あんこ好きとしては、食べてみたいと思った一品。これは大福とは違うのかしら? と気になり取り寄せました。
第18回 きよめ餅総本家『きよめ餅』と木村毅さんの木皿
名古屋の熱田神宮は、三重県伊勢神宮と並んで、今も昔も多くの人々が訪れる由緒ある神社です。その昔、1785年頃、熱田神宮の西門近くに「きよめ茶屋」が設けられ、参詣する人々がお茶を飲んで疲れをとり、身を正してから神前へ向かうならわしでした。きよめ餅はこの茶屋に因んで作られたのだそう。熱田神宮参りのお土産としてはもとより、名古屋土産としても有名で、名古屋駅でも買い求める人をよく見かけます。
そんな銘菓ですが、不思議とこれまで縁がありませんでした。大福を見つけると買わずにはいられないほどの大福好きな私なのに(笑)。
あんこを餅で包んでいるこのお菓子を大福だろうと想像するのは当然のこと。ところが良い意味で、期待を裏切られました。まず、包んでいるお餅にびっくり。あんこが透けているように見えるので、薄いのかと思ったらそんなことはなく、しっかり餅を味わえます。ただの餅ではなく、羽二重餅なので、とにかく柔らかい。表面はつるんとしていて、口にするとトロリ。食感の良さは期待以上です。なかのこしあんはなめらかで、丁寧に炊きあげじっくりと練られていることが分かります。あんこがほどよく甘いのもいいですね。手に平に収まる少し小ぶりの大きさも食べやすい。餅もあんこもとても上品で、きよめの焼き印も趣があります。お土産として人気なのも納得の銘菓です。
器は、長野県の木工作家、木村毅さんの角皿です。横13cm、縦9cmの小さなサイズ。普段はナッツやお菓子入れに使っています。購入したのは10年くらい前。三谷龍二さん以外の作家さんも見てみようと思った時期に出会いました。購入したお店には小ぶりのものが並んでいて、どれもかわいくて、つい8点まとめ買い。その時の店主の話では、1つたりとも同じものを作らないと聞きました。確かに、どれも違っていて選びきれずに買ってしまったのです。同じ形でも木の種類が違っているので表情が楽しめます。同じものをつくらない、いまでもその姿勢は変わらないそう。その時に手に入った材料から製作しているので、同じものにならないのだそう。ぶれのない作風、なんだかうれしいですね。
さて、我が家の食卓を少しご紹介。
枝豆は夏も食べますが、私が暮らしている三浦半島では9月になると田んぼの畦道で栽培する「たのくろ豆」という品種の枝豆が獲れます。豆の粒が大きくて、味が濃いのです。味噌や豆腐に使う種類だそうですが、普通に茹でて食べています。私のように毎年楽しみにしているファンも多いようで、たくさんは出まわらないこともあり、あっという間になくなります。なので、農家さんに「そろそろですか?」とマメにお電話しています(笑)。普通の枝豆は、たまに余ったときはお味噌汁に入れたり、ダシ醤油につけたり。ニンニク、ショウガ、ネギ、豆板醤、ゴマ油、醤油と混ぜたタレにサヤごと漬けて冷蔵することも。ちょっと変わった食べ方としては、フライパンにサヤごと入れて塩で15~20分炒める“焼き枝豆”も楽しんでいます。
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