〇月×日
焼き鳥屋さんに来て、厚揚げが美味い、アスパラ抜群、うずらの卵の半熟最高、鬼おろしの大根と出汁醤油は止まらんな、とかの感想はどうかと思うが、焼き鳥が旨いからこそ、そこまで感じるわけで。
今年2月にオープンした恵比寿「鍈輝」。ご実家も焼き鳥店。「鳥しき」「鳥かど」を経てオープンというサラブレッド。
【4月の食日記】
SHOP INFORMATION
▶ 店名 鍈輝
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13230923/
〇月×日
前回の訪問時に予約し、待つこと2年。四谷「鮨三谷」の隣には、いつの間にか巨大なビルの建設が急ピッチで進んでいた。
一品一品とワイン、日本酒のマリアージュはさらに深化し、凄みを増している。
「1位は競わない。だから最高のもの同士の組み合わせでないと調和しないんです」。
その言葉のとおり、いや、こんなのここでしか飲めないよねという恐ろしいラインナップが肴、握りをさらに輝かせる。
次回、2021年が早くも楽しみだ。
SHOP INFORMATION
▶ 店名 鮨 三谷
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130902/13042204/
〇月×日
けっこう長く飲食店で食べているけれど、1歳児のサービス人にお手拭きをもらったのは初めて。昨年、巣鴨にオープンした「中洞」は、四川料理の名店「芝蘭」の料理長が奥様と始めたお店。
その奥方におんぶされた乳児が、よくあるパッキングされたお手拭きを手渡してくれる(というか振り回してるのを取る)のだけれど、もうこれだけでふにゃっとなるのですよ。心の汚れた大人も。
そんなわけで、壁にパンダ(子供向けのイラストチックではない、素敵な)が描かれた店内には穏やかな空気が流れ、イラスト入りの完全無添加メニューはとても魅力的。ちなみにパンダもメニューも画伯はシェフ。
頼みたいものがあり過ぎてふたりで来たことを後悔していたら、きちんと「お持ち帰りできます」と一筆が。
これを書くだけで、売り上げは確実に伸びるはずで、もちろん私たちも持ち帰り前提で、2品は多くオーダー。
中国の地酒も充実していて、3種飲み比べセット900円なんてのもあったりして、酒飲みにも嬉しい。
味はとんがっていない、優しい系だがポイントは確実に押さえている。
昨年ブレイクのダペピ(近所)といい、巣鴨で何が起こっているのだろうか。
新居をお探しの方は巣鴨へ。
SHOP INFORMATION
▶ 店名 四川家庭料理 中洞(なかほら)
▶ URL https://ameblo.jp/nakahora/
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▶ 店名 DA PEPI
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13124157/
〇月×日
恵比寿「イル・ボッカローネ」がオープンしたのは平成元年。
今のように「予約の取れない店」だらけでない時代で、本当に予約が取れなかったことをよく覚えている。そして平成の時代を生き抜いているのが何よりすごい。
そんな人気店に19年間勤めた岩田シェフの独立店が、同じ恵比寿の「イル・バロンドーロ」。場所はかつて「新橋湯」があり、路地を入ると「園山」があった、あの通りだ。
何より、ドアを開けた瞬間からウエルカムな空気が漂うのがいい。
若きサービス君は、全力で客を楽しませようとしてくれ、スペシャリテの炭火焼スペースの前に陣取るシェフは、目が合えば微笑みかけてくれる。
であれば、こちらも思い切り楽しもうと思うではないか。
直球の料理もワインもしみじみと美味い。
特別な日でなくても、楽しい夜を過ごしたい時にはとてもいいお店だ。
SHOP INFORMATION
▶ 店名 イル ボッカローネ東京 (IL Boccalone Tokyo)
▶ URL https://www.facebook.com/ilboccalone.tokyo
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▶ 店名 IL Ballond’oro イル バロンドーロ
▶ URL https://www.facebook.com/IL-Ballondoro-イル-バロンドーロ-285321425600648/
〇月×日
日本橋・旧サンパウの地で10か月間に渡り、世界中のスターシェフ30人が料理をふるまうという夢のイベント「COOK JAPAN PROJECT」。ひとりのシェフが担当するのは3日から6日程度なので、とんでもないプラチナ。
幸運にも先日、パリ1つ星「アントワーヌ」のティボー・サンバルディアシェフの回に。
もちろん事前のやりとりはあるとはいえ、3日前の来日でこのクオリティを出せるというのは、双方スタッフの恐るべき努力の賜物だろう。
こんな環境で働ける日本人スタッフが羨ましい。どれだけ力が付くことか。
そして改めてラインナップを見て、全部行きたい…とため息が。
SHOP INFORMATION
▶ 店名 COOK JAPAN PROJECT
▶ URL https://cookjapanproject.com/language/ja
〇月×日
昨年「東京最高のレストラン2019」の注目店として登場し、マッキー牧元さん、横川潤さんらイタリア料理を食べ込んだ名人たちから絶賛を浴びた「オステリア・デッロスクード」にほぼ1年ぶりに。
イタリア20州の郷土料理を2カ月ずつ提供していて、この日はウンブリア州。
唯一の内陸州で、中田ヒデさんがいたペルージャが州都。
豆とハーブが特徴というので、前菜、スープはその方向で。
最近、お豆は苦手という人が多いけれど、ぜひ食べさせたい。シンプルなのに、なんじゃこりゃ! という滋味。イタリア料理が「マンマの味」と言われることを激しく体感できる、懐かしさと素朴さ。
パスタはフラスカテッリとストランゴッツィという、地元麺。太麺好きにはたまらない食感。思い返してもうっとりする。
コラトゥーラというイタリアの魚醬でマリネした豚のメインは、日本人ならヨネを欲する旨さ。
ワインもウンブリアの白赤をいっぱい飲んで、くだらない話をたくさんして、もちろんグラッパ×2で締めて。
これでコース6500円ですからね、もうどうなのよという感じ。
「君の名は。」聖地至近。
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▶ 店名 Osteria dello scudo
▶ URL https://www.osteriadelloscudo.net/
〇月×日
息子とふたりの昼飯は太麺の焼きそば。
娘は細麺好きなので、ここぞとばかり。 川喜本店の麺はあらかじめ炒めて、味を染み込みやすく。
ソースはもちろん、トリイのウスターと中濃。
とても重宝する万能調味料、カネニニシの鰹節の削り粉を最後に振りかけると、だいたい味が決まってくれる。
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▶ 店名 株式会社 川喜
▶ URL http://www.kawakinomen.com/shop/index.html
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▶ 店名 トリイソース
▶ URL https://www.torii-sauce.jp/
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▶ 店名 カネニニシ
▶ URL https://www.kaneni24.co.jp/
〇月×日
昨年11月、外苑前にオープンした「ロー」は流行というよりは、すでに一ジャンルになっているのでは? というイノヴェーティブ系フレンチ。
であるけれど難解ではなく、コース1.2万という値段もジャンル的には安いと思う。
ワインペアリングも面白くて、同じ畑なのに9種の葡萄を育てているウィーンのワインとか、フランスの修道院のとか、なぜそんなにひねくれる……というラインナップを楽しめる。
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▶ 店名 L’EAU
▶ URL https://leau.tokyo/
〇月×日
2018年春、渋谷のはずれにオープンした「かつお食堂」。
週2~3日、朝9時から12時までバーを間借りしての営業。
提供するのはご飯に山盛りの鰹節と味噌汁、玉子焼き、漬物のみ。
かようにシンプルなのだが、噂が噂を呼び、マッキー牧元さん、堀江貴文さんら名だたる食の有名人が駆け付け大ヒット。テレビやラジオでも紹介され、今では行列ができるほど。
その人気の秘密は店主の「かつおちゃん」こと永松真衣さん。前世はかつおだったと言い切るほどのかつお愛に溢れ、営業時間中、ひたすらかつおや鰹節がいかに素晴らしいかを熱く語り続ける。
もともとは夜な夜なパーティに明け暮れるような派手なOLだったが、祖母の削る鰹節と出会い、激変。日本中のかつお節の生産者を回り、この素晴らしい食材をもっと日本に、世界に広めたい! と「かつお食堂」をオープンしたそうだ。
鰹節は月替わりでテーマを決めて提供。私が訪れた時は、生産者さんの食べ比べ。枕崎、指宿、西伊豆、土佐の中からひとつを選び、削ってもらう。まずはそのままで、といわれて口に入れてびっくり。削りたての鰹節とはこれほどまでに芳醇なのかと! さらに別の生産者さんの鰹節も削ってもらい、こんなにも味の特徴が違うのかと、衝撃を受ける。
あとはテーブルの鰹醤油をかけたり、生卵をもらったりしながら、誰もが夢中で鰹節を堪能。
BGMはかつおちゃんの弾丸トーク。
「鰹節を削るのはメンタルも大事なんです! 気持ちひとつで味も変わります!」
「鰹の歴史はマグロより全然古いんです。令和では鰹節にスターになってもらいたいんです!」
楽しくてしょうがない。
そしてどうも、かつお食堂の影響なのか、東京では鰹節をクローズアップしたお店が増えているような気がする。
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▶ 店名 かつお食堂
▶ URL https://www.instagram.com/katsuoshokudou/
〇月×日
昨年12月、表参道にオープンした「アニマ」。4階建てで、それぞれの階によってトラットリア、バー、ワインショップなどと別れていて、使い勝手がいい。食材は出来る限りオーガニックを使用していて、メニューでもわかるようになっている。この日はトラットリアで打ち合わせを兼ねたランチだったが、ワインも適価だったので、ぜひ次回は夜に来たい。
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▶ 店名 AnimA
▶ URL https://www.anima.wine/
〇月×日
大学時代のアルバイトは、建築現場、引っ越し、駐車場整理、居酒屋、焼き鳥屋などばかりだった。家庭教師なんかをすると、自分が偉いと勘違いしてしまうのではと恐れたからだ。
といったことを数週間前、きちんと息子に話したのだけれど、合格したとたん、あっさり通っていた塾の講師のバイトを決めてきた。
あの時の真摯なうなずきは何だったのだろう。
バイトの講習会だというので釈然としないまま弁当を。玉子焼きにはお鮨屋さんの真似をして、海老のすり身を入れてみるが、どうだろうか。アマトリチャーナをくるんと巻いて。