創業は昭和29年のお菓子屋「鎌倉紅谷」。ブランドリニューアルによって焼き菓子「クルミッ子」が若い世代に人気となり、今では鎌倉を代表するギフト菓子となっています。三代目である株式会社鎌倉紅谷・代表取締役の有井宏太郎氏に、商品が愛され続ける理由をうかがいました。
かわいいリスくんが目印の 鎌倉を代表するギフト菓子「クルミッ子」 チョコを楽しむサンドクッキー 「CHOCCO」も新発売!
2022/03/07
株式会社鎌倉紅谷 代表取締役の有井宏太郎氏
―「クルミッ子」の開発経緯を教えてください。
有井 「クルミッ子」は36年ほど前から販売している商品です。当時は、「あじさい」「鎌倉だより」という焼き菓子の2本柱でしたが、経営の安定性をより築くため、もう1本柱となるような主力商品を開発したい、という思いから生まれたのが「クルミッ子」です。
お持たせにも自宅用にも人気。
―今は「ばえる」お菓子として、若い女性を中心にSNSでも人気ですね。
有井 以前は源頼朝が描かれたパッケージで、購入者の年齢層も高かったんです。個包装のフィルムには“リスくん”の絵が描かれていましたが、頼朝のイメージのほうが強く、若い人には響きにくい面がありました。そこで、15年ほど前にブランドリニューアルをして、“リスくん”を全面に出すようにしたのです。「おいしいお菓子で笑顔をつくる」「見た目に美しく商品の特性を伝えていく」というコンセプトでデザインを見直し、商品そのものの魅力、おいしさを伝わりやすくしました。その結果、購買層が若い人たちへ広がり、SNSでも紹介されるようになったのです。結果的に「ばえた」ということですね。
ぎっしりと詰まったクルミと、
甘さとほろ苦さの絡み合った自家製キャラメル。
―デザインのかわいさもさることながら、お菓子自体のおしいさが抜群です。
有井 「クルミッ子」のヒントとなったお菓子は、スイスの伝統菓子「エンガディナー」です。クルミがたっぷり入ったキャラメルをバター生地の中にサンドしたお菓子ですが、エンガディナーはもっと生地が厚いのが特徴です。「クルミッ子」は上生地を下生地よりも薄くして食感を軽やかにしています。実は、以前は「鎌倉だより」の製造工程で余った生地を使って作っていました。捨てるのがもったいないので、「クルミッ子」に再利用していたのです。今は製造量が増えたので、専用の生地を作っています。
―中のキャラメルの絶妙な味わいはどのように出されているのでしょうか。
有井 甘さ、ほろ苦さ、柔らかさ、とろみといったバランスが大切なキャラメルづくりは、気温、湿度にも影響を受けるため、職人さんの感覚が必要です。そのため、1鍋ずつ手作業で作っていますが、手作りにこだわっているのではなく、おいしさにこだわった結果、手作りという選択になりました。昔はカットも全て手作業で行っていましたが、今は機械を導入しています。クルミはカリフォルニア産で、生産者の視察にも行きました。
―1個でも十分に満足感があります。
有井 食べ応えがあるけれども、もっと食べたくなるサイズになっているのではないかと思います。
-「クルミッ子」はどういう方に手にとっていただきたいですか?
有井 コロナ禍という制約が多い生活で、お菓子は“幸せ必需品”であると認識した方も多いのではないかと思います。「クルミッ子」を食べたお客様からも「元気になりました」「ほっとする、心のよりどころです」といったお声をいただけたのがうれしかったです。食べた方が感動して幸福になれるお菓子を目指しており、観光のお土産というよりは、ご自分や大切な方へのギフト菓子として使っていただけることを願っています。
-そのままだけでなく、食べ方のアレンジでおすすめは?
有井 3つご紹介します。まずひとつは、アイスクリームにのせる食べ方です。「クルミッ子」を電子レンジで20秒ほど加熱すると、溶けたキャラメルとアイスクリームの相性が抜群です。もうひとつは、冷たく冷やして「クールミッ子」にする食べ方です。さらに「スーパークルミッ子」という食べ方は、オーブントースターで2~3分焼き、小さくカットしたバターをのせます。出来立てに近い味わいを再現できるのでおすすめですよ。
温めてバターを載せたアレンジ「スーパークルミッ子」。
-どれも試してみたくなります!「クルミッ子」の今後のビジョンは?
有井 繁忙期(年末)は生産が追いつかず、品切れとなりがちで、お客様にご迷惑をおかけしてしまっているので、もっと生産能力をあげたいと考えています。また、限定商品「クルミッ子5個入(令和四年鎌倉デザイン)」が春頃からオンラインでもご購入いただけるように準備中です。2月25日には、伊勢丹新宿店がオープンし、店舗限定で“クルミッ子”をトッピングしたチーズケーキ「フロマージュ浮島・YUKI」も販売いたしますので、こちらもお楽しみください。
リスくんが鎌倉時代の装束をまとう
「クルミッ子5個入(令和四年鎌倉デザイン)」。
-最後に新商品「CHOCCO(チョッコ)」とは?
有井 「第4のチョコレート」と呼ばれているルビーチョコレートとブロンドチョコレ―トを使ったチョコレートサンドクッキーです。フルーティーな風味とベリーのような爽やかな酸味が特長の“ルビーチョコレート”と、アクセントとしてヨーグルトのような爽やかさをプラスしたキャラメルのような香ばしい風味を感じる“ブロンドチョコレート”をそれぞれ、ゆずとカカオニブのアクセントを加えたハードなクッキーでサンドしました。組合せの意外性によって生まれる面白さと、カリッとかための生地で、時間をかけて味わえるおいしさです。ぜひお試しください。
クッキーとチョコレートのハーモニーが絶妙。
新商品「CHOCCO」にもリスくんが。
ゆずベリー&ルビーチョコレート、
ココア&ブロンドチョコレートの2種類が入っています。
-今までにない食感と味わいでとてもおいしかったです!素敵なお話をありがとうございました。
「クルミッ子 8個入」
▶価格 ¥1,166(税込み)
▶店名 鎌倉紅谷
▶電話 0120-15-9635(平日11:00~16:00)
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://www.kamakurabeniya.com/shopdetail/000000000002/kurumicco/page1/recommend/
▶オンラインショップ https://www.kamakurabeniya.com/
「CHOCCO 4個入」
▶価格 ¥864(税込み)
▶店名 鎌倉紅谷
▶電話 0120-15-9635(平日11:00~16:00)
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://www.kamakurabeniya.com/shopdetail/000000000091/
▶オンラインショップ https://www.kamakurabeniya.com/
<Guest’s profile>
有井宏太郎氏(株式会社鎌倉紅谷 代表取締役)
1979年鎌倉市生まれ。2001年に合資会社紅谷、現在の株式会社鎌倉紅谷に入社。2008年に29歳で3代目代表取締役に就任。第1弾ブランドリニューアルを実施しパッケージを変更。
2012年、第25回神奈川県名菓展菓子コンクールにて「クルミッ子」最優秀賞受賞。2018年に第2弾ブランドリニューアルを実施。本店の改装および、カフェ事業を立ち上げる。「おいしい」の先にある気持ちを一番大切にする、をミッションに掲げ、おいしさはもちろん、わくわくやときめきなどお菓子やサービスを通した顧客感動機会の更なる創造を目指している。
〈文/垣内栄 MC/菅野真央 画像協力/鎌倉紅谷〉