今回編集長アッキ―が気になったのは、「横山食品」。戦後の昭和24年に豆腐店からスタートし、がんもどきの流通量日本一になるまで会社は成長しました。新しい大豆製品の開発に取り組む株式会社横山食品の代表取締役社長・横山史子氏に、取材陣がお話をうかがいました。
とろとろ豆乳「まめちちセット」 「大きな贅沢がんも煮詰め合わせ」
2022/03/31
株式会社横山食品の横山史子代表取締役社長。
―まずは事業内容について教えてください。
横山 当社は大豆の加工食品の製造をしています。油揚げ、がんもどき、厚揚げ、惣菜を作っており、3年前に豆乳事業も始めました。今、代替肉として大豆ミートが注目されていますが、がんもどきはもともと精進料理でお肉の代わりに食べられてきたという歴史があります。これからは、がんもどきから新しい代替食品を作れるのではないかと動いております。
「牛蒡のシャキシャキがんも煮」。
旨みの濃い豆腐生地とシャキシャキ牛蒡の食感を楽しめます。
「筍のコリコリがんも煮」。
大きめにカットされた筍がたっぷり入っています。
豆乳もブームになっていますが、豆腐や油揚げを作っているメーカーの豆乳は、豆腐や油揚げを生産する過程で作られる豆乳で、おいしくありませんでした。そこで、加工の過程ではなく、豆乳に特化して、おいしい豆乳を作ることにしました。
―それが「さらさら豆乳」「とろとろ豆乳」ですね。
横山 はい。まず、大豆の炊き方のところで固形成分何%が一番おいしいのかを研究しました。その後、大豆のえぐみをなくすために、大豆の皮を全部とりました。特徴であるとろみをつけましたが、何かを加えるのはなくて製法の温度などで工夫しています。そうしてできたのが大豆固形分が11%以上あって、とろみのある濃い「さらさら豆乳」です。「さらさら」と名前をつけていますが、実はすごく粘度があります。
原材料は、三重県産大豆ふくゆたか、のみ。
添加物を一切加えず、大豆の濃さだけで生まれたとろみが特長。
―そうですよね!「とろとろ豆乳」はさらに粘度があります。
横山 「とろとろ豆乳」は、豆乳づくりのテストをしていたときに、たまたま豆腐のような固まり方をしたときがあって、これも面白いと思ったんです。さらさらが牛乳でとろとろがヨーグルトのようにとらえてもらえればと2種類を作りました。食べ方や使い方もお客様に楽しんでいただけるのではないかと思っています。
「とろとろ豆乳」は大豆固形成分14%以上。
スプーンで”食べる”無調整豆乳。
わさびとしょうゆで副菜に、
あんこときなこでデザートにも。
―どちらもとてもおいしかったです。まめちちと名付けられた理由はあるのでしょうか?
横山 ひらがなにしたほうがやさしいと思い、豆乳=まめちちと読んで名付けました。
―なるほど!個包装なのも使いやすいですよね。
横山 衛生面から紙ではなくビニールパックにしていますが、ティーパウチタイプのものも準備しています。まめちちは、安いものではありませんし、ゆっくり丁寧に、気持ち的にもホッとしていただけるような場面で食べていただきたいですね。
―高齢者や赤ちゃんにもおすすめだとうかがいました。
横山 普通の豆乳の1.5倍から2倍のタンパク質が含まれているので嚥下されにくい高齢の方にも安心で、離乳食としても使っていただけます。「さらさら豆乳」は、さらさらしすぎてむせてしまうことがなく、適度なとろみで飲みやすいんです。
「さらさら豆乳」は大豆固形成分11%以上。
濃い”飲みごたえのある”無調整豆乳。
―大きな「がんも煮」もとてもおいしかったですが、味付けへのこだわりはなんでしょうか。
横山 うちの母は砂糖を多くしてすごく甘めに作りますが、家庭の味には正解はありません。母のお友達の70代の皆さんにテスト商品を試食いただき、最終的には自分が美味しいと思う味つけにしました。「がんも煮」には5つ具材が入っていますが、じつは全部意味があります。にんじんは色がきれい、昆布はいいだしがでる、牛蒡は香り、筍は食感、きくらげは色味と食感です。今後もいろんなシリーズで出していきたいと考えています。
鰹と昆布がベースの和風出汁を甘辛く調味。
温めるだけですぐに美味しいがんもどきの煮物が食べられます。
おかずには、ひと口大二切り、
ゆでたほうれん草とからしを添えて。
おつまみには薄切りにして。
―新たに考えていらっしゃる商品はございますか?
横山 すでに「グルメおから」という商品があるのですが、グラノーラに混ぜて、好きなフルーツを入れていただくと、栄養価も高くなり、おいしい朝ごはんになります。コーヒーともよく合います。有名和食店「賛否両論」の笠原さんにもレシピを考えていただき、いろんな食べ方を提案していきたいと考えています。さらに「豆腐ボール」を開発中です。豆腐の生地におだしが染み込んでいて、グルメおからと大豆ペーストを入れています。グルメおからには豆乳がはいっているのですごくクリーミーになります。がんもどきはふっくらやわらかいですが、豆腐ボールはふっくら重く、身が詰まってます。
―それは完成が楽しみです!
横山 今の商品は冷蔵のみですが、冷凍も増やして、賞味期限を伸ばしていきたいです。大豆は高タンパクで低糖質と今の時代に合っている食材です。若い方にも食べてもらいやすい商品を開発していきたいです。
―ありがとうございました!
「まめちちセット(さらさら豆乳・とろとろ豆乳各1箱)」
▶価格 ¥2,720(税込み)
▶店名 横山食品
▶電話 059-267-0175(土日祝を除く9:00~16:00)
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://agenoyokoyama.shop-pro.jp/?pid=152885764
▶オンラインショップ https://agenoyokoyama.shop-pro.jp/
「大きな贅沢がんも煮詰め合わせ10袋」
▶価格 ¥2,630(税込み)
▶店名 横山食品
▶電話 059-267-0175(土日祝を除く9:00~16:00)
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://agenoyokoyama.shop-pro.jp/?pid=151620583
▶オンラインショップ https://agenoyokoyama.shop-pro.jp/
<Guest’s profile>
横山史子氏(株式会社横山食品 代表取締役社長)
1966年、三重県津市生まれ。鎌倉女子大学を経て、創業者で祖母のかね子さんから「豆腐屋を継げばバラ色の人生が待っている」と言われ横山食品に入社。「おいしく、たのしく、おうち食」をテーマにお客様に寄り添った商品展開で差別化。2005年に父・横山武夫氏の後を継ぎ、横山食品3代目社長に就任。
<取材・文/垣内栄 撮影/坂口明子>