人並優れた米への愛情とこだわりで100余年。ゐざさ中谷本舗の「ゐざさ寿司8個入」「柿の葉寿司 5色20個入」「蒸し柿の葉寿司5種20個入」
2022/04/13
その昔、奈良の郷土料理、柿の葉寿司をそれは上手に作るキクエばあさんがいたそうな。地元、奥吉野・上北山村の活性化を願って、観光名所である大台ケ原の名物となる寿司を考案し、好評を博しました。それから約60年、キクエばあさんの子孫は、郷土の味を現代につなぐ食文化の創造に挑戦し続けています。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社中谷本舗 代表取締役社長の中谷昌紀氏に、取材陣が伺いました。
株式会社中谷本舗 代表取締役社長の中谷昌紀氏
―キクエばあさんは、中谷社長のおばあ様ですか?
中谷 そうなります。中谷本舗は1921年に米穀販売店として、祖父が開業しました。祖母の作る柿の葉寿司が評判を呼び、商品化して米を売る傍らで販売したようです。
―看板商品であるゐざさ寿司はどのように生まれたのですか?
中谷 1961年、上北山村に大台ヶ原ドライブウェイが開通したことで、訪れる観光客に向け、名物料理を作って地元を盛り上げようということになりました。大台ケ原には多くの笹が自生していたので、柿の葉寿司ならぬ笹の葉寿司としたところ、味わいや食べやすさに加え、お雛様のように愛らしい見た目が喜ばれたようです。
みずみずしい笹の葉からオレンジ色のサーモンがのぞく愛らしい佇まいのゐざさ寿司。
―見た目もかわいらしいですが、ふわーっと香る笹がさわやかで、塩気のある鮭とシャリの相性もばっちりですね。
中谷 元米屋ですから、シャリには特に思い入れがあります。少し甘めのすし酢と出汁を合わせる上方風。毎年、米の出来具合を見ながら、中谷らしいシャリになるよう、銘柄を探してブレンドします。米は、違う種類を合わせることで互いの良さを引き出し合うんですよ。米の持つ水分量や季節によって、炊き方も変えています。炊きあがりの目安となる「カニ穴」が開いて、一粒一粒がしっかり立ち、合わせ酢がじゅわーっと染みこむ炊きあがりになるよう、心を砕いています。
少し甘めで米粒をしっかり感じられる渾身のシャリ。
―同じシャリ同じネタでも、包む葉が違うだけで、こうも風味が変わるのかと、柿の葉寿司に驚きました。
中谷 柿の葉寿司は、熊野と吉野をつなぐ「さば街道」沿いで、浜塩をした鯖を押しずしにして柿の葉で包み、保存食としたのが始まりです。うちの柿の葉寿司は、キクエばあさんの味を忠実に再現。鯖のほか、ゐざさ寿司にも使う鮭、アジや鯛、エビなど飽きないラインナップとなっています。
押しずしにして空気を抜き、柿の葉で包むことで日持ちさせたそう。
―食べ方に作法はありますか?
中谷 作法はありませんが、柿の葉を広げて葉を持って召し上がると、柿の葉の香りが広がると思います。冷蔵でお届けしますが、食べる前に常温に戻すとシャリ本来のおいしさを楽しんでいただけると思います。
吉野では、少し古くなった柿の葉寿司を七輪であぶって食べる習慣がありました。ご家庭でも、オーブントースターやホットプレートなどで数分焼いていただくと、シャリはふんわり柔らかくなり、ネタの脂が焦げた香ばしさが加わって、また別の味わいになりますよ。
食べるときは、葉っぱごと手に持って。右/少し焦げ目がつくくらい焼いても美味。
―お寿司を加熱!? と驚きましたが、新しいおいしさの発見でした。蒸し寿司もその発想ですか?
中谷 保存食であった柿の葉寿司ですが、現在はそこまで日持ちをさせる作り方ではありません。寿司のシャリは解凍が難しく冷凍保存も不向きでした。けれど、柿の葉寿司を焼くという伝統的な食べ方にヒントを得て、蒸しておいしいお寿司なら冷凍できるのではないかというところから生まれた商品です。電子レンジ加熱で気軽においしくなるよう、ネタは焼きさばや煮アナゴなど、温めておいしいものを厳選しました。
焼きさば、さけ、あなご、豚蒲焼、金目鯛の5種が真空冷凍され、
電子レンジで3~4分加熱するだけと、とても便利。
―創業100年超の老舗ながら、伝統を守りながら時代に見合った商品開発に挑戦されているのですね。
中谷 やはり、チャレンジすることを忘れてはダメだと思っています。我々を取り巻く環境は日々変わっていますし、輸送や流通手段の発達などで、日本はどんどん縮まっている。常に前を向いて時代に即した商品をこれからも送り出していきたいと思います。ただし、うちは元々米屋。米飯と寿司の商品にはこだわっていきますよ。
―素晴らしいお話をありがとうございました!
「柿の葉寿司 5色20個入」
▶価格 ¥3,261 (税込)
▶店名 ゐざさオンラインショップ
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://shop.izasa.co.jp/item/kakinohasushi_5-20
▶オンラインショップ https://shop.izasa.co.jp/
「蒸し柿の葉寿司5種20個入」
▶価格 ¥3,000 (税込)
▶店名 ゐざさオンラインショップ
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://shop.izasa.co.jp/item/mushikakinohasushi5-20
▶オンラインショップ https://shop.izasa.co.jp/
「ゐざさ寿司8個入」
▶価格 ¥1,123(税込)
▶店名 ゐざさオンラインショップ
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://shop.izasa.co.jp/item/izasa_8
▶オンラインショップ https://shop.izasa.co.jp/
<Guest’s profile>
中谷昌紀氏(株式会社中谷本舗 代表取締役社長)
1957年奈良県生まれ。明治大学ではラグビー部に所属し、大学日本一を経験。
卒業後、本田技研工業株式会社を経て、1983年中谷本舗に入社。2004年に代表取締役就任。
同社入社後も母校・天理高校ラグビー部のコーチ、監督を歴任したほか、橿原市観光協会会長を務めるなど、社外活動にも注力している。
<文・撮影/植松由紀子 MC/根井理紗子>