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地元で親しまれた牛たんを仙台名物に育てた専門店。ボリューム、旨味たっぷりの自信作「職人仕込牛たん」

2022/05/10

いまや仙台名物としておなじみの「牛たん」。かつては食通が好む限られた郷土の味でしたが、伝統の技術を基本に、味わいやすい商品に仕上げて全国に広めたのが、「味の牛たん喜助」です。牛たんに携わって三代、株式会社キスケフーズ代表取締役・大川原卓磨氏に、今も続く職人のものづくりについてうかがいました。

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株式会社キスケフーズ代表取締役の大川原卓磨氏。

―牛たんづくりは、お祖父様が始められたそうですね。

大川原 はい、1975年に祖父が牛たん専門店「味の牛たん喜助」を開いたのが、当社の始まりです。祖父は牛たんの元祖といわれるお店で教わったのですが、当時牛たんは男性しか食べないような、ちょっと珍しい食べ物で、お店も数えるほどしかなかったようです。しかし、牛たんに惚れ込んだ祖父は、脱サラをしてそのお店に相談に行き、自分の店を構えることになったんです。創業時には50歳を超えていましたから経営に専念し、当時大学生だった父が現場の仕事を学び、技術を身につけるようになりました。

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会社のルーツである喜助から、
炭火焼牛たんが全国に広がりました。

―オープンしてほどなく人気店に?

大川原 それまで切らずに出されていた牛たんを、うちは女性にも食べやすいように半分に切って出したりと工夫を凝らしたことで、幅広いお客様が来てくださいました。2店舗目を出した時に祖父が「仙台名物」と看板に掲げ、次第に行列ができるようになりました。仕込み、接客と忙しく、3店舗目を出す頃には接客の質が下がることを懸念し、セントラルキッチンとして専門の加工所を設けました。それが現在の株式会社キスケフーズです。

―大学を卒業してすぐに社長修行をされたのですか?

大川原 いえ、実は東京の百貨店に入社し、婦人服部門で6年ほど働きました。東京にいる時、よく周囲の人から「仙台といえば牛たんだよね」と言われ、自分が思っている以上に名物として捉えられていると知りました。そして、次第に仙台名物をもっと広めていきたいと、私は2009年に帰郷して会社に入りました。入社当時はまだ通信販売にあまり手がつけられていなかったのですが、その後物販やECサイトにも注力し、10年後の2019年に社長に就任しました。

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職人が丹精込めて仕込む「職人仕込牛たん」。

―今も伝統の技術や手仕事を大切にされているのですね。

大川原 私も入社後に技術を学びましたが、細かい作業が多く、大変な思いをしました。牛たんを一枚一枚切り分けて、切り込みを入れ、あたりをつける、つまり塩をふって肉を積んでいきます。そして、寝かせて熟成させます。

―そうして熟成させるのですか?

大川原 肉の重しでいわばドリップを出し、熟成させるというのが、元祖のお店から祖父が学んだ伝統の仕込みです。やはり一枚一枚丁寧に塩をふって仕込むというやり方が一番おいしいと思い、うちでは伝統の方法を続けています。

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これが職人の熟練の技。
赤穂の焼き塩を使い手ぶりで味付けします。
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やわらかい牛たんに
旨味がたっぷり詰まっています。

―製法を変えようと思われたことは?

大川原 私も試行錯誤をしているのですが、味がぼやけてうまくいきません。一枚一枚感覚を研ぎ澄ませて、脂の多いところや少ないところ、部位によって厚さが違うところ、その状態に合わせて塩をふるので不思議と味がまとまるんです。仕込み自体は変えられないですね。

―たれ味やみそ味もありますね。

大川原 祖父は最初にしお味を学んで、その後、これからは女性にも食べてもらわないといけないということで、たれ味や、仙台みそをブレンドしたみそ味も出しました。祖父もデパートマンでしたから、これからは女性のニーズを取り込む必要があると考えたのでしょう。そこから人気が広まっていったと聞いています。

―素材についても教えてください。

大川原 日々食べ比べをしているのですが、現在は北米産の原料をブランド選別して使っています。穀物を飼料にしていてサシが入りやすいんです。

―こだわりの逸品「職人仕込牛たん」はどのような商品ですか?

大川原 飲食店でも好評の、厚切りの牛たんをご家庭にお届けしたいということで作った商品です。手切りなのでばらつきは出ますが、平均で1㎝ほど、厚いものなら1.2㎝くらいあります。使用しているのはたん元〜たん中と呼ばれる、脂の多い部位です。

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このボリューム。
箱から中身を取り出すと厚さが実感できます。

―おすすめの食べ方は?

大川原 うちの牛たんは、フライパンに油をひかずにそのまま焼くことをおすすめしています。七味唐辛子をかけてもおいしいですね。牛たんというと皆さんレモンをイメージされますが、実は仙台ではレモンはあまり使いません。

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おいしさそのままに冷凍で届けられます。
解凍後は油をひかず、フライパンで焼くだけ。

―最後に今後の展望を教えてください。

大川原 牛たんは淡白な味わいで、和洋中どのジャンルでも合わせやすいので、商品開発には力を入れていきたいと思います。現在、シチューやカレーなどバリエーションを広げているところです。飲食店に関しては昨年フードコートに挑戦し、また、新宿で新業態も始めました。牛たん、牛肉の串の店で、レアな部位などリーズナブルに牛たんが食べられると評判がいいんです。みんなでおいしいものを食べたり、お酒を飲んだりする時間というのは、大切なんだなとコロナ禍の今、あらためてそう思っています。そういう場を提供する責任も感じました。コロナ後は、食事を楽しむ体験をもう一度考えていただけたらと思いますし、人と人のコミュニケーションを支える場に牛たんがあれば嬉しいなと考えているところです。

―とても素敵で元気をいただけるお話をありがとうございました。

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お中元やお歳暮など季節の贈答にも向く2箱セット。
職人仕込牛たん_商品

「職人仕込牛たん」
▶価格 ¥1,949(税込)
▶会社名 味の牛たん喜助ネットショップ
▶電話 0120-39-9107
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶内容 職人仕込牛たんしお味95g×1箱
▶商品ページ https://shop.kisuke.co.jp/products/detail/250
▶オンラインショップ https://shop.kisuke.co.jp

<Guest’s profile>
大川原卓磨氏(株式会社キスケフーズ 代表取締役)

東京の百貨店に勤務していた頃、今や仙台名物となった牛たんの魅力を再認識し、2009年に入社。伝統的な手ぶり仕込みを継承し、本当に旨い牛たんを日々追求。インターネットやテレビショッピング等の通信販売を強化し、創業100年企業を目指して事業拡大に全力を尽くす。
1979年生まれ 法政大学卒

<文・撮影/大喜多明子 画像協力/キスケフーズ>

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