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パンやワインにも合う。贈り物にしたくなる。 まぐろの可能性を感じるコンフィと角煮セット

2022/05/20

おうち時間が増えて、「家呑み」の機会がぐんと増えた人も多いですよね。アッキーもそのひとりです。おかずにもなるし、おつまみにもなる、「ちょっと贅沢な一品」を探していたところ、アンテナに引っかかったのが、まぐろの本場・三浦三崎港で53年前からまぐろ屋さんを営む三崎恵水産がプロデュースする、「FISHSTAND」の商品です。
子どものいる家庭にも安心して食べてもらえる製品づくりを目指す、2代目社長の石橋匡光氏と妻の悠(はるか)さんに、「FISHSTAND」の商品へのこだわりや今後の展望を、取材陣がお聞きしました。

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株式会社三崎恵水産 代表取締役社長の石橋匡光氏と妻の悠さん

―会社の沿革について教えてください。

石橋 1968年の創業以来、まぐろや鮮魚、水産物加工品の販売を行っております。当初は「石橋水産」という名前で、トラック1台、黄色い幌(ホロ)馬車を運転し、父がまぐろの行商を始めたと聞いています。僕が子どものころは、父親は朝から電話でまぐろの値段交渉などをしていましたし、母親は家の前の売店でまぐろを売っていました。当時の城ヶ島には観光客が絶え間無く行き交って、大繁盛していたのを覚えています。三崎漁港は、昭和初期からまぐろの水揚げで全国有数の港です。大正時代には市場が開設され、その後漁法の近代化や冷凍技術の進化に伴って発展していきました。
水揚げされたまぐろは、全国の市場に出荷されるのがメインだったのですが、そのなかで弊社は、市場を通さずに直接ホテルやレストランに魚を収めるビジネスを始めました。いわゆる「産直」ビジネスの先駆けです。産地と消費者を直接結びつけよう、つくるひとと食べる人を近づけようという試みを、今でも続けています。
僕は2006年に入社してから、自社スーパー(直営小売店)の開業、海外での展示会出展、海外輸出営業、シンガポールでは直営飲食店の海外進出などを手がけ、一昨年前の4月に社長に就任しました。

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天然メバチまぐろの中トロを、国産原料100%の米油と黒コショウでシンプルに低温加熱した、「とろプレミアムコンフィ」。

―「FISHSTAND」を立ち上げた経緯は。

石橋 うちは、もともとBtoBがメインの商売をしてきました。しかし今後は、BtoCへと事業を広げていかなければ生き残っていけないという思いがありました。まぐろは高級食材なので、BtoBの交渉ではどうしても価格がいちばん先に来るんですね。しかしBtoCの成長を見据えたときには、価格以外の面で「選ばれる店」にならないといけない。ほかの店と同じことをしていたら、結局は価格競争になってしまいます。
そのために「我々ならでは」のブランドを立ち上げようと決心しました。

―「FISHSTAND」の商品開発には、悠さんの力も大きかったそうですね。

石橋 もともと、妻がワークショップで「まぐろでつくるツナ」のつくり方を教えていたんです。それが好評で、「まぐろでもっと何か楽しいことができるんじゃないかな」と思ったのです。僕は新しいもの好きなので(笑)。家のキッチンで、ふたりで「どの温度帯でどう加工するのがいちばんいいのかな」と、実験的なことを繰り返しながら、商品をつくっていきました。

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三崎港で水揚げしたビンチョウまぐろを、上質なオリーブオイルで低温加熱した、
「まぐろコンフィ」は、メインディッシュにもなるツナ。

―「FISHSTAND」のコンセプトはどんなふうに決められたのですか。

石橋 水産物って、加工すればするほど安くなるんですよ。たとえばアジの干物って、手間がかかっているのに、「1尾1,000円」というと、「高い!」って言われちゃいますよね。僕もそう思います。でも、新鮮なアジの刺身1尾分が1,000円だったら、誰も高いと言わない。鮮度第一主義の世界なのです。ツナ缶なんて、コモディティ化が進んでしまって、「ひと缶100円」でも当たり前になってしまった。加工すればするほど価値が下がるなんて、おかしな話です。じゃあ、「価値のある加工品をどうやってつくろうか」と考えたのです。
水産加工品のなかでもいちばん付加価値があって、「少々高くても買いたいと」思われるような、おいしくて、体にもよくて、楽しく食べてもらえるようなものをつくろうと。それが「FISHSTAND」のコンセプトです。

 「コンフィ」というのは、オイルに食材を浸し、低温で加熱するフランス料理の保存食作りの製法です。調味済み、加熱済みで、そのままで食べられます。アレンジもしやすいので、身を軽くほぐして旬の野菜と和えるだけで、簡単においしいお惣菜になります。私は今、3児の子育てをしていますが、私と同世代の方たちはすごく忙しいと思うんです。仕事もして、子育てもして。本当はちゃんと体にいいもの、人の手でつくられたものが食べたいし、家族にも食べさせたい。でも時間がない。自分自身が頑張れることには限界がある。そういう人たちの暮らしに役に立つような、喜んでもらえるような商品をつくりたいと思いました。

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鮮度のいいクロカワカジキを、横浜の老舗メーカー「岩井の胡麻油」で低温加熱した「かじきコンフィ」。
レモンとセロリの香りが爽やか。

―「FISHSTAND」という名前の由来は。

石橋 以前、イベント出店をしていたときの小さいショップカートに、「FISHSTAND」という看板をつけていたんです。それがブランドの名前になりました。「三崎恵水産」は、BtoBのなかではある程度知られていますが、男臭くてカチカチの水産業の名前です。BtoCを展開するには、そこから脱却していかないといけません。「FISHSTAND」は響きがいいし、女性にも受け入れてもらいやすいと思ったので、オンライン販売はすべて「FISHSTAND」に切り替えました。
今では、「三崎恵水産」から入ってくる人もいれば、「FISHSTAND」から入ってきてくれる人もいて、いいことだと思っています。

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ギフトセットは、エメラルド色の化粧箱にまぐろロゴがシルバーで箔押しされている。

―パッケージがとてもおしゃれで、従来の水産加工品とはイメージが違いますね。

石橋 今までの水産物の加工品は、男性目線のデザインですよね。「大漁」とか毛筆で書いてある。でも今回のターゲットは主に女性なので、女性目線でつくる必要があると思いました。「FISHSTAND」の商品チームはすべて女性なんです。パッケージデザインなども、すべて任せています。目指しているのは、「人にプレゼントしたくなるような水産加工品」です。

 ギフトセットの箱の色、エメラルドブルーは、海の色をモチーフにしています。実は以前、家族でピースボートに乗って世界一周したことがあって、3か月くらい洋上で過ごしたんですね。海の色が、海域によって変わっていくのがとても印象的でした。そして、うちの工場のある城ケ島も、都内近郊だけれど意外に海がきれいなんですよ。そんな海の色をパッケージにしたいと思いました。

上:城ヶ島内、海を目の前にした本社工場
下:工場より対岸を望む風景 時折マグロ船が行き交う
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定番人気の「まぐろの角煮」。まぐろ1尾からわずかしか取れない頭身を使い、やわらかい食感に。
炊き込みご飯にしてもおいしい。

―「まぐろの角煮」は昔からある食品ですが、今回食べてみたらおいしくてびっくりしました。

石橋 角煮はずっと昔から弊社の商品のひとつでした。あるとき「これって添加物が入っていないんだ」とあらためて気づいたのです。今の時代、求められている商品なんじゃないか、新たなマーケットが開発できるんじゃないかと。「FISHSTAND」としてパッケージし直しただけで、売り上げが上がりました。実際、味もおいしいんです。うなぎのように、昔からの「秘伝の漬けだれ」を継ぎ足しながら使っていますから。お酒のおつまみにもなるし、ご飯のお供にもぴったりです。

 まぐろは刺身かお寿司かでしか食べないという人が多いんですけど、部位によっては加熱したほうがおいしいところもあるんです。たとえば筋が多い部位は、生だと嫌がられますが、加熱するとちょうどよくとろけて、とてもおいしいです。「まぐろグリルセット」や「まぐろ鍋」にはそういう部位を使っています。知れば知るほど奥が深い魚で、お肉の代わりになるし、頭からしっぽまで丸ごと活用できます。そういうまぐろの魅力を、いろいろと知ってもらうきっかけにもなればいいと思っています。

―塩や油などにもこだわっていますよね。

 長年培った確かな目利きで仕入れた魚ですから、素材のおいしさには自信があります。その素材に合うように、調味料は色々試して選んでいます。まぐろコンフィに使っているのは、「ゲランドの塩」という、ミネラルが豊富でコクのある塩です。かじきコンフィやサバコンフィに使っているのは、「天日湖塩」といって、パタゴニア地方の湖の水を天日で乾燥させてつくっている天然塩です。カルシウム分が多く、苦みが少なくて、ほのかな甘みを感じられるのが特徴です。粒の大きさは3種類から選べるのですが、1番小さい粒のものだと、まんべんなくいきわたって加工しやすいのです。これらの塩は、仕入れた量の1%が環境保全につながるというのも、採用した理由のひとつです。油は、米油、ごま油、オリーブオイルなどを素材に合わせて選んでいます。日本各地に、昔からの製法で真摯に取り組んでいらっしゃる素晴らしい蔵元さんがいらっしゃるので、その味をしっかり次世代に継承していきたいという思いで選んでいます。
心がけているのは、子どもがいる家庭でも安心して食べていただけるように、食品添加物や化学調味料を使わないこと、環境にやさしい素材を使って製造することです。

―SDGsにつながる取り組みですね。

石橋 SDGsのためにやっていたわけではないけれど、結果的にそれにつながっていることが多いんです。たとえばまぐろを加工するときに出る端材は、質がいいのに食品には使えない。無駄にするのがもったいないので、それを利用してペットフードをつくろうと考えているところなんです。実際、うちで飼っているにわとりの餌になっています。

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コンフィは魚臭さがなく、さっぱりした味わいなので、サンドイッチにもぴったり。

―今後のビジョンをお聞かせください。

石橋 我々は漁師ではないので、魚を買って加工して販売する立場です。お客様に「選ばれる」ために必要なことを、しっかりやっていかなくてはいけません。「まぐろを食べるなら「FISHSTAND」のものが食べたい」と思ってもらえるようになりたいです。それに、まぐろって「晴れの日の食べ物」というイメージですよね。だから、お正月やお祝い事などの日に選ばれることがすごく重要だと思っています。家族が集まる大切な日に、食卓の中心にあるまぐろが「FISHSTAND」のものだったら、最高です。そのためには、もちろん品質がいいことは当たり前ですが、それだけではだめです。プラスアルファの部分を、「FISHSTAND」で模索しているところです。
「料理する人や食べる人の顔を思い浮かべながら商売をする」という昔からの姿勢を守りながら、次世代も変わらずおいしい魚を食べ続けていけるように、これからも、体にいいもの、自分たちが食べたいと思えるものをつくっていきたいと思っています。

―素敵なお話をありがとうございました!

ごちそうコンフィミニ_商品

ごちそうコンフィミニ3種と角煮のギフトセット オリジナルBOXエメラルド」(まぐろ角煮60g×2、とろプレミアムコンフィ90g、まぐろコンフィミニ105g、かじきコンフィミニ95g))
価格:¥3,240(税込、送料別)
会社名:FISHSTAND(三崎恵水産)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品ページ:https://www.fishstand.jp/?pid=146325265
オンラインショップ:https://www.fishstand.jp/

<Guest’s profile>
石橋匡光氏(株式会社三崎恵水産 代表取締役社長)

1978年 神奈川県三浦市生まれ。まぐろ問屋三崎恵水産の2代目として2020年4月より代表取締役社長に就任。おさかなマイスター/魚食スペシャリスト。国内でのまぐろ卸売りの他、海外輸出事業、飲食店経営、再エネ普及事業なども行っている。

<文・撮影/臼井美伸(ペンギン企画室) 画像協力/三崎恵水産>

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