【連載】グルメ散歩・福井 ~農園グルメ(大野市)~
2017/07/20
たまごも牛乳も使っていない
さといも農園発のやさしいアイス
有名百貨店のバイヤーがファンになったという脂肪分ゼロのヘルシーなアイス。考案したさといも農園を訪ね、福井県の北東部に位置する城下町・大野市へ。
構想30年、ご夫婦で夢を実現
赤ちゃんから老人まで幅広い世代で食べられているアイスクリームですが、材料がたまごと牛乳のため、アレルギーがあって食べられない人が少なくありません。そのような人でも気にせずに食べられるもので、なおかつ、特産のさといもを使った製品をつくりたいという思いから生まれたのが、さといものアイス『みんなのアイス』です。
有名百貨店のバイヤーが実際に食べてファンになったこの製品は、さといも農家でもあるSFV生産農場の代表・建石正治(タテイシマサハル)さんが考案しました。
「アイスクリームは子どもの頃の憧れで、いまでも大好きなんですよ」と建石さん。製品化に行きつくまでは大変だったと言います。大きな借金をして機械を購入、味に納得がいくまで5年、販売に至るまで8年、奥様が製造特許を出願するなど、構想から製品化するまで30年! という、苦労の結晶です。
カラダにやさしく、畑もエコに
このアイスには、アレルギー物質をもつといわれている卵、牛乳、小麦、大豆など指定27品目は使用しておらず、着色料未使用なので果実の色がそのまま。加えて、畑も環境への取り組みで、害虫用の薬は使用していません。また、畑のある上庄地区で栽培されているさといもは、ムチンやガラクタンといった成分が多く含まれているそう。とくにガラクタンには、脳細胞を活性化させ痴呆を予防する効果や整腸作用など、さまざまな効果があると研究結果でいわれています。そもそもサトイモは、カリウムが多い野菜で、カリウムは余分なナトリウムを排泄する機能をもっているなど、健康に欠かせない成分。つまりこのアイスは、とことんカラダにやさしい食品なのです。
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