第1回 かりかりっととろけるお肉。「甘牌燒鵝 Kam’s Roast Goose」 in香港

気づくと236万人。中国版twitterであるWeiboの僕のフォロワー数です。1997年から始まった僕の中華圏との付き合いは2009年から始めたWeibo(中国語でミニブログという意味)で、加速度的に深まっていきました。最初はいちクリエーターとしての扱いでしたが、フォロワー数が増えて行くとだんだんその扱いが芸能人的なそれに変わっていきました。とは言え、連れて行かれるのは高級店ばかりではありません。基本的に地元の人といっしょの食事がしたい僕は、「何が食べたい?」と聞かれると「みんなが行くところに連れてって」と答えるようにしています。なので、今や「ここはなかなか地元の人間以外はこないよ」というようなキャラの濃い、あんまり日本人は行かないようなとこまで行けるようになっています。

 

地元の人と同じ価値観で考え、同じ行動することを得意とする僕は、海外で出された食事を苦手としたことがありません。初めて食べる味付けや食感であっても、現地の人の美味しいと感じる点を察知してなんでも食べることができるのです。そのせいもあって今や連れて行かれるとこがさらにデイープになっていますw。そんな酸いも甘いも噛み分けた僕の舌が大推薦するとっておきのお店を紹介していこうと始まったのがこのコーナーなのです。

 

そして記念すべき第一回目に紹介するのは、、まずは香港。

米原康正世界の味旅 市場
米原康正世界の味旅 市場②

新鮮なものを口にするということに情熱をかける香港市民の舌を支えるのは街市と呼ばれる市場。山と積まれた芋や青菜。その中から選りすぐりを探し出す。活気にあふれる市場は、歩いているだけで楽しい。


フェリーから見る香港の象徴、ヴィクトリアハーバー

香港を代表する顔でもあるトラム(二階建て路面電車)

今回のお店の紹介者は友人のマイケルです。マイケルは「食神」と呼ばれ、いろいろなメディアで連載を持つ有名人。五つ星級のレストランから、地元の人のみぞ知るB級グルメ的なローカルな食堂(どちらかというと、この分野を得意としています)までを紹介しています。

今回お店で待っていてくれたのは僕たち共通の友人スリム。
彼はリーバイスやナイキなどをクライアントに持つクリエーティブディレクター。
僕が香港に行った時には必ず会っているメンバーのひとりです。
彼の家で僕とマイケル3人で大騒ぎすることも少なくありません。

今回紹介するお店の名前は

「甘牌燒鵝Kam’s Roast Goose 」。

香港を代表する美食の一つに焼味(ローストしたお肉)がありますが、とりわけ美味しいローストグースを食べさせてくれるお店です。
2015年にオープンして、その年にはミシェランの星をとり、
2016年にも再び星をゲットしました。

かの名店「鏞記(ヨンキー)酒家」のお孫さんが独立してオープンさせたお店です。

かなりの人気店で11:30の開店を待って、たくさんの人が並んでいました。
お店は30人も入ればいっぱいになるぐらいのこじんまり感。
平日で約120羽、週末は約180羽を売り切れば終わりというスタイル。
どうしても食べたいなら開店前には並んでいた方がよいでしょう。

オーダーはスリムにおまかせしました。
基本的に初めてのお店に来た時は、
そこをよく知っている人間にオーダーをおまかせします。
中途半端な知識で頼むより、
そこの地に着いたらそこの人間の趣味趣向に合った味を知ることが、
いままで知らなかった新しい「美味しさ」を発見することができるからです。

ただし、注意しないと中華圏ではかなりの割合で「歓迎とはいっぱい食べてもらうこと」という意味だったりするので、
テーブルの上に置ききれないぐらいの料理が並ぶことがよくあります。

まずは香港のロコ料理には鉄板のアイスティー。
香港のアイスティはレモンがいっぱい入っていて、甘いのがデフォルトです。18HK$

そして

脆皮腩仔(小豚のロースト) 80HK$

お待ちかね甘牌燒鵝 パリッと焼き上げた皮とジューシィな肉に絡むオレンジと蜂蜜のきいたソースが調和する絶品 半隻(半身)270HK$

韮菜花鵝紅 ガチョウの血のスープ 55HK$
季節の野菜入り麺 28HK$

日本人が中華圏の文化に持つイメージのひとつに
「接待されたお客さんは出されたものをみんな食べちゃいけない。
それは「まだお腹いっぱいじゃない」ってことを意味するから」。
という話があるのですが、
食べきれない時は
「すいません。テイクアウトで」
って食事を持ち帰ることは少しも変わったことではありません。

 

ホテルに帰ってからの夜食、
次の日の朝ごはん
にしてしまえばいいのです。

 

僕はこのルール、もっと日本でも普及していいと思います。

 

それにしてもミシェランの星をとっているというのに、
なんと気軽な雰囲気のお店なのでしょう。。

 

ミシェランの星はそのお店の味に与えられるものである、
という当然の事実に気付かされます。

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