デリケートな肌にも使える石鹸を。自分のために作り始めたことがきっかけ
パッと目を引く斬新なパッケージ。一見しただけでは石鹸とわからないお洒落なデザインですが、その中にある石鹸は、贅沢なほど丁寧に作り上げられたものです。株式会社やぶうち商会は、2011年10月からブランドのLA LA HONEY(ララハニー)として、コールドプロセス石鹸を販売。その5年ほど前から、専務取締役である藪内朋子さんが、自分の肌のためにキッチンで作っていた石鹸がきっかけでした。
パッと目を引く斬新なパッケージ。一見しただけでは石鹸とわからないお洒落なデザインですが、その中にある石鹸は、贅沢なほど丁寧に作り上げられたものです。株式会社やぶうち商会は、2011年10月からブランドのLA LA HONEY(ララハニー)として、コールドプロセス石鹸を販売。その5年ほど前から、専務取締役である藪内朋子さんが、自分の肌のためにキッチンで作っていた石鹸がきっかけでした。
もともと肌が弱いという薮内さんは、ある日書店で手作り石鹸の作り方の本と出会い、そこにあった、ヨーロッパではキッチンで主婦が伝統的な作り方(コールドプロセス製法)で石鹸を作っているということを知ったそうです。「自然な素材でシンプルに石鹸を作ることは、あちらでは主婦の仕事のひとつみたいになっていて、それが環境にも肌にもいい作り方だなと感激して、さっそくキッチンで作ってみたんです」(薮内さん)。
手近にあるオリーブオイルなどをベースに実際に作って使ってみたら、すごく泡立ちもいいし、使っているうちに肌がだんだん丈夫になってきたそう。また、一緒に使った家族の評判もよく、友だちに作ってプレゼントしたらとても喜ばれ、「また作って」と催促されるように。そこで、自分で作った石鹸をもっとたくさんの人にも知って欲しいということで、会社を設立したそうです。
そもそもコールドプロセス製法とは、油脂(オイル)と苛性ソーダ(アルカリ)が反応したときに発生する熱を利用して、1ヶ月以上ゆっくり時間をかけて熟成、乾燥させる作り方です。逆にホットプロセス製法という作り方もあり、約90度の高温状態で短時間に石鹸を作ることができるため、一般の市販の石鹸にはこの方法が用いられることが多いといいます。
「コールドプロセス製法は、時間はかかりますが、余計な手を加えず、地元の自然素材を使って純粋で安全・高品質な石鹸を実現すると共に、じっくりと乾燥させることで保湿成分であるグリセリンがそのまま石鹸の中に含まれている状態になるので、しっとりとした肌上がりの石鹸になります」(薮内さん)。製造過程で油脂が劣化しない上、保湿剤も含め、石油化学由来の原料、合成保存料、合成着色料など添加物は一切使っていないことで、デリケートな肌の人にもやさしい使い心地です。
LA LA HONEYのコールドプロセス石鹸は、その作り方だけではなく、薮内さんが生まれ育った富山の自然をふんだんに使っていることも大きな特徴です。富山県の立山連峰の雪解け水を水源とする常願寺川の清水、近くの養蜂場で摂れるハチミツ、富山湾の海洋深層水など、豊かな自然素材を利用して作られています。
「最初はハチミツを使っていなかったんですが、販売を始めてから半年ほどした頃、近所の養蜂家さんが訪ねてきて、ハチミツを使った商品を作りたいとのことでご相談を受けたんです。その際、ハチミツについていろいろと教えていただき、その効果効能の素晴らしさはもちろん、地元の素材で地域貢献できるという喜びもあり、試行錯誤してハチミツ配合の石鹸が出来上がりました」(薮内さん)。
ただ、ハチミツはたくさん入れてしまうと茶色く仕上がったり、硬くならなかったりと失敗も続いたそうですが、ハチミツに含まれる酵素やアミノ酸、ビタミン類など肌によい滋養・栄養を壊すことないコールドプロセス製法でたくさんの試作品を作り、いまや不動の人気を誇るアイテムとなりました。実際に使うと、ふわふわとした泡立ちが心地よく、さっぱりと洗いあがるのにもっちりとし、つるつるの素肌に戻ります。
ギフトにも喜ばれそうな、目を引くユニークなパッケージは、今年リニューアル。「デザイナーに、ロゴから一新してもらいました。富山県の立山連峰を源流とする落差日本一の滝・称名滝をモチーフにし、富山らしさを出していただきました」(薮内さん)。アイテムごとに、使われている素材をデザイン。ユニセックスで使える、シンプルでスタイリッシュな仕上がりです。
石鹸から始まって、いまやボディ、ヘア、リップ、ハンドと幅広いアイテムをそろえていますが、「薬の富山」と呼ばれるほど薬用植物の栽培も盛んな富山の素材を生かした、新たなプロダクツも構想中。来年の冬の発売が楽しみです。