「たくさんのボタン(モンガ・クナップ)」が主役。継続的なつながりとものづくりで復興を支援
『モンガ・クナップ』は、「ものづくりで笑顔を届けたい」という想いから生まれました。震災から半年後の2011年秋、福島県須賀川地域に足を運ぶことから始まったブランドの立ち上げについて、サンワード株式会社代表取締役社長の池田智幸さんは次のように語ります。
「当社のものづくりに、地元の福祉事業所に通う障がいを持つ方たちに参加してもらうことで、復興支援と障がいを持つ方の自立に貢献したい。その考えのもと、事業所の方たちと顔を合わせて語り合う中で、行き着いたのが手づくりの木のボタンを生かしたブランドです。ひとつひとつ手づくりするボタンはつくり手の温もりが伝わること、須賀川市の市の花が牡丹(ぼたん)であることも決め手になりました」
ブランド名『モンガ・クナップ(manga Knapp)』とは、スウェーデン語で“たくさんのボタン”という意味。牡丹の花があちこちで咲き誇る街でつくるボタンに、「ボタンホールとボタンがつながるように人と人、街と街をつなぐものになってほしい」との想いを込めたそう。
同社がデザインしたボタンの加工法を福祉事業所が開発し、障がいのある方とともにボタンを制作します。素材となる木は、桜やけやき、なら、ウォルナットなど。自然の木目や色味を生かしてつくるため、ひとつひとつ表情が異なるのが魅力です。
「ボタンが輝くことをいちばんにバッグなどのデザインやカラーを考え、商品づくりに取り組みました。バッグなどの本体は、職人が細かな部分まで目を配り、一針一針ていねいに縫い合わせ、すべての行程を大切につくりあげています」(池田さん)