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使い込むほどに柔らかくなっていく。色鮮やかな「注染」手ぬぐいの魅力

2021/08/16

最近、おしゃれな雑貨屋さんなどで、可愛いデザインの「手ぬぐい」を見かけることが多くなったと思いませんか?じつは、手ぬぐいをふだんの暮らしに取り入れる女性が増えているんです。
手ぬぐいといえば、お祭りなど日本の伝統文化には欠かせないもの。タオルが実用品として定着する以前、「拭く、被る、巻く、包む」など多様な使い方ができる手ぬぐいは、日々の生活になくてはならない必需品でした。
そして現在、再びおしゃれで機能性も抜群な「手ぬぐい」の良さが見直されるようになり、30~40代の「暮らしを楽しむ」意識の高い女性たちを中心に、人気が高まっています。

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今回ご紹介するのは、創業以来65年の手ぬぐいづくりの老舗、「宮本」のブランド「kenema」の手ぬぐいです。
「kenema」とは、日本人の美意識を支える三つの要素を表現した造語です。
気=美しい気配
音=美しい音色
間=美しい間合い
手ぬぐいで使用される生地には「文」や「岡」という生地がありますが、「kenema」の手ぬぐいに使われている生地は、「一尺特岡」と呼ばれるもの。「文」よりも細い糸を使い、打ち込み本数が多く、目が細かいのが特徴です。これにより、大胆かつ繊細なデザイン表現が可能になっているのです。
また、「kenema」の手ぬぐいは、「無蛍光」と呼ばれる晒し加工を施した生地をおもに使用しています。繊維をより白くみせるための染料を用いないので、生地に自然な生成りが残り、温かみのある白に仕上がります。
「kenema」の手ぬぐいの大きな魅力は、美しい色合いとデザイン。「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる伝統的な染の技法を用いて、染められています。
大量生産でつくられる手ぬぐいは、「捺染(なせん)」という方法で柄がプリントされるので、片面しか色がのりませんし、表面が固く、吸水性が悪くなってしまいます。それに対して糸自体を染める注染は、表・裏がないのが最大の特徴です。一度に複数の色を染められ、色と色が混じり合う表現ができるので、独特の色合い、絶妙なタッチや立体感が表現できるのです。注染でつくった手ぬぐいは、肌触りの柔らかさや吸水性を損ねることもありません。
熟練の職人さんたちにより、板場、壺人(そそぎ染め)、浜、立干しという、昔ながらの長い工程を経てつくられています。手を拭いたり汗をぬぐったりしたときに感じる「肌触りのよさ」、そして発色の良さ、絵柄の美しさは、このていねいな製法により生まれているというわけです。

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手ぬぐいの最大の魅力は、長く愛用していくうちに、手触りや色合いが変わっていくことです。使い込むほど、ふんわりと空気を含んだように柔らかくなるのです。洋服にたとえるなら、ビンテージデニム。何度も洗濯を繰り返すたびに、色も少しずつ馴染んでいき、味わいを増していきます。自分だけの手ぬぐいを「育てていく」感覚で、愛着を持って経年劣化の過程を楽しむことができるのです。

手を拭く以外にも、様々な使い方ができるのが手ぬぐいならではの特徴です。

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お弁当を包んだり、ランチョンマットにしたり。
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お手拭きにするのもおすすめ。
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バッグの目隠しや日よけとしても便利。
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大柄や季節の柄は、
額やタペストリーを使ってインテリアにも。

そのほか、ペットボトルを包めば、バッグの中が濡れませんし、ティッシュボックスケースにもぴったり。ブックカバーとして、様々な本のサイズに対応することもできます。贈り物をするときの包装紙や、ご祝儀袋代わりに使うのも、粋な感じです。
タオルに比べて吸水性にすぐれ、濡れても乾くスピードが速く、雑菌がたまりにくいというのも手ぬぐいの特徴。端が切りっぱなしになっているので、好きなサイズにカットして使うことができます。
汚れたらザブザブ洗ってまた使うことができるので、とても衛生的です。色が褪せるまで使いこんだら、ふきんや台拭きなどに活用し、最後の最後まで使い切ることができます。まさに、日本が長年培ってきた伝統文化のひとつといえます。

手ぬぐいライフをより楽しむためには、季節に合わせて柄を選ぶのがおすすめ。そこで、「kenema」の秋の新柄を2種類ご紹介します。

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十五夜白兎
十五夜の静かな夜。秋の野を駆け回り、
七草の輪を小気味よく跳んで、兎たちは月に向かいます。
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目白金木犀
橙色の小花があふれ咲き、風に吹かれ遠くまで届く甘い香り。
メジロも誘われ集まります。

生活の様々なシーンに手ぬぐいを取り入れることで、気持ちも豊かになります。お気に入りの一本を選んで、自分らしくていねいな暮らしを楽しんでみませんか。

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