1度だけ生え変わる子どもの歯、抜けた乳歯の処理はどうしていますか？ 最近は、大切に保管する家庭も増えているよう。乳歯から永久歯へと生え変わるその成長を、一緒に祝ってくれるかのような乳歯ケースがあります。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社MIYABI 代表取締役の植田雅俊氏に、取材陣が伺いました。

株式会社MIYABI 代表取締役の植田雅俊氏

―歯の形にかわいらしい表情、さらに名前も入っていて、特別感がありますね！

植田　名入れは、いわばうちの専売特許。名入れギフトを専門にしたインターネットショップを「おもしろ名札工房」と名付けたくらいですからね。

―キッチン用品、文房具、ファッション雑貨からアウトドアグッズまで品ぞろえが豊富で、すべてに名入れが可能というのに驚きました。

植田　実家が家具工房で、私は家具職人として独立しました。木製品にプラスアルファの付加価値をと思った時に、名前を入れることを思い立ったんです。実際にレーザー加工機を入れてみると、オリジナリティがぐっと上がって商品に幅が出ることを実感しました。木の板に名前を彫る名札や携帯ストラップを主力商品としてスタートすることにしたのです。

―名入れというプレミアム感をもって、ギフトへと舵を切られたんですね。

植田　贈られる人はもちろん、贈る側にも笑顔が生まれるギフトショップになれたら、と思うようになりました。そのためには、自分も笑顔でいられなくてはならない。オリジナルグッズの開発も、商品のセレクトも、自分が楽しみながら、遊び心を感じられるようなラインナップを心がけています。

―ショップのオープンから15年以上がたち、売り上げ上位を常にキープしているのが乳歯ケースですね。

植田　乳歯ケースは、スタッフのリクエストで生まれた商品です。最初はピンと来なくて却下したのですが、何度も提案され、熱意に負けてサンプルを作ってみました。すると思いのほか評判がよくて。同じスタッフが、当時は卵形だったものを変えたいと、今度は歯の形のデザインを持ってきたのです。これも私には理解できなくて苦笑したのですが、前例がありますから一応作ってみたんです。すると、あれよあれよという間に、卵形より人気になりました（笑）

表情は9種類から、名前はひらがな、カタカナ、ローマ字から選ぶことができる。

―スタッフ発のアイデアを、材質選びから加工まで工夫を凝らして仕上げたのは木製品のプロである植田社長ですよね。

植田　和服の収納にも使われるように、日本で何かを長期で保存するには、通気性の良い桐が最適なんです。桐は柔らかいので加工がしやすい反面、表面加工が難しいのですが、手触りにはこだわりたくて、目の違う3種類のサンドペーパーを使って人の手で丁寧に磨いて仕上げます。

軽くて滑らか、子どもの手にも優しい。

―実用的な工夫も細部まで施されていますね。

植田　アクリル板を切り出して作る蓋は、抜けた日付が記入できますし、マグネット内蔵なので外れたりずれたりしづらいかと思います。気づいたところは改良するようにしていて、小さな歯を入れるとカタカタするのが気になる方もいるかと、ちぎって穴に詰められるように脱脂綿を添付することにしました。

木製品としてのクオリティは十分、細部の工夫にも使う人への想いが込められている。

―包装もナチュラルでおしゃれで、手にした瞬間嬉しい気持ちになります。

植田　すべては、贈る人も贈られる人も笑顔になってほしいという想い、それだけですね。孫から祖父母へ、子どもから親へ、大切な友だちへなど、それぞれの想いに寄り添ったモノづくり、商品選びを心がけています。今後は長寿祝いに特化したシリーズや、ペットグッズにも力を入れていくつもりです。そして、私の出発点である木製品は大事にしていきたいですね。自然の営みに欠かせない木が生活の中にあるとやっぱり温かいですから。

シンプルながらおしゃれな包装は、歯の形をしたウッドチップがポイント。

―素晴らしいお話をありがとうございました！

「乳歯ケース“ティース君”“ティースちゃん”」
価格：¥4,280（税込）
店名：名入れギフトのおもしろ名札工房
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/nafuda-factory/mrtee-01/
オンラインショップ：https://www.rakuten.ne.jp/gold/nafuda-factory/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
植田雅俊氏（株式会社MIYABI 代表取締役）

1963年静岡市生まれ。家業の家具工房で修行の後、1999年有限会社雅工房設立。2006年「名入れギフトおもしろ名札工房」を開店し、インターネットにて名前やメッセージを彫刻したオリジナルギフトの販売を開始する。2018年株式会社MIYABIに商号変更。
贈る人、贈られる人、両方の笑顔を想いながら商品を送り出す毎日。

＜文・撮影／植松由紀子　MC／石井みなみ　画像協力／MIYABI＞