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伝統の桐箱がおしゃれに変身 キッチンで映える 「米びつ」「パン箱」

2022/07/28

今回、編集長アッキーが気になったのは、福岡県にある増田桐箱店。伝統の桐箱を使ったおしゃれな米びつやパン箱を製作しています。取材スタッフが株式会社増田桐箱店・代表取締役社長の藤井博文氏に、桐箱の魅力とこだわりについてうかがいました。

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株式会社増田桐箱店 代表取締役社長の藤井博文氏

―創業のきっかけを教えてください。

藤井 創業が1929年で曾祖父が桐箱店を始めました。博多織や博多人形、陶器やガラスなど工芸品を入れる桐箱を全国に販売していました。曾祖父、祖父、私で3代目になります。昔は工芸品を入れる箱として需要がありましたが、今はお酒やお菓子などギフトの需要が高まっています。

―家業をつがれてご苦労などはありましたか。
藤井
 25歳で社長に就任し、同年代の友達に「桐箱を作っている」と伝えると、「何それ?」という感じで、桐箱を知らないことにショックを受けました。また、社内でも私が1番年下で、取引先の方も皆年上だったので、信頼を得ることの難しさを感じました。とにかくがむしゃらに頑張って、今に至ります。

―桐箱を作る技術というのは難しいものなのでしょうか。

藤井 単純に箱を作るということであれば、ある程度の経験でできると思いますが、お客様の好みに合わせて作る場合はコツをつかむのに時間がかかります。仕上げや磨き方など、細やかな部分は熟練の技が必要です。

-伝統を引き継がれる中で新コンセンプト「桐箱のある生活」が誕生したきっかけを教えてください。

藤井 桐箱の世界は、その中身が売れて、はじめて仕事になるような産業構造なのですが、自分たちでそのものを作ることができれば、桐箱のすばらしさや桐の特徴がもっと伝わるのではないかと思いました。昔は着物を入れたりしていた箱が、現代の生活にも役立つことを多くの人に広めたかったのです。お客様が「可愛い」「便利」という視点で買ったものが、じつは日本の伝統的な桐箱だったと知っていただくことが狙いです。これまでのようにお酒の箱として捨てられるのではなく、ずっと使える商品であることをアピールしたいと考えました。

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桐のもつ調湿性と防虫効果がお米を美味しく保ちます。

―米びつの制作をされることになったのはどうしてでしょうか。

藤井 桐の特性を知ってもらう上で、キッチンで毎日のように使う米びつがわかりやすいと思いました。じつは桐箱を米びつとして活用することは、昔から行われていました。でも、今の生活で、若い方に使っていただけるようなデザインのものはなかったので、外部のデザイナーさんに相談して、おしゃれな桐箱の米びつを作ることにしたんです。若い方が自分で買える価格設定にもこだわりました。今では結婚祝いなどにも使っていただいています。

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蓋の裏に一合枡をくっつけることができ、枡が米に埋まりません。

-米びつはアクリルのふたで中身が見えるのも素敵ですね。

藤井 上から残量が見えると便利なので、アクリル板を使うことにしました。キッチンに溶け込みやすいデザインになっていると思います。持ち手はブラックチェリーという硬めの木を使って、耐久性にこだわりました。

-製作する上で大変だった点はありますか。
藤井
 ひとつひとつ手作りなので、作れる量には限界があります。売れて欲しいけれど、弊社の生産体制のキャパシティも限りがあるため、そこはジレンマです。

―新しい桐箱を作られて、反響はいかがでしょうか。

藤井 2017年から販売を開始し、これまで5万個売れています。購入された方が「よかったので娘にも買ってあげた」とプレゼントされたり、使う方の年齢層も広がっています。社内的には米びつを販売することで、初めて職人たちが自分で作ったものが売り場に並ぶという経験をしました。テレビにも取り上げてもらって、「変な物は作れない」「これからも品質にこだわっていこう」という意識がさらに高まりました。

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食パンだけでなく煎餅や乾物入れとしても使えます。

―パンの保存箱もかわいいですね。

藤井 こちらは米びつよりもシンプルな作りで、販売価格もおさえています。持ち手は真田紐を使っていますが、忙しい朝に、両手を使わず、片手で開けられるよう紐をつけました。SNSでは、のりとかいりこを入れる箱として使ってくださっている方もいて、使い方も広がる商品です。

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1.5斤と2斤の2サイズ。

―これらの桐箱は半永久的に使えるのでしょうか。

藤井 お手入れがあれば、ずっと使っていただけます。夏の天気がいい日に、風通しのよい場所に置いておき、たまった湿気を取るといったひと手間を加えていただくのがおすすめです。また、使っているうちに水分などが入って色が変わって光沢がでてきますが、これは経年変化として楽しんでいただければと思います。

―桐箱は海外展開もされているのでしょうか。
藤井
 アメリカとイギリスと台湾に代理店があり、輸出を行っていて、5年ほど前から徐々に増やしています。海外では米びつをフードストッカーとして、シリアルやナッツを入れていただく売り方をしていますが、日本の職人の手作りということで喜んでいただいています。日本は湿度が高いので、暖かくなると桐がふくらんでくるため、ふたがきつくならないよう、緩めに作っています。逆に海外は湿度が低いので、緩めてはおらず、作り方は微妙に調整しています。

-細やかな工夫があるのですね。最後に今後の展望を教えてください。

藤井 昨年、家具を製造している中村企画設計の事業承継で、私が代表になりました。これまで小さい桐箱を作ってきましたが、大型家具の技術も取り入れて、新しい展開ができるのではないかと考えています。また、今年の6月に東京にお店をオープンしたので、認知度を高めたいです。今必要とされるものを今の時代に合わせて作れる会社にしたいと思っているので、これからも桐箱の可能性を探っていきます。

―貴重なお話をありがとうございました!

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「米びつ」
1kg(玄米や餅米用に):w215mm、d215mm、h88mm
3kg(一人暮らし用に):w215mm、d215mm、h162mm
5kg(一般的なサイズ):w215mm、d215mm、h242mm
10kg(たっぷり保管):w215mm、d215mm、h396mm
価格:¥6,270~(税込)
店名:増田桐箱店
電話:092-942-3061(10:00〜17:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kirihaco.shop-pro.jp/?pid=83682411
オンラインショップ:https://kirihaco.shop-pro.jp/

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「パン箱」
食パン1.5斤用
内寸サイズ w205mm、d145mm、h169mm
外寸サイズ w236mm、D176mm、H190mm
食パン2斤用
内寸サイズ w258mm、d148mm、h167mm
外寸サイズ w293mm、d182mm、h192mm
価格:¥2,750、¥3,850(税込)
店名:増田桐箱店
電話:092-942-3061(10:00〜17:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kirihaco.shop-pro.jp/?pid=151298260
オンラインショップ:https://kirihaco.shop-pro.jp/

<Guest’s profile>
藤井博文氏(株式会社増田桐箱店 代表取締役社長)

1987年福岡県生まれ。高校卒業後台湾へ留学し、2007年増田桐箱店入社、2012年代表取締役に就任。2021年M&Aによる事業承継で中村企画設計の代表取締役就任。2021年古賀市商工会会長就任。

<取材・文/垣内栄 MC/和田英利 画像協力/増田桐箱店>

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