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編集長アッキーの光る目　～社長に聞く、あの商品・オンラインショップ誕生の秘密～
ユニークなネーミングとニッチな商品で美と健康をサポート「美ハリおやすみ眉間シート」「巻き爪ワイヤーガード」

ユニークなネーミングとニッチな商品で美と健康をサポート「美ハリおやすみ眉間シート」「巻き爪ワイヤーガード」

2022/07/26

常識にとらわれない独創的なアイデアグッズで注目を集めている会社があります。ありそうでなかった！こんな商品が欲しかった！かゆいところに手が届くような商品ばかり。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社サイプラス代表取締役の坂下恒一郎氏に、取材陣が伺いました。

―2006年に創業されたきっかけやこれまでの歩みを教えてください。

坂下　私はドラッグストア向け商品のメーカーに勤めていたのですが、とても保守的な会社だったので、新しいことへの挑戦をしたいと思って自分で起業することにしました。そうはいっても、潤沢な資金もなく、いきなり商品を作って売ることができるわけでもなく、伝手をたどって、OEMメーカーとして出発しました。

―自社製品を出されるようになったのはいつ頃ですか？

坂下　4年ほどたったころでしょうか。OEMだけでは、クライアントの状況に大きく左右されてしまうと危機感を持ちました。資金繰りが少し楽になってきたこともあり、付き合いのあったメーカーの協力を得て自社商品を作ったのです。当時は珍しかったボクサーパンツタイプの失禁パンツで、おかげ様でよく売れました。

―坂下社長のアイデアですか？

坂下　私はむしろ反対したのですが、開発者の熱意に押されて作りました。実は「美ハリおやすみ眉間シート」も、当初私個人は懐疑的だったのですが、発売以来人気が落ちない看板商品となっています。それ以来、私は開発に口を出さないようになりました（笑）。

―眉間に特化したシートパックですね。

坂下　発売当時市場に出回っていたのは、顔全体に塗るタイプがほとんどで、部分パック自体が珍しかったんですね。うちは最初に塗るタイプのほうれい線専用パックを作り、「美ハリ」シリーズの第2弾として、眉間というさらにニッチな部分に特化した商品に挑戦しました。予想以上に売れ行きが良くて、私は非常に満足でした。

眉間のシワ対策というニッチなジャンルでヒット商品に。

―目の付け所の勝利ですね！

坂下　それが、開発者は発売後も満足しておらず、さらにブラッシュアップしたいと……。というのも、お客様から、顔に塗った商品が布団に付くのはいやだという意見が寄せられたのです。貼るタイプに変更しようにも、不織布では水溶性の美容成分しか使えず、寝ている間に蒸発し不織布が肌の水分を奪ってしまうので、素材探しが重要課題となりました。そんな頃、販売するのに困っている素材があると、付き合いのあるメーカーから相談を受けました。親油性の美容成分が使えて、粘着剤を使わずとも素材の特性で貼れて、長時間使用できるという、まさにうちが欲しかった素材。一般的にはあまり必要とされない珍しいもので、運命ともいえるような出会いでした。
眉間をケアするという他にはあまりない商品を、使い勝手にもこだわって作った結果、爆発的な売り上げとなり、「美ハリ」シリーズに弾みがついたと思います。

寝ている間に美容成分が眉間のシワに働きかける。
貼るだけという手軽さ。

開発者の熱い思いと素材との出会いで完成。

―ニッチジャンルの商品やユニークグッズを多く出されていますが、狙ってのことですか？

坂下　他社さんを真似たり追随したりするのではなく、ほかにないような商品を生み出そうという方針ではありますが、すべて狙っているわけではありません。大真面目に作った商品がたまたまアイデア商品として受け取られることもありますが、ニッチを狙い過ぎると、大コケしてしまうこともあります（笑）。商品開発の基本は、自分が本当に欲しいものを、常識にとらわれず作り出すこと。市場調査や消費者リサーチをすると一般化してしまうので、開発者のアンテナと感覚を大切にしています。

―「巻き爪ワイヤーガード」はどのような経緯で生まれたのでしょうか？

坂下　開発者の妻が巻き爪に悩んでいたことがスタートでした。最初は痛みを軽減させるテープを作ったのですが、それでは根本的な解決になりませんよね。治療につながるよう、病院での治療に似たケアが自分でできる商品を作りました。形状記憶合金ワイヤーを爪に引っ掛けることで、ワイヤーの反発力で爪の食い込みを逆方向に引き上げ、圧迫を防止するような仕組みです。

形状記憶合金ワイヤーで巻き爪を引き上げてクセづけ。

―「巻き爪による食い込み、圧迫防止」「巻き爪による痛みの緩和、再発防止」と効果が明記されていますね。

坂下　雑貨として販売することができず、医療機器としての認証を取りました。開発には知力を結集し、販売には苦労を重ねた商品。そのすべてが報われるほど、多くの方に使っていただいています。しかし、巻き爪のタイプや爪の形によっては使えない場合もあり、期待の声に応えるべく、さらなる開発を目指したいと思っています。

歩くたびに痛みを感じ、足に負担がかかる
巻き爪ケアの商品を、これからも。

―美容・健康分野に定評がありますが、今後の展望は？

坂下　まずはうちの商品を手に取っていただく機会を増やすよう、ECサイトや店頭販売を安定させていきます。商品開発においては、美容・健康分野での立ち位置を守りながら、サイプラスらしさを必要とされるジャンルはどこか、社員皆で探り相談し、新しいことにも挑戦していきたいと思います。会社を大きくすることが目的でなく、商品数や販路が充実することで社員の働きやすさやモチベーションの向上につながるといいなという想いです。

―顧客や社員への愛情を感じる素晴らしいお話をありがとうございました！