今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、ゼライス株式会社。ゼライス=「ゼリー」というイメージが強いかもしれませんが、実は、美容や健康にうれしい成分「コラーゲン・トリペプチド」配合の化粧品やサプリメントで注目を集めている会社です。「美容や健康」と聞けば放ってはおけないアッキーに代わって取材陣が、ゼライス株式会社 代表取締役社長の稲井謙一氏にお話をうかがいました。
必要な場所にコラーゲンが直接届く!「ゼライスコラーゲン・スキンケアローション」、「摩擦音ケアにひざ年齢®」
2022/10/20
ゼライス株式会社 代表取締役社長の稲井謙一氏
―お恥ずかしながら、ゼライスさんといえばゼリーの会社と思い込んでいて、化粧品やサプリメントも扱っていらっしゃるとは知りませんでした。
稲井 みなさんから「子どもの頃、母親がゼライスでプリンやゼリーを作っていました」というお話を聞くと、私はとてもうれしいんです。大切な思い出の片隅にゼライスを置いていただけているのですから。創業当初から、社会のお役に立てる商品を生み出すことを使命だと考えている弊社としては、そのようにゼライスをかわいがっていただけることは何よりの喜びなのです。
弊社はゼラチン製造メーカーで、長く食用、医療用、工業用ゼラチンを製造・販売してきました。ゼライスはそのうちの1つ、食用の家庭用ゼラチンなのです。
―そうでしたか。では、ゼライス株式会社の沿革をお聞かせください。
稲井 ゼライス株式会社のルーツは、今から117年前、1905年に私の曽祖父である稲井善八が宮城県の石巻地方で開業した「稲井善八商店」です。当初、善八は北海道から買い付けた塩鮭など海産物を扱う商いをしていました。当時、宮城県では捕鯨が盛んで、地元は経済的に潤っていたのですが、その一方で、公害にも悩まされていました。その頃、現地では鯨は食用にされず、もっぱらろうそくや石鹸の原料となる油脂だけを絞っていたのですが、その残さい(残りかす)が腐敗して浜辺を汚し、漁民たちを苦しめていたのです。その光景を目にした善八は、鯨の残さいを肥料に変え、農作物に利用することを思いつきます。この肥料は全国で評判となり、鯨公害の問題は一件落着。善八はさらに鯨肉の缶詰を作り、商売を拡大していきました。
以来、鯨肉缶詰を扱っていましたが、2代目で私の祖父である善夫は新たな事業にチャレンジします。それが、ゼラチン製造です。
善八と善夫は「鯨を余すところなく利用したい」という一心で、鯨の残さいを肥料に加工したり肉を缶詰に加工してきたのですが、唯一、活用できなかったのが鯨の頭でした。なんとかこれを活かす方法はないものかと、善夫は生化学の権威として知られる、東北帝国大学(当時)教授の井上嘉都治(かつじ)博士のもとを訪ねます。すると井上先生から、「鯨の頭に豊富に含まれるコラーゲンタンパクを原料にゼラチンを作ることができる」と教えられ、試行錯誤の末、1941年に鯨からゼラチンを製造する世界初の工場、宮城化学工業所を設立。これが、現在のゼライスにつながっているのです。
―鯨公害の解消が、起業の原点なのですね。
稲井 善八にしても善夫にしても、自分たちとしては大層なことをしているつもりはなく、ただ「もったいない精神」が原動力だったのだと思います。そして、これは私も父からよく言われていたのですが、「社会に必要なものを提供する」が弊社のポリシーです。事業を興す際の判断基準は「それによって社会に貢献できるかどうか」。これは創業以来、弊社がずっと大切にし続けていることです。ですから、ゼライスが多くのご家庭で、おやつ作りのお役に立ち続けていられることは、弊社の誇りなのです。
看板商品「ゼライス」。コロナ禍で“おうち時間”が増え、
お菓子作りをしていたときに、どれほど助けられたことでしょう!
―では、コラーゲン・トリペプチドについてお聞かせください。美容や健康に役立つとのことですが、どのような成分なのですか?一般的なコラーゲンと何が違うのでしょう。
稲井 ひとことで言うと「アミノ酸3個でできた”コラーゲンの最小ユニット”」です。たんぱく質はアミノ酸の連なっている数によって呼び名が異なり、1つであれば「アミノ酸」、2つ連なると「ジペプチド」、3つ連なると「トリペプチド」と呼ばれます。トリというのは数字の「3」に由来しています。体の中に存在するコラーゲンはアミノ酸が3000個連なっている状態なのですが、それに対してトリペプチドは、弊社が持つ世界初の特許技術によってアミノ酸3個というコラーゲンの最小単位まで低分子化しています。
トリペプチド化をすると何がいいのか。たんぱく質は胃腸で小さく消化分解してから体内に取り込まれるのですが、その際、大きいたんぱく質よりも小さいほうが消化分解しやすいことがわかっています。一般のコラーゲンペプチドは1分子あたりのアミノ酸の数は約30〜100個ですが、コラーゲン・トリペプチドはたった3個。ですから、トリペプチドのほうが断然、体内への吸収が早いのです。
腸には、消化されたアミノ酸専用の取り込み口があり、ジペプチドとトリペプチドはペプチド専用の吸収サイト(取り込み口)から吸収されます。コラーゲン・トリペプチドは、すでにコラーゲンが低分子化されているので消化の必要がなく、食べた後そのままペプチド専用の吸収サイトから吸収されます。そのため、一般的なコラーゲンペプチドよりもずっと効率よく吸収でき、体のすみずみの器官に素早く、ダイレクトに運ばれるのです。
しかも、コラーゲン・トリペプチドは、皮膚や関節軟骨、骨、腱、血管などコラーゲンが多い組織に効率よく届きます。つまり、コラーゲンを必要とする箇所に優先的に届くというわけなのです。
なるほど!この図を見ると、コラーゲントリペプチドと
従来のコラーゲンペプチドの吸収力の違いがよくわかります。
―加齢などによってコラーゲンの量が減ってくると、それらの箇所に不具合が出てくるわけですね。たとえば、皮膚ならハリやうるおいがなくなったり、関節の動きがスムーズにいかなくなったり……。
稲井 そうです。そこで一般のお客様のお役にも立てるよう、化粧品用のコラーゲン・トリペプチドを開発しました。最初はB to Bで、大手化粧品メーカーさんとのお取引から始まったのですが、現在は弊社オリジナルの商品もあります。それが、「ゼライスコラーゲン・スキンケアローション」です。トリペプチドは肌の内部まで浸透して内側から保湿効果を発揮し、肌のハリやうるおいを保つサポートをしてくれます。私自身、このローションを使うようになってから、ひげそり後の肌荒れが改善したんですよ。
「ゼライスコラーゲン・スキンケアローション」。
乾燥しがちな肌のすみずみまでたっぷりのうるおいで満たし、
毛穴ふっくら、キメの整ったみずみずしい肌を長時間キープ!
とろみのあるテクスチャーで
肌に素早く浸透していきます。
―ローションのほかに、関節をケアするサプリメントも出されていますね。
稲井 はい、機能性表示食品「摩擦音ケアにひざ年齢®」です。関節軟骨の約50%はコラーゲンが占めていて、関節のクッションの役割をしているヒアルロン酸の生成もコラーゲンがサポートしているんですね。そこで、軟骨に負担がかかる状態にした実験動物にコラーゲン・トリペプチドを与えたところ、関節軟骨の亀裂の程度がより小さくなることがわかりました。また、軽い膝痛をお持ちの方にご協力いただいて臨床試験を行ったところ、膝の違和感の改善が認められたのです。
こうした現象は、人間だけでなくゾウにも見られます。加齢による関節痛が原因とみられる歩行の異常や足の衰えなどが生じていたアフリカゾウに、コラーゲン・トリペプチドを半年間食べさせたところ、足の引きずりもなくなり、正常に歩けるようになったのです。うれしいことに副作用は一切ありませんでした。
いま、ひざに不安を感じている方は多いようです。歩いたり、立ったり座ったりの動作で、ひざの動きは1日に数千回といわれます。それに加え、加齢によってコラーゲンの量は徐々に減っていきますから、関節の動きが悪くなったり痛みが生じてきたりしてしまうのです。そうしたトラブルを抱えていても「年だからしょうがない」とあきらめている方も少なくないのではないでしょうか。
人生100年時代、いつまでも健やかにはつらつと過ごしていただきたい。その思いから、「摩擦音ケアにひざ年齢®」が生まれました。
「摩擦音ケアにひざ年齢®」。
左がボトルタイプで、計量スプーンつきのお徳用サイズ。
右は計量不要で衛生面もばっちりの個包装タイプ。
個包装のスティックタイプなら1日1本(4g)が目安です。
量る手間が省けて便利!
ボトルタイプは、付属スプーン1杯が4g相当。
さらさらで、いかにも溶けやすそう。
―「ゼライスコラーゲン・スキンケアローション」と「摩擦音ケアにひざ年齢®」の効果的な使い方、摂り方を教えてください。
稲井 コラーゲン・トリペプチドは自然にゆっくりと体に働きかけ、健康で丈夫な皮膚や骨、関節などを作っていきます。ですから、効果を実感するにはある程度の時間が必要です。でも、諦めずに毎日継続していただくことによって、多くの方がその効果を感じていらっしゃいます。女性の方には、ローションは毎日のスキンケアの中でとくに意識することなくお使いいただけると思いますが、「摩擦音ケアにひざ年齢®」もぜひ毎日の習慣として召し上がってください。顆粒状で溶けやすいので、お好きな飲みものや料理に入れていただくのがいいと思います。顆粒自体に味やにおいがほとんどないので、飲みものや料理の味や香りの邪魔をしません。私は毎朝、味噌汁に溶かして飲んでいるんですよ。
お味噌汁に入れるようにすれば、
毎朝、忘れずに摂れますね。
冷たい飲みものにも、さっと溶けます。
緑茶や紅茶、ウーロン茶などは少し濁ることがありますが
コラーゲンの成分には影響なし。ミルクなどを加えるといいかも。
野菜ジュースやトマトジュースなら濁りも気になりません。
スティックは持ち運びに便利。
ポーチに入れてバッグに忍ばせれば、
出先のカフェやレストランでも気軽に摂れてうれしい。
―「ひざ年齢」とありますが、コラーゲン・トリペプチドは若い世代が摂ってもよいのでしょうか。
稲井 体の中のコラーゲンの量は、骨格や筋肉が作られる20歳代をピークに減り始め、70歳代になると20歳代の半分にまで減少することがわかっています。もちろん、ひざに違和感を感じてからでもよいのですが、できれば深刻になる前に予防ケアとしてコラーゲン・トリペプチドを摂っていただくと、なおよいと思います。
いま、「タンパク質を積極的に摂って筋肉をつけ、健康寿命を延ばしましょう」と盛んに言われ、大豆や牛乳由来のプロテインを摂る方も増えてきたようです。しかし、ゼラチンの専門メーカーとしては、ゼラチン、つまりコラーゲンが最強のタンパク質だと思っています。魚や豚の皮や牛の骨由来のコラーゲンなら、筋肉だけでなく骨や関節、腱などもサポートしてくれますし、肌や髪の毛といった「見た目」の若々しさを保つサポートもしてくれますから。そして、そのコラーゲンを効率よく摂れるのが、コラーゲン・トリペプチドなのです。
―健康も美も「衰えてから」ではなく、つねに、よい状態を保っておくことが大切ですね。最後に、今後の取り組みについて教えていただけますか?
稲井 日本ではハイスピードで高齢化が進み、健康寿命と平均寿命の差もどんどん広がっています。そうした中、多くの方が気になっているのは何よりも認知症でしょう。
弊社では、10年ほど前に、コラーゲンから脳機能の改善に関連する成分を製造できることを発見しました。「環状ジペプチド」と呼ばれるもののひとつ、「シクログリシルプロリン」(シクロGP)という成分です。現在、このシクロGPの製法特許および認知機能の改善についての用途特許を取得し、実用化に向けて研究を続けています。
「脳に直接届いて作用する」というのが、シクロGPの大きな特長のひとつ。食べるとそれが脳にまで到達して、脳の神経細胞に直接命令を与えることが、わかっています。実用化されれば、必ずや多くの方によろこんでいただけるという自信がありますし、その自信がなければ世に出す意味がありません。
―「社会に必要なものを生み出し、提供する」を使命とされているのですものね。
稲井 はい。鯨公害をきっかけにゼラチンの研究が始まり、ゼラチンのアレルゲン性をなくす方法を検討するなかで、アレルゲン性を大幅に低減させる酵素を発見して医療用ゼラチンを発売しました。コラーゲン・トリペプチドは、その医療用ゼラチンから発見されたものです。そしてさらに研究を進めていたところ、シクロGPを発見したのです。研究をすればするほど、コラーゲンやゼラチンの奥深さを思い知らされます。今後も、その大いなる可能性を掘り下げ続けていこうと思います。
―大いに期待しています!貴重なお話、ありがとうございました。
「ゼライスコラーゲン・スキンケアローション」(100ml)
価格:¥4,990(税込)
店名:ゼライス
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.jellice-shop.com/care/skin_lotion
オンラインショップ:https://www.jellice-shop.com/#
「摩擦音ケアにひざ年齢® スティック」(120g【4g×30本】)
価格:¥4,100(税込)
店名:ゼライス
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.jellice-shop.com/supplement/hiza-stick
オンラインショップ:https://www.jellice-shop.com/#
「摩擦音ケアにひざ年齢® ボトル」(200g【約50日分】)
価格:¥6,260(税込)
店名:ゼライス
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.jellice-shop.com/supplement/hiza-bottle
オンラインショップ:https://www.jellice-shop.com/#
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稲井謙一(ゼライス株式会社 代表取締役社長)
1964年、宮城県仙台市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、1987年東京ガス株式会社入社。1991年同社を退職、塩釜ケーブルテレビ(現宮城ケーブルテレビ株式会社)立ち上げに携わったのを皮切りに、2003年稲井善八商店(現株式会社稲井)社長、2005年宮城化学工業株式会社(現ゼライス株式会社)社長、2008年塩釜ガス株式会社社長、2010年宮城ケーブルテレビ株式会社社長に就任。2011年東日本大震災の大幅減収から、2018年には奇跡の「レ」字型回復を果たし、創業以来最高の経常利益を達成。
<取材・文・撮影/鈴木裕子 MC/橋本小波 画像協力/ゼライス>