エコや節約にもなると、保冷や保温ができるマイボトルやスープジャーを持つ人が増えています。毎日持つのだから、機能にもデザインにもこだわりたいですよね。
今回、編集長のアッキーが気になったのは、2023年に創業110周年を迎える魔法瓶のメーカー、オルゴ株式会社。代表取締役社長の田中新和氏に、スタッフがお話を伺いました。

オルゴ株式会社　代表取締役社長の田中新和氏

―2013年に創業100年を迎えられました。魔法瓶の歴史は古いですね。

田中　現存する魔法瓶のメーカーの中では、1番古くなりました。魔法瓶メーカーが80社くらいあった時代もありますが、今は5社しかありません。

魔法瓶、つまり真空二重瓶の、一般向けの商品はイギリスから始まりました。弊社の創業者である祖父が、日露戦争後の遠洋航海の途中で立ち寄った、オーストラリアで魔法瓶に出会いました。イギリスの植民地だったオーストラリアで見つけたようです。

祖父は近江商人、質素倹約を美徳としている人だったので、熱い湯を入れると冷めないという今で言う省エネ商品が気に入り、商品化を模索しました。日本ではその数年前にイギリスから魔法瓶が入ってきていて、他のメーカーさんより商品化され、発売されていました。

ですから、弊社が第1号ではないですが、ほぼ同じ時期に同じようなことを考えていたわけです。祖父は、1913年に魔法瓶と電球を取り扱う「電明社」を創業しました。当時の人たちにとって、湯が冷めない魔法のようなものだったので「魔法瓶」と呼ばれるようになったそうです。

暮らしのあらゆるシーンで欠かせない魔法瓶。
特に、スポーツをするとき、マイボトルが必需品です。

―創業から3回社名変更をしていますが、理由は？

田中　1955年、「電明社」から「鬼マホービン株式会社」になりました。この頃、真空二重瓶はガラス製でしたので、ガラスは割れやすい、弱いイメージがありました。それを払拭するために、あえて強いイメージの名前にしたようです。他社さんも、象とか、虎とか強いイメージの社名にしていました。

その後、1964年「ダイヤ魔法瓶工業株式会社」に社名変更。この時は、海外進出を考えていて、鬼の英訳に苦慮したことがあり、海外の人でもわかるような名前で、強くて硬いものとして、ダイヤが採用されました。

そして、1988年、魔法瓶以外の分野も積極的に挑戦しようと考え、社名から魔法瓶を取り、現在の「オルゴ株式会社」になりました。弊社に関わる、社員、取引先、お客様など全ての人が一致団結し、「快適な暮らしの実現」という共通の目的の元、共に歩んでいきたいという願いを込めた社名です。オルゴ＝「すべて良し」「みんなで行こう」＝ALL GOという意味です。

魔法瓶は、お弁当のスープにもピッタリ。
スープジャーとして人気です。

―社名には大きな意味があったんですね。商品作りで、大切にされていることは？

田中　他社さんにはない、ユニークな商品を生み出そうと思っています。使い勝手がいい、便利であるなど、他社製品に比べて一言、二言言える商品の差別化を常に考えています。

今回ご紹介するステンレス真空二重構造のボトル「グラブフラスク」も、アイデアが詰まった商品です。

「グラブフラスク」はスポーツなどをするアクティブな人たちに向けた、スリムでコンパクトな保冷専用のボトルです。スポーツ中でも、簡単につかむことができるように、3つの工夫が施されています。

まずは、本体についているラバー。手早くしっかり掴めます。2つ目はラバーのストラップ。ここをつかめば、誤って落とすことがありません。3つ目、飲み口についたハンドル。指先でサッと持ち上げて、ボトルを移動できます。

スポーツジム、ランニング、ウォーキング、ヨガ、山登りなど、コロナ禍の運動不足解消のため、体を動かす人が増えてきました。スポーツの前後や途中での水分補給のために、「グラブフラスク」を使って欲しいです。スポーツドリンクを入れても大丈夫です。

ラバーのストラップでつかむと落としません。

飲み口についたハンドルを持てば手軽に移動できます。

―「グラブフラスク」は、持ち運びがしやすいんですね。カラーも印象的です。

田中　色にもこだわっています。色はホワイト、ピンク、マスタード、ブラック、ネイビーの5色。もっと、カラフルな色も考えましたが、男女問わずに幅広い世代に持って欲しいと思い、落ち着いた色味にしました。最近、スポーツジムに通う方は60〜70代も多いので、そのような方にも違和感がないようなカラーになったと思います。

また、色がはげにくいように、粉体塗装という方法を採用。本体の強度も増し、へこみにくくなり、アクティブなシーンでどんどん使っても大丈夫です。

選ぶ楽しさがある「グラブフラスク」全5色。
家族で、友達で、カップルで、色違いにして持つのも楽しい。

―「グラブフラスク」の商品開発で苦労されたことは？

田中　女性にも使いやすいサイズにこだわっていましたが、最初のサンプルはかなり大きめのものになってしまいました。コンセプトとは違うものだったので、作り直しました。

スケジュールは厳しかったのですが、納得のいかない商品を発売するわけにはいきません。営業の担当者と一緒に、最後まで粘って、やっとイメージ通りの商品が出来上がってきました。500mlと容量は大きめですが、コンパクトで軽く、持ちやすいとお客様からも好評です。

―スープジャーの「クラウンジャー」はどのような商品ですか？

田中　熱いもの、冷たいものを入れて保温できる、ステンレス真空二重構造のスープジャーです。機能がシンプルな商品で他のものと差別化しにくいので、デザインやカラーでお好みのものを選んでいただけたらと思います。

今回、ピックアップした「クラウンジャー」は、フタを王冠に見立てたデザインが印象的な商品です。デザインでもある、フタの凹凸の部分が指にひっかかりやすく、フタが開けやすいというメリットがあります。色はクリーム、オレンジレッド、ブラウンの3色で、今の流行を取り入れたニュアンスのあるトーンになっています。男女問わず、幅広い年齢層の方に持っていただけます。

また、構造面のことですが、真空層をできるだけ薄くして、軽量コンパクトに。これを持って通勤、通学される方に負担が少ないつくりになっています。

王冠のようなフタとニュアンスのあるカラーが特徴の「クラウンジャー」。
男性へのギフトにしても。

―「クラウンジャー」のおすすめの使い方は？

田中　大きめの具が食べやすいように口の部分を広めにしているので、シチューやカレーなどのボリュームのあるメニューを入れることがおすすめです。底にラバーがついているので、安定感があって食事中に倒れる心配もありません。

また、お手入れのしやすさも、毎日使っていただくには重要だと考え、口が広い、フタの部分が分解できるなど、洗いやすいようにしています。

温かいものだけでなく、夏にサラダなど冷たいものを入れることもできます。

底にラバーがついているので、安定感があります。
オフィスのデスクでも安心。

―今後のビジョンは？

田中　弊社の商品は、自社サイト以外ではあえてネット販売をしていません。露出は減りますが、「どこにでもある」感は少なくなります。また、値崩れもしにくい。主に実店舗で、「こんな商品があるんだ」と新鮮な気持ちで購入してもらっています。

また、雑貨屋さんでも取り扱ってもらっているので、実用品としてだけでなく、「お楽しみ」の商品として手にとって欲しいと思っています。

先ほど、男性でも使えるカラーにしているとお話しましたが、雑貨屋さんで女性から男性へのプレゼントとして選んで欲しいですね。今後も、弊社が大切にしている、他社にはない、ユニークな商品を生み出し、お客様に提案していきたいと思っています。

また、オルゴ株式会社と社名を変更した理由でもある、魔法瓶以外の分野に挑戦したいという目標も少しずつ達成しています。最近は、ドライヤーやヘアアイロンなど理美容家電の分野で、成果を上げています。こちらも、どんどん挑戦していきたいと思っています。

―貴重なお話をありがとうございました！

「グラブフラスク」（500ml）
価格：¥2,750（税込）
店名：オルゴ株式会社
電話： 06-6968-5555（9:00～16:00　平日）
定休日：土・日・祝日　インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：ホワイト https://allgo.base.shop/items/63502346
ピンク https://allgo.base.shop/items/63523329
マスタード https://allgo.base.shop/items/63523332
ブラック https://allgo.base.shop/items/63575414
ネイビー https://allgo.base.shop/items/63575422
オンラインショップ：https://allgo.base.shop

「クラウンジャー」（350ml）
価格：¥2,860（税込）
店名：オルゴ株式会社
電話： 06-6968-5555（9:00～16:00　平日）
定休日：土・日・祝日　インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：クリーム https://allgo.base.shop/items/65454141 
オレンジピンク https://allgo.base.shop/items/65454406
ブラウン https://allgo.base.shop/items/65454508
オンラインショップ：https://allgo.base.shop

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
田中新和（オルゴ株式会社 代表取締役社長）

1963年大阪府生まれ。1986年甲南大学経営学部卒業後、単身米国に語学留学する。
1年半後に帰国しダイヤ魔法瓶工業株式会社（現オルゴ株式会社）入社。主にCI導入(社名変更)の仕事に従事する。
海外貿易、商品企画、国内営業などを経て2004年代表取締役に就任。
社名のオルゴはALL GO（みんなで行こう）の和製英語。従来の魔法瓶関連商品に加え、ヘアアイロン、ドライヤーなど理美容機器の開発にも力を入れている。

＜文／大橋史子（ペンギン企画室）　MC・撮影／津田菜波　画像協力／オルゴ＞