しっかり眠ったはずなのに、全然疲れがとれていない。朝すっきり目覚めることができない。そんなお悩みを抱える方も多いのでは?編集長アッキーが探し求めて出合ったのが、着るだけで心身の休養をサポートしてくれるリカバリーウェア。
そんな夢のような商品を世界ではじめて開発した株式会社ベネクスの代表取締役・中村太一氏にお話を伺いました。
2023/01/26
しっかり眠ったはずなのに、全然疲れがとれていない。朝すっきり目覚めることができない。そんなお悩みを抱える方も多いのでは?編集長アッキーが探し求めて出合ったのが、着るだけで心身の休養をサポートしてくれるリカバリーウェア。
そんな夢のような商品を世界ではじめて開発した株式会社ベネクスの代表取締役・中村太一氏にお話を伺いました。
―創業までの歴史をお聞かせください。
中村 創業は2005年、私が25歳のときです。その前は新卒で入社した会社で、介護施設の立ち上げや運営に2年半ほど携わっていました。ヘルパーの資格を取って介護の実務も経験していくなかで、見えてきたのが介護業界のさまざまな課題。その1つが「床ずれ問題」でした。
圧を分散させるために体の向きを変えてあげたり、褥瘡や床ずれの原因となるシーツのシワを整えてあげたり、さまざまなケアが必要なんですが、現場はとにかく人手不足で。思うようにケアができないこともあったんです。それを解決できる“何か”をつくりたいと思い、ベネクスを立ち上げました。
―介護業界からのスタートだったんですね。当初はどんな商品を開発されていたのでしょうか?
中村 最初につくったのは、床ずれを予防するためのベッドパッドです。そもそもなぜ床ずれが起こるのかというと、自律神経の乱れによって代謝が落ち、血液やリンパの流れが滞ってしまうからなんです。自律神経は心身を活発にする交感神経とリラックスさせる副交感神経からなっていて、この2つがバランスを取りながら体のあらゆる働きをコントロールしています。その機能が年齢とともに緩慢になってくるんです。
介護施設でも、朝起きたらカーテンを開けて日光を取り入れるなど、交感神経を高めるための工夫はされています。でも、副交感神経を上げるためにやっていることは少ない。それならばということで、副交感神経に働きかける素材を取り入れたベッドパッドをつくりはじめました。
―科学的にアプローチされていったのですね。どんな素材なんですか?
中村 いろいろ調べていくなかで着目したのが、鉱物が発する遠赤外線の効果です。皮膚をやさしく刺激することで、血流改善などが期待されるということがわかってきたんです。適した素材を探すため、まずは素材商社やメーカーにアポを取り、さまざまな素材を教えていただきました。そうして出合った会社と共同で開発したのが、ナノ化したプラチナなどを含む独自の素材「DPV576」です。
ベッドパッドの生地として、DPV576を練り込んだ特殊繊維「PHT(Platinum Harmonized Technology)」を使用したのですが、この開発にも非常に苦労しました。粒子状の鉱物ですので細い繊維に練り込むと、ダマになって糸が切れやすくなってしまうんです。風合いのよさを追求するため繊維を極限まで細くしていますので、なおさら難しかったですね。何度も試作を重ねて完成させたハイテクノロジーな繊維です。
―「リカバリーウェア」にも「PHT」を使用されていますね。介護から“リカバリー”へと舵を切ったきっかけは?
中村 ベッドパッドを商品化したものの、全然売れなかったんです。もの自体は非常に良いと言っていただけるんですが、価格がネックになってしまって。転機となったのは、余った繊維でつくった介護用ウェア。勤務体制が日勤・夜勤の混合となるヘルパーは、生活が不規則になり体調を崩してしまうことも少なくありません。それを少しでも改善するためのウェアとして展示会に出展したところ、トレーニングジムのバイヤーさんが関心を持ってくれたんです。
体を鍛えるためには「運動・栄養・休養」が重要で、そのうち運動と栄養面ではすでに科学的根拠に基づく取り組みがなされていました。でも休養に関しては、まだあまり科学の力が入っていなくて。そこにニーズを見出し、リカバリー領域に移行していきました。当初は運動後の疲労回復サポートに主軸を置いていましたが、今では日常のなかの休息や睡眠時間にも着目したリカバリーウェアを提案しています。
―「リカバリーウェア」をつくる上で大切にされていることは?
中村 生地の肌触りはもちろんですが、縫製やシルエットにもこだわっています。おうちで着るものって、同じものばかりになりがちじゃないですか。ほかにもいっぱいあるはずなんですけど、無意識に着心地のいいものばかりを選んでしまうんですよね。その着心地の良さって何なのかというとゴロゴロした縫い目が体にあたらないとか、人間の体の形にあった滑らかなシルエットだとかいうことだと思うんです。手間も時間もお金もかかるんですが、そういうことを大切にしています。
―どんなときに着ると効果的なのでしょうか?
中村 嬉しいことに「家に帰ったらすぐにベネクスのウェアに着替えたい」と言ってくださるお客様も多いのですが、おすすめは“おうちに帰ってシャワーを浴びた後”です。というのも、着ると眠くなるという方が結構いらっしゃるんですよ。そうなると色々億劫になってしまいますので、あとは寝るだけというタイミングが1番良いのではないかと思います。
―今後の展望をお聞かせください。
中村 我々の使命は、「疲れが取れない」とか「よく眠れない」というお客様のお悩みに応えることだと思っています。今はウェアが中心ですが、今後はそれ以外の商品も揃えていって、お客様の生活がより充実するように事業を展開していきたいです。
「スタンダードドライ 長袖」(レディース M、L、XL)
価格:¥16,500(税込)
店名:VENEX(ベネクス)
電話:046-200-9288(10:00~17:00 土日・祝日・年末年始を除く)
定休日:公式オンラインストアでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://store.venex-j.co.jp/products/detail/117
VENEX公式オンラインストア:https://store.venex-j.co.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
中村太一(株式会社ベネクス 代表取締役)
1980年神奈川県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、コンサルティング会社に入社。同社の運営する有料老人ホームの立ち上げ、営業を経て、2005年9月株式会社ベネクスを設立。東海大学や神奈川県との産学公連携事業により休養時専用のリカバリーウェアを開発し、国内のみならず海外にも展開。リカバリー市場創造企業の代表として、挑戦を続けています。
<文・撮影/野村枝里奈 MC/橋本小波 画像協力/ベネクス>