2023年3月。マスクの着脱が個人に任せられたことで、これからまた、メイクに注目が集まってきそうです。まずは、顔の印象を決めると言われるパーツの眉と、いろんなイメージが作れる唇に、新しいアイテムを取り入れてみませんか?今回は、塗って剥がせて約3日消えない眉ティントと、パーンと膨らむリップティント、2つの楽しいコスメアイテムを開発した、株式会社かならぼ 代表取締役社長の和田佳奈氏にお話を伺いました。
楽しみながらきれいになれる!口と眉、2種類の「ティント」
2023/04/13
株式会社かならぼ 代表取締役社長の和田佳奈氏
―会社の御社の沿革についてお願いいたします。
和田 「株式会社かならぼ」の会社設立は2015年、「フジコ」ブランドは2016年にデビューしました。私が代表に就任したのは2017年です。それまでは「かならぼ」の会社立ち上げに関わり、ブランドの立ち上げを担当していました。
―和田社長は、「かならぼ」にいらっしゃる以前、ティーンマーケティングにも関わっていらっしゃったとか。
和田 高校生の頃から、アンケートに答えたり、リサーチやプロモーションに協力する登録制のアルバイトをしておりまして、割と熱心だったので、そのままアルバイト先であるマーケティングの会社の社員になりました。
―そうだったのですね。そして今、「かならぼ」の社長として会社を牽引していらっしゃいますが、会社で大切にされていることはどんなことですか?
和田 大手の真似をするのではなく、痒いところに手が届く会社でいよう、ということを信念として、商品を作る際も念頭に置いています。また社員には、自身でも「キレイになりたい」というモチベーションを常に持っていて欲しいと思っており、例えば、コスメを使うことでどんな変化が得られるかを実際に感じてもらえるよう、「美容手当」を設けて、様々な商品、サービスを体験してもらうようにしています。
―御社のホームページを拝見していると、スタッフ様の意識の高さを感じます! 続けて商品開発についての質問ですが、新ブランド「フジコ」を作る際、どのようにマーケティングをされたのですか?
和田 実は、「フジコ」立ち上げに関しては、マーケティングらしいことをしておらず……(笑)。行なったとすれば、商品棚のチェックくらいでしょうか。最初の頃は、取引先が持っていた販路を使わせていただいたのですが、それがプチプラコスメ(低価格コスメ)のゾーンでしたので、同じゾーン内で、他にどんな商品があるのかを見て回りました。
実は私自身、美容弱者で美容情報に疎く、メイクを必死で研究するタイプではなかったんです。「可愛くなりたい」という気持ちはあるのに、そこまでストイックにはなれないタイプで。
「かならぼ」は、メイクブランドとして立ち上げることが命題だったので、正直、自分が立ち上げて大丈夫だろうか?とも思いました。でもそこから、私のような人に必要な商品とはどんなものだろう?と、考え出したことから動き出したので、「フジコ」に関しては、コスメ業界をマーケティングしたというより、自分自身をマーケティングした、という感じだったかもしれません。
―そうしてたどり着いた「フジコ」のコンセプトとは?
和田 時間がない中でも可愛くなれたり、時に唇をふっくらできたり、眉が数日消えなかったり、情報弱者でもワクワクなれる、だから使ってみたくなる、そんなコスメを提供できるブランドになったらいいなと思いました。かならぼ入社以前は、マーケティングのほか、美容系のコンテンツ制作にも関わってきたのですが、そうしたキャリアの中でわかってきたのは、美容に憧れる人は多いけれど、本当にそれができている人はそんなに多くないということ。そして私自身、大衆寄りであるということ。それなら私が欲しいものを作ればいいのではないか、という感じでした。
―ブランド名の「フジコ」は、とても印象的なネーミングだと思うのですが、その由来について伺えますか?
和田 宣伝力も資金力もなく、有名人が関わったブランドでもなかったので、勝負するならモノしかありません。だったらブランド名を覚えて頂かなくては、と思い、人の名前なら覚えられやすいのでは?と考えました。そして名前の中でも、ブランド的には身近な感じが出せたらいいなと。加えて日本らしさも表現したいという中で、「フジコ」はどうだろうと。富士山の「フジ」が入って、「子」がついている点も覚えやすそう。そうして決まりました。
―ではその「フジコ」より、2023年2月に発売されたばかりの「フジコ プランビーリップ」について。生まれた経緯を教えていただけますか?
和田 もともと「フジコ」には、「ニュアンスラップティント」という商品がありました。コロナ禍の2021年2月くらいに、「マスクにつきにくい」というキャッチフレーズとともに出したのですが、ありがたいことに人気商品となりました。ですが2022年も後半になってくると、マスクを意識したメイクもそろそろ終わりにしたいという気持ちが高まってきて。次はリップを主役にしたメイクが楽しめるものを作ろうと考えたんです。
なので、「フジコ プランピーリップ」には、「唇、主役にしちゃお」というキャッチコピーをつけたのですが、これが本当に、唇を主役にできるような、パーンと膨らむティントに仕上がりました。
血色とボリュームを叶える「プランプ成分」と、
ツヤ・発色・落ちないを叶える「オイルウオーターティント処方」が一緒になって、
誕生した「フジコ プランピーリップ」。
従来のプランプリップは、質感がちょっと重かったり、オイルがベタつくといったものが多かったのですが、これは水分を加えて、これからの季節にもぴったりの軽い質感に仕上げることができました。またプランプリップには、薄めの色のものが多いのですが、今回は色味もしっかりと作り、さらに色落ちしにくい効果も加えるなど、リクエストを詰め込んだ商品となりました。
―開発で苦労なさった点はありますか?
和田 プランピング効果を出すにあたり唇に刺激を感じる場合があるので、そうならないように、様々な成分を試し何度もやり直しました。水分を入れてオイルを残すと、膨らみもより感じられるので、バランスには苦労しましたね。
カラーは、ローズ系の「独占欲」(奥)と、オレンジ系の「羨望」(手前)の2色。
どちらにも、アルガンオイルやツバキ種子油など5種類の美容成分を高配合。
―では、2020年7月に発売された「フジコ眉ティントSVR」についてもご紹介をお願いします。
和田 「フジコ」ブランドの第一号アイテムはリップティントで、それがまさに、塗って剥がすタイプのアイテムでした。その発売前に韓国の工場へ様子を見に行きましたので、ついでに現地の市場調査をしたのですが、ちょうど眉ティントが発売された直後だったんです。日本ではまだ見たことがないアイテムだったので、「これ何?」と思いましたが、考えてみると、塗って剥がすリップと原理は同じ。これは国内では最初にうちがやらねばと、すぐに工場に連絡し、半年後には店頭に並びました。
「フジコ眉ティントSVR」。
カラーは左から、ライトブラウン、ショコラブラウン、モカブラウン。
WEB限定のグレーブラウンも。
―それが今や、520万本販売(2023年1月末時点)ということで、大ヒット商品となりましたが、お客様の声はいかがですか?
和田 「塗って剥がす」、という手軽さも好評ですし、眉毛が全然ない、という方からは、「すごく助かっています」というお声をいただきますね。他に、「眉を描く時間が減って助かる」というお声もあります。ちなみにこれは2020年の7月に出たものなのですが、リニューアルしたもので、前作の「フジコ眉ティントSV」に対して、カラーがもっとこうだったら、もうちょっと早く乾いたら、もっと使いやすい筆だったら、というお声を生かしながらリニューアルしました。
今作は、眉をデザインしながら塗りやすい「ナギナタ型」の筆先に。
―華麗なるバージョンアップを果たしたのですね。ところで、「フジコ」のアイテムを拝見しますと、しっかりトレンドを掴んでいらっしゃるな、と感じるのですが、どのようにキャッチされているのですか?
和田 お客様の声や、SNSでしょうか。コスメアカウントのSNSはキーワードで検索しながらよく見ています。Twitterでは若い子のつぶやき、TikTokではアバンギャルドなメイク動画などもチェックしますね。もちろん、実際に人と会うことも大切にしています。
トレンドをキャッチする際は、例えば今はテンション高く行きたい時期なのか、ちょっと落ち着きたい、癒やされたい時期なのか、そういう気持ち的なものも見るようにしていますね。SNSは、そのあたりをわかりやすく示してくれます。時にはメイクに全く関係のないものもチェックしながら、世の中の流れを掴むようにしています。
―いろんなところにアンテナを張っていらっしゃるのですね。
和田 そうですね、努力しています。最近はコロナもずいぶん落ち着いて、バーなどもオープンしているので、そこで直接話を聞いたりもしますね。
―コロナもずいぶん落ち着きましたが、コロナ禍での影響はいかがだったでしょうか?
和田 仕方のないことですが、影響はありました。例えば初期の、マスクが広がった時期は、メークアップよりもスキンケアの需要の方が高まりました。お家時間が長くなったので、メイクの必要がなくなって、スキンケアに力を入れる人が増えたんですね。この頃は特に、マスクで隠れる部分に使用するリップやチークといったアイテムに影響が出たかな、と思います。
さらに、「リップはいらない」、というところまで行った時期もありました。でもまた少しずつ、「やっぱりメイクは楽しい」「メイクがしたい」という声が聞こえるようになり、メディアでも「マスクメイク」が取り上げられるようになると、状況は少しずつ上向いてきました。今ではもう、「マスクメイク」という言葉すら古く聞こえるほど、コロナ以前の状態に戻った気がしています。実際に、リップの売り上げは順調に伸びてきています。
―業界的にも右肩上がりとなっていきそうですね。それでは社長自身や御社の今後の展望について聞かせてください。
和田 これからも、みなさんが欲しいと思うもの、あったらいいなと思うものを作っていきたいですね。「フジコ」のブランドコンセプトは「きれいになるって楽しい」ですので、楽しくてワクワク、それでいて機能的と思ってもらえるような、お助けマンになれるようなものを作っていきたいなと思っています。
私自身には、こうなりたい、こんなことして行きたいという大きな野望はありません。ですが「誰かの何かを叶える」をテーマにすると、モチベーションが上がり、具体的なビジネスも見えやすくなるのです。会社の経営的にも、社員がやりたいことを叶える、ということを第一にすると結果につながりますし、商品作りに関しても、皆さんが望むことを叶えようと思うことで売り上げが上がる。「叶える」が常に真ん中にあって動く、という感じでしょうか。
―ありがとうございます。最後に読者へのメッセージもお願いします。
和田 「フジコ」を、友達のように思っていただけたら嬉しいです。時々、インスタグラムでインスタライブなどもやっているので、気軽にご意見を寄せてください。お待ちしています。
―コスメ業界に一石を投じた人気ブランド「フジコ」。そのブランドと商品の誕生にまつわるお話を伺いながら、周りよりも自身のことをよく観察し、楽しく歩く道を探すことこそが、オリジナリティのあるモノづくりに繋がるのだと感じました。貴重なお話をありがとうございました!
「フジコ プランピーリップ」(3.6g)
価格:¥1,540(税込)
店名:株式会社かならぼ
電話:0120-91-3836(営業時間10:00~17:00)
定休日:土曜、日曜、祝日、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://fujikobrand.com/c/fujiko/4589474245958
オンラインショップ:https://fujikobrand.com
「フジコ眉ティントSVR」(6g)
価格:¥1,408(税込)
店名:株式会社かならぼ
電話:0120-91-3836(営業時間10:00~17:00)
定休日:土曜、日曜、祝日、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://fujikobrand.com/c/fujiko/4589474243701
オンラインショップ:https://fujikobrand.com
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和田佳奈(株式会社かならぼ 代表取締役社長)
2004年、株式会社アイエヌジーに入社。ティーンマーケティングに従事し、食品からコスメ、プリントシール機、携帯キャリアなど幅広いジャンルの各社メーカーのリサーチからプロモーションまでをプランニング。 2011年に株式会社IDOへ入社。住宅メーカー発行のフリーペーパー編集長を担当。2015年、株式会社かならぼのブランドマネージャーに就任、「Fujiko」を立ち上げる。2017年に株式会社かならぼの筆頭株主となり、代表取締役に就任。
<文/鹿田吏子 MC/柴田阿実 画像協力/かならぼ>