今回、編集長アッキーが気になったのは、おしゃれなキッチンツールを開発している「ビーワーススタイル」。株式会社ビーワーススタイル・代表取締役社長の岡本朋和氏に、商品の特徴を取材陣がうかがいました。
デザイン性と機能性を両立させたおしゃれなキッチンツール「UtaUブレッドドロワーピュアホワイト」「hanauta水切りラック」
2023/05/09
株式会社ビーワーススタイル 代表取締役社長の岡本朋和氏
―創業の経緯を教えてください。
岡本 2004年に設立し、当初はカタログ通販のOEMをメインでやってきました。2016年の11月に自社ブランド「hanauta」を立ち上げ、2017年にグッドデザイン賞を受賞しました。2019年1月に自社ブランド「KAWAKI」、2020年4月に「UtaU」、2021年12月に「fillete」を立ち上げ、そのほかの自社製品「bws SELECTION」と合わせて、5ブランドで展開しています。
―起業で大変だった点はございますか。
岡本 社長に就任してすぐに大きなクレームがあり、回収騒動になりました。その時はもうダメかと思いましたが、社員も一緒に頑張ってくれて、なんとか乗り越えることができました。
―現在に至るまでに転機はありましたか?
岡本 2016年に自社ブランドを立ち上げたのが大きな転機でした。デザイン性よりも機能性を重視した商品を中心に開発してきましたが、価格競争にも飲み込まれて、「このままではダメだ、今の時代に合うような商品を作らないといけない」という思いでスタートしました。当初はデザイナーとの考え方の違いに社内のスタッフが当惑し、今までのやり方から頭を切り替えるのが大変でしたが、柔軟に対応してくれてよかったです。
―コロナ禍の影響はございますか。
岡本 コロナ禍では巣籠りの状況で売り上げが伸び、一昨年に最高利益を上げました。そのためアフターコロナが勝負だと思っています。
―社長自身が普段から心がけていることはありますか?
岡本 価値あるモノ(be worth)で、あなたらしい暮らしを(style)という想いで社名をつけ、これが企業理念でもあります。価値あるモノを生み出すために、私自身がカテゴリーを問わず、新しい情報を集めて、いろんな店舗で商品のクオリティーやサービスをチェックし、社員教育にも役立てています。
―今回ご紹介させていただく「UtaUブレッドドロワー」の開発の経緯を教えてください。
岡本 完成するまでに約1年かかりました。5年ほど前からトースターが見た目もおしゃれになり、機能面でも充実したものが増えました。インテリア性を意識した人が増えたと感じ、おしゃれなトースターに見合う収納ケースを作ろうと考えました。トースター周りはごちゃつきやすいというユーザーの声もあり、どうしたらインテリアを損なわずに収納スペースを作れるか、という観点から今回の開発が始まりました。
―開発で苦労された点を教えてください。
岡本 まず、トースターに合うデザインがなかなか決まらず、何度も何度もやり直しました。デザインが決まるまでに半年ほどかかりました。構造の部分で難しかった点は、引き出した時に「ガシャン」という金属音を出さないことです。引出し部分のローラーの角度を1㎜単位で検証し、試作を繰り返してようやく音が出ない角度を見つけ、さらに金属が当たる部分にフェルトを貼り、音が出ないようにしました。もう一つは引出しを閉めたあと、正面から見ると少し隙間がありますが、ここを左右均一にすることです。商品のほんの少しの角度の違いで隙間が均一にならず、金型を起こし、1㎜単位の調整を何度も行いました。
パンや調味料をおしゃれに収納。トースターを上に置けます。
―お客様の感想はいかがでしょうか。
岡本 SNSや商品レビューで、「キッチンのごちゃごちゃがすっきりしました」「インテリアに溶け込んでいます」といった高評価をいただいています。
引き出しタイプでフキンをかけることも可能。
―「hanauta水切りラック」はいかがでしょうか。
岡本 「hanauta」は弊社が一番最初に立ち上げたブランドです。洗い物は楽しい作業ではないですが、それをいかに楽しくできるか、思わず鼻歌が出るようなキッチンになるかが、ハナウタのブランドコンセプトです。特に水切りラックは、今までもOEMでたくさん作ってきましたが、時代と共にキッチンがどんどんおしゃれになってきました。水切りラックはどうしても生活感が出てしまうので、今のキッチンに合うデザイン性を重視しました。さらにお皿洗いのストレスを解消できる機能性を追求し、お皿を縦にも横にも好きな向きに置ける“たてよこウェーブ”が誕生しました。中でも、後から発売した縦置きロングタイプは、シンク横にある20cm程のスペースを有効活用できるサイズ感を目指し、今では人気商品です。
お皿が縦にも横にも立てかけれられるなど、
細部まで使いやすさが考えられている。
―SDGsへも取り組んでいらっしゃいます。
岡本 私どもの会社がある燕三条地域は金属加工が有名で、ものづくりに優れた街として知られています。自社の企画力をさらに強化し、ずっと使いたくなるデザインと、質の高い職人の技術で、長く使える商品を生み出していきたいと考えています。また、様々な企業と商品開発を行うことで、地域経済の活性化に貢献できればと思います。
職人の手作業による美しい仕上がり。
―今後のビジョン・展望などをお聞かせください。
岡本 2017年と2021年にグッドデザイン賞を受賞し、社員もますます意欲がアップしています。グッドデザイン賞で評価された際の社員の喜ぶ笑顔が忘れられないので、これからも笑顔があふれる会社作りに徹し、お客様が喜ぶ価値ある商品を開発して、国内外に発信して行きたいと思っています。
また海外への販売についても台湾と香港にはすでに輸出しており、韓国とアメリカからオファーが来ています。ヨーロッパにも進出したいので、海外の展示会もどんどん出ていき、技術の街である燕三条についてもアピールしていきたいです。
―貴重なお話をありがとうございました。
「UtaUブレッドドロワーピュアホワイト」
価格:¥12,100(税込)
電話:0256-47-1867
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://beworth.jp/products/3376/
オンラインショップ:https://shop.beworth.jp/
「hanauta水切りラック 縦置きロングタイプ シルバー」
価格:¥23,100(税込)
電話:0256-47-1867
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://beworth.jp/products/125/
オンラインショップ:https://shop.beworth.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
岡本朋和(株式会社ビーワーススタイル 代表取締役社長)
1970年新潟県三条市生まれ。地元の樹脂金型製作会社から製造メーカー、商社営業担当を経て起業。株式会社ビーワーススタイルの代表取締役社長に就任後、自社商品ブランドを立ち上げて2017年・2021年にグッドデザイン賞を受賞。国内外の展示会にも積極的に出展しながら、日常生活にもっと「たのしさ」や「ゆたかさ」を提供できる商品開発に取り組んでいます。
<文/垣内栄 MC/鯨井綾乃 画像協力/ビーワーススタイル>