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履き心地と神戸らしいデザイン性を両立!オリジナルフットベッドが心地よい、リピーター続出の靴「インコルジェ」

2023/05/19

外反母趾をはじめとして足にトラブルのある女性は多いもの。コンフォートシューズや医療用の靴を履くまでではなくても、出来るだけ足に負担のない靴を探している人も多いのでは?そんな人たちに口コミで人気上昇中の靴ブランドがあるということで、編集長アッキーと取材班がお伺いしました。

株式会社シャープ 代表取締役社長 松井純一氏
株式会社シャープ 代表取締役社長 松井純一氏

―靴ブランド「インコルジェ」はどのような経緯でできたのですか?

松井 弊社は株式会社シャープと申しまして、靴の製造業が多い兵庫県・長田という地で、父の代から、1959年に子供靴を始め、その後婦人靴へと転向しました。昭和の時代には主に合成皮革の靴を製造していたのですが、30年くらい前から合皮の靴の需要が少なくなってきて、革靴を取り扱うようになりました。
私がこの会社に入ったのは、そうした革靴に切り替わる時期で、販売先もどんどん変わっていくような状況でした。なかなかメインになる商材が開発できない中、会社の基本となるようなものを開発する必要がありました。
いろいろ試行錯誤する中で「インコルジェ」という商品の開発に至って、その販売をどうやって伸ばしていこうか、今もなお考えている最中です。

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「履き倒れ」ともいわれる靴の街・神戸。
その長田の工場にて、職人さんたちが製造を行なっている。

―転機はドイツへ行かれたことだったとか。そのきっかけは?

松井 うちはもともと問屋さんに卸していましたから、発注元に作ってくれと言われた靴を作ってみたり、あるシーズンはパンプスばかりだったり、あるシーズンはスニーカーだったりと、落ち着かない会社でした。これはちょっと違うんじゃないか?と思い始めていました。

そんなとき、神戸の大丸デパートに見慣れないブランドが入っていまして、販売員の方と話してみたら、「これはドイツのブランドなんです」と。それで履かせてもらったら、「なんだこれは?」というくらい、今までにない感触だったんです。聞けば、ドイツは医療靴が発達していて、立体的な装備で足裏を支えることにより足の問題を解決する、という考え方があると知りました。

それでこれを開発してみたいと思っていたら、偶然、ドイツで研修があるという広告が目に入ってきたんです。すぐに靴屋の友人を誘って、ドイツへ向かいました。3週間くらいの研修でしたが、毎日ずっと講習を受けて実技もありました。
とはいえ、3週間で私が専門家になるわけではないので、戻ってから職人さんとドイツの靴を見ながら研究を始めました。

―それが「インコルジェ」の始まりですか?

松井 そうですね。ただ、ドイツの靴は履いた瞬間の感触はびっくりするようなものがあったのですが、日本の市場を知っている私からすると、デザインはちょっと違うかな?という感じがありました。いかにも足に問題がある方向けといったデザインだったり、履いた感じも硬すぎる気がしていました。日本の方は、もっとソフトな、フィットする感じを好まれるかな、と。

それで、ドイツ式の医療靴のノウハウと、日本の私たちの感性をミックスしたら、ひょっとしたらいいものができるんじゃないかと考えるようになりました。

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「インコルジェ」の定番靴。バレエシューズなど、
女性らしくおしゃれなデザインと履き心地の両立を目指している。

―出来上がってみて、自信はありましたか?

松井 いえ、それまでも散々やって失敗していたので、またこれもダメかな?なんて思っていました。今までとは違いすぎて、既存の取引先は買ってくれないだろうな、とも思いましたね。それでやっぱり靴問屋さんはどこも扱ってくれなかったんです。

ただ、通販の「千趣会」の担当者さんが「面白いね」と言ってくださって、テスト的に販売することになりました。ところが、これがまた全然売れなかったんです。

―最初は売れなかったのですか?

松井 そうなんです。だから、これもやっぱりダメか、と思っていたんです。それが1年くらい経って、「千趣会」の冊子に「リクエストコーナー」というのがあるんですが、そこに、うちの靴を「どうしても再販してほしい」とリクエストをくれた人がいたんです。「私はもうこんなに履き倒してボロボロになった」って、うちの靴を横に置いた写真も一緒に投稿されていて。「この靴がなかったらどうしよう」とか、ものすごく褒めてくださっていました。それで、リバイバルしたいということになりまして。その時に大爆発しました。
それからは、実績も評価もあるということで、問屋さんのお客さんも増えてきて、だんだん膨らんできたというのが今ですね。

―口コミからの大ヒットですね。そんな「インコルジェ」の特徴は?

松井 一番ほかの靴と違うところは、足の裏の当たる面ですね。一般的に多いのは足裏を支える面が平面なんです。だから足の出っ張ったところに圧がかかる。だいたい親指の付け根とかかとの部分と土踏まずのところは浮いてしまいます。うちの場合は、足の凸凹に合わせた状態で足裏全体を支えるから、どこかに偏らないんです。

そして、その仕掛けの上に、より足にフィットして欲しいので、低反発のスポンジを入れています。足の形状は人によって違うので、足になじむようにするためのクッション材です。そのスポンジも、低反発の「イワモト2000」というものを使っていて、最初はふわふわでもどんどんダメになるものもあるけど、あまりへたらないというか、弾力が復活するようなものになっています。

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ドイツで学んだ人間工学に基づき、独自に開発した足にやさしいフットベッド。
ソフトウレタンソールが着地時の衝撃を吸収。
足・膝・腰などにかかる負担を軽減してくれる。

―でも、履き心地って伝えるのが難しいですよね?

松井 それが、うちは営業をほとんどしていないくらいで。お客さんがお客さんを呼んできてくれることが多いんですね。実店舗も運営しているのですが、うちの商品がいいと思ってくださった方は、次に来るときお友達を連れてきてくれるんです。名古屋から自分の友達を連れてくるから、「社長、代官山のお店にいてね」とかおっしゃられたり。そんなことまでして、その人たちが宣伝してくれているんです。

―直営店もお持ちなのですね?

松井 今までは、卸問屋に大量に納めたものがお店に卸されて、その後はこちらは知らない、という商売だったのですが、インターネットの環境がどんどん進んで、自社サイトでの直販ができるようになりました。登録者も増えてきて、「実際どこ行ったら商品を見られるんですか?」という問い合わせが多くなり、最初は神戸、それから東京の代官山に実店舗を持ちました。

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神戸元町店(上)と東京・代官山店(下)。
お店では直接お客さんと触れ合える。
「うちの下駄箱にはインコルジェが7足入ってるのよ」といった嬉しいお声をいただくことも。

―履き心地が本当にいいのですが、そういった商品をインターネットで販売するのは難しくないですか?

松井 私も固定概念があって、どうやって靴をネットで売るの?と最初は思っていましたが、うちの場合は、リピート率がとても高いんです。確かに最初の購入ハードルは高いのですが、この靴が自分の足に合うと分かった瞬間からは、リピーターになっていただけるんです。むしろ、お店に来なくても購入できるから便利ですよね。

―ちなみに返品はできますか?

松井 できます。公式オンラインショップでは返品、交換の送料は1回無料にしています。それがないと結構不安ですよね、靴は特に。

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筆者も、自宅にて試し履きしてみた。
バレエシューズは歩きづらいものもあるが、「インコルジェ」は
フィットして脱げてしまう感じがなく、軽くてスニーカーのような履き心地。

―お客様はどんな方が多いでしょうか?また、どんな商品が人気ですか?

松井 直販のデータで見ると、50代の方が一番多いですね。50代、60代、40代といった順です。デザインによっては若い方も購入されますが、数量的には圧倒的にアラフィフの方にご購入いただいています。
デザインで人気なのは、スリッポンのタイプで、間にシャーリングを入れて革をたわませたものです。足裏の構造は一緒なんですが、シャーリングの靴って、その人の甲に合わせて折りが柔軟に伸びてくれたりするんですね。そのフィット感が好まれているようです。
また、少し厚底の、前が30ミリ後ろが50ミリくらいのソールが人気です。

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シャーリングの入ったデザインは、おしゃれなだけでなく、フィット感も好評。

―年齢を重ねて足が疲れがちでも、おしゃれな靴を履きたいですよね。

松井 そう思います。記録では70歳以上の枠になってしまうけど、実際は90歳以上の方にもご購入いただいています。医療用の靴ではないので限界はありますが、歩きやすいとおっしゃっていただくと嬉しくなります。
私も、朝、パッと靴紐を締めたら気持ちが前向きになるというか、靴ってそういう力があると思うんですよね。

―今後の展望を教えてください。

松井 直接販売が今、全売上の2割くらいまで占めるようになりましたが、これを伸ばしていきたいです。直販は大変なことも多いのですが、直接お客様の声を聴けるので従業員の意欲が高まりますし、メーカーとしては中間のコストカットができるので商品の品質を追及できます。それに生産数を自社でコントロールできるんです。それが少量生産で足にやさしい靴を造ることにつながると考えています。
そうして従業員の負担を減らしていき、ゆくゆくは週休3日の会社にしたい。「プラン2025」と呼んで、2025年までに実現したいと考えています。

―会社もお客様もハッピーになれる好循環が生まれそうです。元気になれるお話をありがとうございました!

ぽってりカワイイぽてかわバレエシューズ

「ぽってりカワイイぽてかわバレエシューズ☆本革☆日本製☆No.8518」
価格:¥8,800(税込)
店名:インコルジェ公式オンラインショップ
電話:078-641-1117(平日10:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.incholje.shop/shopdetail/000000000232/
オンラインショップ:https://www.incholje.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
松井純一(株式会社シャープ 代表取締役社長)

1965年兵庫県神戸市生まれ。大学卒業後教職に就き、1988年に父が経営する株式会社シャープに入社。2002年代表取締役に就任。ドイツでの研修を経てオリジナルフットベッドを開発し靴業界では難しいとされたネット販売を自社ブランドで2008年から手掛ける。

<文・撮影/尾崎真佐子 MC/隅倉さくら 画像協力/シャープ>

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