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キャンプやBBQに最適!タオルの埃から生まれたカラフルな着火剤「今治のホコリ」

2023/11/02

今回、編集長・アッキーが出合ったのは、タオルの産地である愛媛県・今治で創業以来約70年にわたり染色を手掛けてきた西染工株式会社。タオルを染色する工程で発生する“埃”を着火剤として活用したサスティナブルな商品を販売する会社です。環境問題への取り組みに力を入れる代表取締役の山本敏明氏に、これまでの歩みや商品誕生秘話を伺ってきました。

西染工株式会社 代表取締役の山本敏明氏
西染工株式会社 代表取締役の山本敏明氏

―御社の歴史をお聞かせください。

山本 創業は1954年、1968年に株式会社を設立しました。以来、タオルを中心に、糸を染めたり製品を染めたり、繊維製品全般の染色加工を手掛けてきました。

―「染まるものは何でも染めてみる」をモットーにされているとか。

山本 そうですね。お客さまが喜んでくださるのなら、試行錯誤の手間暇を厭いません。営業担当者にはお客さまからの依頼はどんなに難しいものであっても断るな、と言っています。まずは社内に持ち帰ってきてみんなで考え、それでもやっぱりダメならお断りする。可能性が少しでもあるのなら、失敗しても大丈夫ですか、と尋ねた上で引き受るのが弊社の方針です。

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瀬戸内の自然がおりなす色彩を表現した
オリジナルのアウトドアブランド「THE MAGIC HOUR」では、
今治タオルの製織技術から生まれた自社製品を展開。

―環境問題への取り組みも大きく評価されていますね。

山本 環境にやさしい企業を目指し、社員一同で環境問題に取り組んでいます。もともと省エネというか、”いかに少ない材料で良いものを作っていくか”という姿勢を創業当時から受け継いでおりまして、2005年には環境への負荷削減を重要テーマと考え、社内に省エネ委員会を設置しました。
その取り組みの一例が重油から天然ガスボイラーへの転換です。これによりCO2排出量を38%削減。そういった取り組みを進めていくなかで、これまで省エネ大賞の受賞や、愛媛県資源循環優良環境モデルの認定、J-クレジット(温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度)の認証をいただくことができました。お客さまからのアプローチを受け、原産地から最終製品までオーガニック栽培された素材であることを証明するOCS認証も取得しています。

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タオルから生じる埃が着火剤として生まれ変わった「今治のホコリ」。
ユニークなアイデアとカラフルな見た目で多くの人気を集めている。

―染色加工のほか、自社商品の開発も手掛けているのですね。

山本 長年、委託加工業をやってきましたが、お客さまからお預かりした製品を染めてお返しするだけでは今後の経営は難しいのではないかという思いもあり、従来の体制から一歩脱却したモノづくりに取り組むようになりました。アウトドア製品を展開する自社ブランド「THE MAGIC HOUR」もそのうちのひとつです。

―THE MAGIC HOURの商品「今治のホコリ」は、省エネ委員会から誕生したのだとか。

山本 染色後のタオルを乾燥させる際、フィルターに埃が付着するのですが、その量は1日で240リットルにものぼります。サスティナブルの観点から廃棄物を減少させることを目標にするなかで、この埃に着目。キャンプ好きの社員が「着火剤に転用できるのでは」と発案したことがきっかけで生まれた商品です。

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燃焼時間は10gで約4~5分。
わずかな火花であっという間に着火する。

―商品のパッケージも、社内にあった素材を活用されているそうですね。

山本 もともとはこのボトルに自社商品のタオルを詰めて販売していたのですが、売れ残ってしまっていて。それを「今治のホコリ」のパッケージとして活用しています。そういった点においてもサスティナブルな商品だと言えます。ただ、プラスチック製の容器だということで「環境に優しくないのではないか」というご意見をいただくこともありますので、そこが今後の課題だと考えています。

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着火の際のにおいも少なくストレスフリー。
灰など、燃えたあとの残骸が残らないのもメリットのひとつ。

―ボトルに詰めるのは手作業なのですか?

山本 そうですね、すべて人の手で行っています。タオルを染色したあと1ロットずつ乾燥機にかけているので、赤いタオルなら埃も赤色、白いタオルなら埃も白色と、綺麗に色の層ができた埃が取れるのですが、その埃をフィルターから剝がして、さらに手で小さく割いてボトルに詰めていきます。あくまでタオルの染色加工から得られる副産物なので、色の組み合わせはランダムです。そのときどきで異なる色味を、いかに見栄えよく詰めていくかを考えながら人の手でパッケージングしています。

―お客さまの反応はいかがでしたか?

山本 「捨てるものを売るのか」という意見もいただきましたね。埃と言うと、どうしてもイメージが悪いじゃないですか。そういった批判の声が上がることは覚悟していたんです。取り組みとして面白いと思う反面、ダメージにもなるのではないかとは思っていて。でもこの埃は、密閉された乾燥機のなかで舞う綿埃を吸着したものなので、余分なゴミは含まれていません。約90℃という高温にさらされていますし、ボトルに詰めるときは手袋をして油分や水分が付着しないようにしています。そういったところをお客さまにお伝えして、理解してもらうことが大事だと思っています。

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ボトルの再利用ができるよう、詰め替え用レフィルも販売。
地元では埃を詰める体験イベントも開催している。

―今後の展望についてお聞かせください。

山本 「THE MAGIC HOUR」でも色々な商品を企画していますが、今後は別の分野にも挑戦したいと思っています。たとえば、介護用品とか。生産量は少なくても、必要としている人がいる。そんな製品を作っていきたいと考えています。

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今治のホコリ【着火剤】

「今治のホコリ【着火剤】」(約40g)
価格:¥660(税込)
店名:Nishisenkoh Shop
電話:0898-22-2588(9:00~17:00 土日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.nishisenkoh.com/?pid=166133350
オンラインショップ:https://shop.nishisenkoh.com/
直営店:nishi 渋谷店https://nishisenkoh.com/nishi/
峠店にっし~☆https://nishisenkoh.com/nisshi/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
山本敏明(西染工株式会社 代表取締役)

1961年生まれ。1984年、近畿大学商経学部卒業後に西染工株式会社へ入社。1988年の常務取締役就任を経て、2001年に代表取締役就任。2022年より今治商工会議所副会頭を務める。これまでに省エネ大賞(人材部門)、愛媛県政発足記念日知事表彰を受賞。

<文/野村枝里奈 MC/木村彩織 画像協力/西染工>

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