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身近な暮らしの雑貨こそ、自分で選んで長く愛用。カームの国産ワッフルバスマットとリネンハンカチ

2023/12/19

暮らしの中の小さなもの、例えばタオルやふきんなど、なんとなく選んでいませんか?でも、身近にいつも触れるものをおざなりにしていると、知らないうちにストレスになってしまうことも。普段使うものほど自分で選んで納得して使ってほしい、そんなふうに考えている会社があることを、編集長アッキーが知り、編集部がお話を聞いてきました。

カーム株式会社 代表取締役の橘 一夫氏
カーム株式会社 代表取締役の橘 一夫氏

―創業社長でいらっしゃるとお伺いしました。創業のきっかけを教えてください。

 元々学生時代から、仕事を通して自分の想いを伝えたいという気持ちが強かったんです。1979年に同志社大学を卒業後、寝具関係の会社に入社して10年勤めましたが、いつか自分で会社をやろうとは考えていました。
寝具というのは基本的にはギフトです。タオルなどを見栄え良く箱に入れて3,000円だったり5,000円だったりというような値付けがされているものですね。ぱっと見が良ければそれでいい、というようなところもありました。
そうではなくて、裸の商品を手に取っていただいて、納得して長く使っていただきたい。そういう気持ちがどんどん湧いてきてしまったので、独立しました。1989年に創業して、35年目になります。

―商品へのこだわりとしては、どんなことがあげられますでしょうか?

 まずは国産だということです。
実は、海外での生産も試したことはありました。海外であればもっとロットも多く生産できますし、多くの方に私たちの思いを伝えることができます。それでもやっぱり、どうしても納得のいくものができなかった。日本人ならではの微妙なディテールにこだわるといういうことがうまくいかなかったんです。
例えば、黄色と言っても明るい色から茶色に近い濃い色までありますよね。そのニュアンスが伝わらず、黄色は黄色でしょ、となってしまう。もちろん、言葉の壁もありました。
ですから、最初に日本製ありきで始まったのではなく、私たちの思ったものを作ろうとしたら、必然的に日本製になってしまったということがあります。
国産だと数には限界があるので、もっと大量に生産して会社も大きくしては?と言われるのですが、小さい会社だからこそできることもあると思っています。

―まずヒットしたのがトイレファブリックのシリーズでしょうか?

 キッチンとかトイレって、家の中でもおざなりになりがちな場所ではないですか?でも、お客さんが来て、お風呂に入っていく人はいないけど、「ちょっとトイレを貸してください」ってことはありますよね?それで、一番飾られていないけれど飾りたいところということで、トイレに目をつけました。
今でこそ、トイレファブリックを揃えるのは主流になりましたけど、発売当時はまだまだそういった習慣も根付いていませんでした。少し前はそれこそ和式のトイレが多かったわけですし。タオルなどと合わせて、トイレをトータルコーディネートする提案をしたのは割と早かったので、生活者の方に振り向いてもらえたのかなと思います。

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1997年、タオルとコーディネートできる
トイレファブリック「ウィンドウ」がヒット。

―使い捨てではなく、長く使えるというのも、ある意味画期的な商品ですね。

 そこも日本人的なのかもしれないと思いますが、清潔好きだったり、ものを大切にする文化がありますよね。
弊社の商品は使い捨てではなく、洗って何度も使い続けられる耐久性があります。5年でダメになる方が商売としては効率は良いのかもしれませんが(笑)、あまり拝金主義には傾きたくはないです。
ユーザーの方にとっては、数がないので手に入りにくいし、お値段との見合いの判断も必要になってしまうかもしれません。それでもやっぱり、出発点は自分の気持ち、会社の気持ち、大事にしたいことを伝えたいということがあります。

―ご紹介いただいたリネンのハンカチについて教えてください。

 この企画も担当者の「想い」から始まっています。
リネンは、ヨーロッパでは、親子で伝える嫁入り道具だと言われていて、人から人へと受け継がれるものです。最初にリネンに出会った時、人々の暮らしにいつも寄り添い、共に年を重ねていくような絵が頭に浮かびました。
実際にその特性に触れ、このリネンの魅力をどう伝えようかと考えた時に、日々に気軽に取り入れられるアイテムとしてハンカチを作ることにしました。それが、「JOUR(フランス語で日という意味)リネンシリーズ」です。
ハンカチの企画を進めていく上で、やはりリネンの素材感をたっぷり感じていただきたい、特にハンカチは直接肌に触れるものなので、リネン100%にこだわり、デザインもシンプルなものにしたいと考えました。
リネンの気品溢れる風合いにマッチするような、シック、エレガントな印象での展開を考え、最初にできたのが黒の縁取りのデザインです。

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フランス製の糸を使って日本で製織。
シンプルな中に気品を感じるデザインと、丈夫かつ柔らかな風合いが魅力。
刺繍の意味はフランス語で”comme d’habitude=いつものように”。

 刺繍の言葉、フォルムにもこだわりました。刺繍は一筆書き風に、柔らかくどこかアンティーク調な雰囲気のあるものをデザイナーさんに実際に描いていただきました。こちらの刺繍はレース職人によるもので、点の大きさなど、熟練の職人だからこそできる技です。「いつものように」「自分らしく」という言葉に、メッセージを込めました。

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カラーハンカチに施された刺繍の意味は、”comme je suis=自分らしく”。
手にするたびに自分を労わる気持ちになれそう。

―ハンカチ以外の使い方もできそうですね?

 最初はハンカチはハンカチとしての展開で考えておりましたが、リネンという繊維が抗菌・防臭作用を持ち合わせていることも知り、テーブルコーディネートの提案も始めています。日々のお食事のシーンをほんのちょっぴり豊かにしてくれる彩りになるのではないかと思っています。
他にも、お弁当包みや、スカーフのようなおしゃれアイテムとしてなど、様々なシーンで使いたくなるハンカチとして提案させていただいております。

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しっかりとした織の丈夫なリネンなので、
ナプキンやキッチンクロスとしても快適に使える。

―ロングセラーのバスマットについても教えてください。

 こちらは2011年の発売以来、37万枚以上売り上げているヒット商品です。月2,500枚しか生産できないのですが、どうしても海外ではできなかった製品です。
吸水性・速乾性が良いことはすぐに感じていただけると思うのですが、これは優れた糸を作るところから始まります。そこから、収縮する糸と縮まない糸をブレンドして大きな布にし、蒸気で圧力をかけることでワッフル状の組織を作ります。ブレンドの方法など、簡単な技術ではありません。何度も割合を試してようやく出来上がった生地です。
シンプルな構造なのですが、なかなかここまで計算するのは難しくて、大阪弁で言うと、「邪魔くさくて」誰もやらないようなことをやっています。
さらに、糸自体に抗菌・防臭機能を施していますから、日本の高温多湿の季節や梅雨の時期も清潔に乗り切れるものになっていると思います。生活していく上でストレスがないって大事なことだと思います。ストレスの軽減は私たちのテーマでもあります。

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大きな布を蒸気でここまで縮ませることで吸収性の高いバスマットができる。
吸水の原理は、「毛細管現象」という自然な作用による。
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しっかり立ち上がったワッフル生地なので、足がベタッと沈み込まず、軽い感触が心地よい。
お風呂に続けて入っても、マットが濡れている不快感はなし。
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お菓子のワッフルと同じくらいの立ち上がりがあるふかふかの生地。
一度使うと手放せなくなりそう。リピーターが多いのも納得。

―そのほかにも人気商品はありますか?

 キッズ向けの「ずかんタオル」は催事などですぐになくなってしまうほど人気です。可愛くて勉強にもなる商品です。千代紙タオルシリーズのご当地シリーズも、お返しギフトなどとして人気です。

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見て、拭いて、学ぶ。知育系タオル。
親子、祖父母とのコミュニケーションツールにもなり、プレゼントとしても好評。

―今後の展望をお聞かせください。

 自分たちが使いたいと思うものを作らないと意味がありませんので、無理やり押し付けることに対しては常に警戒しています。「良ければどうぞ」という感覚はいつもあります。
やっぱり息の長い商品を作り続ける、ということです。どうしてもコストはいろいろと上がっていったりしますけれども、価格よりも長く使っていただいて、耐久性がきちっとあるものにしたい。数に限りはあるけれど、できる範囲内で供給していきたいと思っています。

―素敵なお話をありがとうございました。

瞬乾ワッフルバスマット【calmland】

「瞬乾ワッフルバスマット【calmland】」
価格:Sサイズ ¥2,310(税込)、Mサイズ ¥3,410(税込)
店名:sanbyoshi shop
電話:06-6233-6030(10:00~17:00 土日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.sanbyoshi.shop/shopdetail/000000000085/ct28/page1/order/
オンラインショップ:https://www.sanbyoshi.shop/

JOUR リネンハンカチ【TRIABEAT】

「JOUR リネンハンカチ【TRIABEAT】」
価格:¥1,430(税込)
店名:sanbyoshi shop
電話:06-6233-6030(10:00~17:00 土日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.sanbyoshi.shop/shopdetail/000000000280/ct18/page1/order/
オンラインショップ:https://www.sanbyoshi.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
橘 一夫(カーム株式会社 代表取締役)

1956年大阪府生まれ。1979年同志社大学卒業。約10年間、繊維関連の会社に勤務。1989年5月にカーム株式会社を設立。同年12月に独立。ギフト箱入りの商品ではなく、手に触れ、納得して購入・使用してもらえる”ものづくり”を目指してきた。(99%国産)

<文・撮影/尾崎真佐子 MC/橋本小波 画像協力/カーム>

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