今回、編集長アッキーが気になったのは、遮光日傘や遮光帽子などを販売する兵庫・芦屋の「Rose Blanc」。株式会社Rose Blanc 代表取締役の岡千秋氏に商品の人気の秘密を材陣がうかがいました。

株式会社Rose Blanc 代表取締役の岡千秋氏

―創業のきっかけを教えてください。

岡　私は大学卒業後、証券会社に入社し、その後、経営者であった父親に頼まれ彼の会社に手伝い半分で入社いたしましたが、数年後業界不況により会社は廃業を選ぶことに。再び勤めに出るよりはと起業することを考え、突然自分の中に降りてきたのがこの日傘の事業だったのです。昔から何でもタイミングで引き寄せるところがあるので「これだ！」と思えました。

私はまだ20代では日傘をさす人が少なかった頃から日傘を愛用していました。当時は遮光に特化した日傘があまりなかったのですが、今から17年前に1社だけそういった機能を持つ日傘を作っていることを知りました。日傘好きな私はこの機能性をプラスすることで女性を輝かせる商品が作れると確信したのです。
一方、機能性が優れてる製品はそれに満足をしてしまって、女性の心に届かないデザインになっていることも多々あります。種類が少ない、デザインも少ない、色展開も少ないと女性はときめきません。私はこの素晴らしい機能性に、女性がわくわくするファッション性を加え、女性を紫外線から守ってあげられる安心感のある商品を作ろうと思いました。
日本の精密な生地を使い、中国で組み立てる生産システムで、生産効率を高めています。品質を保ちながらも、スピード感を出し、お客様のニーズに合う数を生産できる体制を整えました。

紫外線からお肌を守ってくれ、木陰のような涼しさを体感。

―店舗展開ではなくネット販売を中心にされた理由を教えてください。

岡　設立は2010年ですが、自社ブランドを直接消費者へ届けるDtoCのネット販売はまだ少ない状況でした。弊社は楽天市場からスタートしましたが、消費者が直接商品を探せるので、ECはこれから益々絶対に伸びていくという勘があり、ネット販売に特化したのです。日傘は季節商品ですので、お店を出すと秋冬は閑散期になってしまいます。そのため、まずはECで知名度を上げ、店舗を出すならばそのあとというビジネスモデルを考えました。

―起業されてからご苦労はありましたか。

岡　まだ知名度がないのに、秋冬用に体を温める商品を作ったことがあるのですが、ほとんど売れませんでした。

遮光日傘としては注目され、どんどん売り上げが上がってきたのですが、アイテムの異なる商品を買ってもらえるところまでのファン作りは最初の3年間はできていなかったのです。ブランディングがまだ完成していないことを痛感しました。

雨の日でも使える晴雨兼用。

―ブランディングとして差別化してきたところを教えてください。

岡　芦屋ブランドとして、そのイメージの色やデザインは意識して作ってきました。100％完全遮光という機能性にファッション性をプラスして、機能性だけに偏らないことで、だんだん注目をいただけるようになりました。

3年目にTBSの「はなまるマーケット」というテレビ番組で取り上げていただき、遮光100％であることをチェッカーで証明して、ワーッと知名度が広がりました。そこからコツコツと皆さんの口コミが増えて、現在に至るという状況です。

また、日光過敏症の方も結構いらっしゃいます。かぶれたり、発疹が出たりするほか、中には本当に命に関わるような重病の方もいらっしゃいます。販売を重ねていく中で、そういう方が「非常にいい商品に出会った」「人生が変わった」と嬉しいお声をくださるようになりました。そこをもう少し掘り下げたいと思ったので、ご購入いただく際、備考欄に「こんな商品を作ってほしいなど、いろんなお声をお聞かせください」と呼びかけました。するとたくさんの返信をいただき、日光過敏症の方のもとへお伺いし、実際にお会いしてお話をうかがうこともできました。お部屋の中も黒いカーテンで遮光されていて、日常生活でのご苦労に胸が詰まりました。弊社の商品を見つけたときに、機能性もさることながら、かわいいデザインに心が上がるとおっしゃっていただきました。

遮光によるUVカットは美容感覚で女性に受け入れられた思っていましたが、困っておられる方に役立っていることを知り、そういった方に寄り添っていくこと、もっと努力していかなければならないというきっかけをいただきました。

人気のベージュにこだわり、カラーバリエーションが豊富。

―商品のこだわりをお聞かせください。

岡　手を抜くことなく、毎年毎年、改良を重ねています。10年間使っていただいたという方もいらっしゃいますが、耐久性のある骨組みや素材を研究し、軽量化の努力もしてきました。

持ち手の素材に竹を使っているのは、昔ながらの日傘の上品な趣を残したいと考えたからです。一度、アクリル製の持ち手を作ってみたことがあるのですが「雨傘みたい」と言われました。雨傘と差別化するためにも竹を使ったほうがいいと思い、中国で最番高級な竹を入手して使っております。

私が尊敬する稲盛和夫さんの教えの中に「見えてくるまで考え抜く」というお考えがあります。自分たちの耳に痛い言葉であっても受け止めて、改良できることは突き詰めて作ってきました。そんな姿勢が商品を通してお客様に伝わると考えています。外側の美しさだけでなく、心の豊かさ、感謝や思いやりが磨かれていくような、そんな商品であってほしいという思いも込めています。

日傘というと折りたたみが売れ筋ですが、道具としてではなく、かわいいバッグを持つように、ファッションとして楽しんでいただきたいという思いがあり、長いタイプを中心に作ってきました。

最高級の竹を使用した手元。

―今後のご展望をお聞かせください。

岡　2017年にリアル店舗をオープンし、実際に手にとって商品をご覧いただけるようになりました。国内はもとより海外からもお客様にお越しいただいております。伊勢丹新宿本店さん、松屋銀座さん、名古屋高島屋さんなど大手百貨店の催事にもお声をかけていただき、大盛況でした。お客様と直接お会いしてお話をさせていただくのはとても有益であり楽しいです。ネット販売も重要なツールですが今後はより催事の機会を増やし、お客様と触れ合い直接お手に取っていただくことも考えています。

また、弊社が最初に販売したバイカラーやフリルの日傘など、他店に真似をされることも増えたので、違うものを発売していく努力も必要です。最近は男性も日傘をさすことが増えており、男性向け商品の開発も強化して参ります。

お客様にもっともっと寄り添って商品を開発し、皆さんが幸せな生活を送っていただけるとともに、弊社も愛していただきたいなと思っています。現在、カラー別では約350種類ありますが、来年にはまた200種類ほど増える予定ですので楽しみしていいただければと思います。

傘職人による修理対応も可能。

――貴重なお話をありがとうございました。

「日傘 完全遮光 100％」
（ショートサイズ コンビ 50cm）
価格：¥13,860（税込）
店名：Rose Blanc
お問い合わせ：メール対応のみ
customer@roseblanc.co.jp
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.ashiya-roseblanc.com/c/0000000256/0000000257/2cb
オンラインショップ：https://www.ashiya-roseblanc.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
岡千秋（株式会社Rose Blanc 代表取締役）

兵庫県芦屋市出身。1988年に野村證券株式会社入社。2010年に株式会社Rose Blancを創業。

＜文／垣内栄　MC／高橋美羽　画像協力／Rose Blanc＞