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オリジナル起毛素材「もちはだ」を使った商品で世界から寒いをなくしたい!

2024/02/07

寒い季節はもちろん、1年中体を冷やさないのは健康の要です。今回、編集長のアッキーが気になったのは、数々の起毛素材のアイテムを生み出しているワシオ株式会社。就任したばかりの代表取締役社長の鷲尾岳氏に、スタッフがお話を伺いました。

ワシオ株式会社 代表取締役社長の鷲尾岳氏
ワシオ株式会社 代表取締役社長の鷲尾岳氏

―2024年1月に新社長に就任されました。おめでとうございます。

鷲尾 ありがとうございます。1955年に祖父が立ち上げて父が継承し、私が3代目になります。弊社は、「世界中から寒いをなくしたい」をコンセプトに、オリジナルな起毛素材「もちはだ」を使った、靴下やインナーを中心に衣料品を作っています。
会社がある兵庫県加古川市は、靴下の産地です。創業した頃は、兼業農家の方が農業の合間に靴下を作り、それを祖父が集めて販売するという問屋のような仕事をしていました。
靴下を作っていた方々の中に、画期的な編み機を使っていた方がいたので、協力して、オリジナル商品を生み出しました。それが、現在でも弊社の看板商品である起毛素材「もちはだ」のシリーズです。1970年に、「もちはだ」のタイツを売り出し、よく売れたそうです。

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「もちはだ」の人気商品の靴下。ふかふかの毛布を履いているような暖かさが特徴です。

―「もちはだ」は、オリジナルの起毛素材ですね。普通の起毛素材とはどんな違いがありますか?

鷲尾 一般的な起毛素材は、起毛機を使って生地の糸を切って起毛させます。一方で、「もちはだ」は、編み機を使って、編む、起毛する、を同時に行います。生地の糸を切らずに起毛させるので、生地の内側と外側に空気が溜まります。外気を遮断し、体温を外に逃さないので高い保温性を維持できるのです。よく、魔法瓶のような素材だとお伝えしています。

祖父がこの素材を開発し、特許を取りました。実は、現在特許はもう切れているんです。でも、弊社で使っている編み機を再現することは難しく、部品も流通していません。だから、「もちはだ」は唯一無二の起毛素材になります。

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一般的な起毛生地。生地(タオルのようにループ状に編まれている)を切って
起毛させるので、ループが破壊され暖かさが保たれません。
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「もちはだ」は、生地のループを破壊せずに起毛させるので、
ループの内側とループの外側(イラスト上部。起毛部分)の両方に空気を溜め込み、
抜群の保湿力を持つ生地になります。

弊社では、部品から作り、機械のメンテナンスも行っています。編み機で生地を織る職人と機械をメンテナンスする職人は、同じ人です。溶接の作業もするので、アパレルの工場らしくない雰囲気ですね(笑)。

―今回ご紹介する「もちはだ アンクレット」は、どんな商品でしょうか?

鷲尾 起毛素材「もちはだ」の靴下です。「もちはだ」の暖かさを、一番手軽に感じていただきやすい商品だと思います。足が暖かいと体全体が暖まりますので、弊社の商品の中でも、人気の高いものです。
かかとのない筒形で、サイズはフリー。どなたでも履いていただけますので、ギフトに喜ばれます。ご自分で履いて暖かかったから、家族や友人にプレゼントする方が多いですね。

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「もちはだ アンクレット」は丈の短いタイプ。
裏側が起毛していて暖かく、外側はスッキリしたスマートなデザインです。

―フリーサイズは、ギフトにいいですね。

鷲尾 この商品を開発した40年ほど前、起毛素材でかかと部分を作ることが、どうしてもできませんでした。そこで、苦肉の策で踵部分は作らずに筒形にし、縦によく伸びるようにしてフリーサイズにしました。ピンチを克服したら、逆に、それが商品の特徴になりました。
暖かい靴下は誰にでも喜ばれるので、「足が冷えるという母にプレゼントして喜ばれた」「自分の分と、冷え性の夫の分も買いました」など、「もちはだ アンクレット」の輪は広がっています。

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定番の綿靴下の約4倍の厚みがあり、
ふっくら(左はコットン靴下、右は「もちはだ ハイソックス」)。

―今回ご紹介するもう一つの商品「もちはだ ハイソックス」は、冒険家の植村直己さんが南極で履かれていたそうですね。

鷲尾 そうなんです。「もちはだ アンクレット」より長いもので、膝下まで伸びるタイプです。ふくらはぎまでしっかり暖めたい方には、「もちはだ ハイソックス」がおすすめです。

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「もちはだ ハイソックス」は丈が長いタイプ。
ぬいだときに、「すごく暖かかったんだ!」と気づきます。

10年ほど前に、弊社のスタッフが家族と一緒にたまたま兵庫県豊岡市にある「植村直己冒険館」を訪れました。展示品を見ていたら、「うちの『もちはだ ハイソックス』がある」と気がついたのです。
世界的な冒険家である植村直己さんが、極寒の南極大陸を犬ぞり横断したときに使用されていたものとして、展示されていました。確認をしたら、「もちはだ ハイソックス」で間違いありませんでした。数ある商品の中から、植村さんが選んでくれたのです。

それから、「植村直己冒険館」さんとはお付き合いが始まり、コラボ商品のネックウォーマーを販売したりしています。

―南極でも使用されていたんですね!温かさは証明されました。

鷲尾 そうですね。「もちはだ」は暖かいというよりも、“寒くない”を目指しています。冬が嫌いな人、寒さが辛い人に、ぜひ試してほしいです。きっと、世界が変わると思います。
靴下から入り、インナーに、そして、Tシャツやパーカーなどのアウターも着てほしいですね。私自身、自社の商品を着ていますが、ダウンコートは持っていません。「もちはだ」を着ていれば、必要がないんです。

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鷲尾社長が、入社してすぐに商品開発をした「もちはだTOWNラグランT」。
機能的でおしゃれだと、人気商品に。

―今日もパーカーをお召しですが、とても素敵です。元々アパレルにはご興味がありましたか?

鷲尾 父の後を継ぐとは思っていなかったので、大学卒業後は違う仕事をしていました。だから、アパレルにも、家業にも興味はなかったですね。でも、ある時から、父に会社の状況を聞いているうちに、「うちの会社は大変なことになっている」と気がつきました。先にもお話ししましたが、祖父が「もちはだ」のタイツを開発してヒットさせ、その後は父が中国に工場を作って順調に業績を伸ばしていきました。でも、2000年ごろから徐々に社会が変化し、ビジネスモデルが変わってきたのです。

そこで、自分にもできることがあるかもしれないと思って、2016年に入社。1枚で着られるニットTシャツ「もちはだTOWNラグランT」の商品開発をしたり、「Makuake」というサイトでプロジェクトを立ちあげて、クラウドファンディングにも挑戦しました。新しい取り組みが徐々に成果を出し、会社も立ち直りました。そして、2024年1月に、新たな気持ちで社長に就任しました。

―今後のビジョンはありますか?

鷲尾 弊社しか作れない「もちはだ」を、もっとたくさんの人に広めていきたいですね。素材には自信を持っていますので、「『もちはだ』を知らないなんてもったいない。とにかく一度試してほしい」と思っています。

機能性が高いものは、デザインがイマイチというイメージがあると思いますので、そういうことも払拭したいです。機能性が高く、おしゃれなデザインなものを、現在のライフスタイルに合うような商品にして、販売していきたいと思います。

―本日は、貴重なお話をありがとうございました。

もちはだ アンクレット

「もちはだ アンクレット」(フリーサイズ 男女兼用 全10色)
価格:¥2,640(税込)
店名:もちはだ
電話:079-452-0311
定休日:インターネットのご注文は24時間356日受付
商品URL:https://www.mochihada.co.jp/fs/mochihada/ladyssocksboukan/mms-002
オンラインショップ:https://www.mochihada.co.jp

もちはだ ハイソックス

「もちはだ ハイソックス」(フリーサイズ 男女兼用 全10色)
価格:¥3,190(税込)
店名:もちはだ
電話:079-452-0311
定休日:インターネットのご注文は24時間356日受付
商品URL:https://www.mochihada.co.jp/fs/mochihada/mms-001
オンラインショップ:https://www.mochihada.co.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
鷲尾岳(ワシオ株式会社 代表取締役社長)

京都外国語大学卒業。神戸の会社に就職し、2015年まで中国にて酒販事業の立上げに従事。2016年に倒産寸前の家業(ワシオ)に戻り、再生に取り組む。2024年1月にワシオ株式会社の代表取締役社長に就任。

<取材・文・撮影/大橋史子(ペンギン企画室) 画像協力/ワシオ>

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