軽くて温かい羽毛は、寒さをしのぐ強い味方。特に寒い季節には欠かせない素材といえるでしょう。今回、編集長アッキーが注目したのは羽毛製品を作り続けて40年の日本羽毛製造株式会社。創業から「日本製」「自社工場」にこだわる同社の人気商品について、日本羽毛製造株式会社 代表取締役の早野賢治氏に取材陣が伺いました。
羽毛で冷え防止!軽やかに足首を包んで温める「リボンウォーマー」で足元を華やかに
2024/02/22
日本羽毛製造株式会社 代表取締役の早野賢治氏
―家業を継がれていますが、それは使命でしたか?
早野 学生の頃は家の仕事を多少手伝うことはありました。でも、会社を継ごうとは考えていませんでした。私の前職は小学校の教員だったのですが、すごく楽しく過ごしていました。
ところが、教員になり5年ほど経った頃に父が心筋梗塞になってしまいました。「会社を何とかしないと…」というような父の寂しい背中を見せつけられまして、5年をひと区切りと考え「じゃあ、自分がやろう」と小学校を退職しました。
―社長就任時から大切にされていることを教えてください。
早野 私が社長に就任して今期で7期目になりますが、会社を継続させるというか、立ち続けるということですかね。私が社長になってやっと少し方向が見えてきた頃にコロナ禍になってしまい、すごく大変でした。立っているだけで大変というか、日本には100年、200年続いている会社がありますが、続けることはとても大変だと実感しました。もちろん、拡大させたいとか成長したいという思いはありますが、立ち続けることが大切だと今は感じています。
―創業から40周年、御社のこだわりを教えてください。
早野 先代の社長である父のこだわりは、メイド・イン・ジャパン。しかも、目の届く自社工場で製造することでした。それは現在も変わりません。弊社の特徴としては、業務用の羽毛布団を製造していることです。一般家庭向けの羽毛布団を製造している会社は結構ありますが、業務用は全国的にも多くありません。
アパレル製品用の自動裁断機。自社工場内には多数のミシンが並んでいる。
それ以外にも、羽毛を使った商品をどんどん生み出しています。父はアイデアマンだったので、アイデアが浮かんだらすぐ試作してみんなに見せていました。みんなにあれこれ言われながら、ブラッシュアップされて商品になるというのを見てきて面白い仕事だなと思っていたので、私も真似して自分なりのアイデアを形にしています。
―「足首革命リボンウォーマー」が誕生したきっかけは?
早野 足首に巻く簡易的なものは商品として以前から作っていましたが、もっとおしゃれに改良したいと考えていました。弊社のお客様は40代以上の女性が多いのですが、現在商品を置かせていただいている新宿マルイ本館のお客様は20代~30代の女性が多く、若い女性を意識したマルイ向けの商品を開発しなければなりませんでした。
どんな商品にしようかとずっと考えていたのですが、弊社の店長と仕事で車に乗っている時にアイデアが急に降ってきたのです。それをもとに店長の女性といろいろ意見を出し合っていたらどんどん形になって、「帰ったらすぐに作ってみよう!」といった感じでした。
新宿マルイ本館4階のビューティースタンドプラス内にあるJumou(ジュモウ)コーナー。
―既存の足首を温める商品と比較して、どのような違いがありますか?
早野 「足首革命リボンウォーマー」は、温かいだけでなく着けていることで気持ちも上がるような見た目を意識した商品です。家の中で着けていただくことが多いのですが、かわいらしさや色にもこだわり、若い女性にも手に取っていただけるような華やかさを重視しました。
カラフルな色を選んだり、障がい者のアーティストが描いたパラリンアートのテキスタイルを使ったり、いろいろと試しながら作っています。
パッと目を引くカラーとペンギンの絵柄で心弾むパラリンアートのテキスタイル。
―「足首革命リボンウォーマー」は柄やカラーが本当に豊富です!
早野 今まで百貨店で商品を販売することをあまりしてこなかったため、店頭に立ってディスプレイの飾り付けをしていたら楽しくなってしまって(笑)。いろいろ生地を買って、ばんばん作ってしまいました。
弊社は製造会社ですので、反物を短く買って必要な分だけ作るということが可能です。好きなように作れるため、いいと思う柄や色を少量ずつ作っていたらバリエーションが豊富になりました。
―リボンのような形が特徴的ですね。
早野 私自身がネックウォーマーを着けていた時に少し邪魔に感じたので、折って半回転させてみたら首元に隙間ができ、すごく楽になりました。その経験からこれもちょっとねじってみようということになり、ねじった方が足首をスムーズに動かせることが分かったため、この形を採用しました。
着け心地や足首の動かしやすさを意識した結果、リボンのような形に。
―「足首革命リボンウォーマー」は業務用布団と同じ羽毛を使用していますか?
早野 いえ、違います。「足首革命リボンウォーマー」に使用している羽毛はリサイクルの羽毛です。弊社は15年ほど前からリサイクルの羽毛を取り扱うようになりました。ご家庭で使われていた羽毛布団を回収・買取して、中身の羽毛だけをリサイクルしています。
高級な羽毛からお手頃な羽毛まで、さまざまな品質の羽毛を混ぜて綺麗に洗浄して再利用するため、平均的にみると業務用布団の羽毛よりも品質の高い羽毛を用意できています。
「Jumouエシカルうもう」と名付けたリサイクル羽毛は環境にもやさしい。
―自宅で洗濯可能。その際に気をつけることはありますか?
早野 必ず中性洗剤を使ってください。基本的には手洗いを推奨していますが、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗っても大丈夫です。そして、洗い終わったらすぐに乾かしてください。洗い終わって干さないまま乾いてしまうことだけは避けてください。羽毛が固まったまま乾いてしまうと、布の中で塊になってしまいほぐせなくなります。
自宅で洗えるのでお手入れも簡単。長持ちさせたいなら手洗いがおすすめ。
乾かす時は全体をほぐすつもりでまんべんなく軽く叩きます。それを半乾きの時に3回くらい繰り返していただくと、かなりフワッとした仕上がりになります。天日干しでも陰干しでも大丈夫ですが、表面が乾いていても中がまだ湿っていることもあるため、念入りに乾かすことをおすすめします。
―実際に購入された方からの反響を教えてください。
早野 例えば、自分で使ってみて良かったので家族分購入してくださる方やプレゼント用に購入してくださる方なども多く、毎年来てくださるのはとても嬉しいです。
あとは店頭で試着できるのですが、お客様が試着しながらスタッフと少し話をして「やっぱり買わずに帰ります」とリボンウォーマーを外した途端、みなさん「ひゃ~、寒い!」とおっしゃいます。外した時に温かさに気づくそうで、その姿を見るのがすごく楽しい。温かさを実感し、「やっぱり買って帰ります」と言っていただくことが多いです。
着けていることを忘れるほど軽い着け心地と温かさにリピーターも多数。
―最後に、今後のビジョンや展望をお聞かせください。
早野 越境ECも視野に入れ、海外の方に向け羽毛商品を販売するため勉強中です。羽毛はとても優れた素材なので、その良さをもっとたくさんの方に知っていただきたいと考えています。生活の中にもっと羽毛を取り入れていただけるように、弊社の商品でお手伝いできれば嬉しいです。
あとは特に女性に多いのですが、冷えが頭痛などの不調につながっている方も多くいます。私自身もだんだん歳をとって、冷えがすごく辛いことだと実感するようになったので、冷えで辛い思いをしている方をなんとかしたいという気持ちがあります。冷えと戦える羽毛商品を今後もたくさん作っていきたいです。
―本日は貴重なお話、ありがとうございました。
「足首革命リボンウォーマー」(サイズフリー、総丈約36㎝×高さ最大約14㎝、羽毛重量<両足>16~26g)
価格:¥3,300~¥6,490(税込)
店名:「Jumou(ジュモウ)」オンラインショップ
電話:04-2932-5590(10:00~16:00 日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://jumoushop.thebase.in/categories/2979197
オンラインショップ:https://nihonumou.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
早野賢治(日本羽毛製株式会社 代表取締役)
1969年東京都生まれ。2000年に日本羽毛製造株式会社に入社し、2017年に同社代表取締役に就任。羽毛のリサイクル事業に注力し、自社ブランドJumou(ジュモウ)の展開も画策している。
<文/ウツギナオコ MC/伊藤マヤ 画像協力/日本羽毛製造>