今回編集長のアッキーが注目したのはサニタリーショーツと洋服の間に履く「インナーショーツ」。インナーショーツは生理中の経血モレやムレの不安から解放してくれる便利なアイテムです。そのような機能性インナーショーツを開発したアパレルOEM・ODMの「カフカ株式会社」。代表取締役社長の中西栄雄氏にスタッフがお話を伺いました。

―大学卒業後、繊維専門商社に就職されたとお伺いしました。

中西　大学で中国語学科だということもあり、中国に力を入れている繊維の専門商社に就職しました。当時は中国の工場で衣服を生産することがメインになりつつある時代で、まだまだ中国が世界的に注目を集める前のこと、今後伸びていくだろうと言われていた頃でした。

―会社を立ち上げたきっかけは？

中西　当時勤めていた会社が民事再生を行い、大企業の子会社になる出来事がありました。そのまま再生会社に残って数年働いた後にカフカ株式会社を創業。その後も仕事内容は変わらず、変化したことといえば、生産地を中国からフィリピンに移したくらいです。

―創業当初から変わらないことは？

中西　物作りがベースにあることです。物を作る、物作りに手間をかけるということを一つ一つ行って組み立てていくことが、弊社の根本にあるのかなと思います。弊社自体が工場を持っているわけではありませんが、やはり作ることに重点を置くことが重要だと考えています。物を作れなかったら供給もできませんから。

高い防水性・透湿性が魅力の機能性インナーショーツ・Angelite（アンジェライト）。

―機能性インナーショーツ「Angelite（アンジェライト）」の開発のきっかけを教えてください。

中西　アパレル業界に携わっていることもあり、知人よりAngeliteの開発者の方が生産を請け負う企業を探しているというお話がありました。当初は予定通り生産だけを請け負う形で話は進んでいたのですが、開発者の想いや女性向けの画期的なアイテムであることに将来性も感じ、自分達で具体化・商品化させようということになりました。

―インナーショーツに目を向けたのはなぜでしょう。

中西　そのデザイナーの方のお話になるのですが、元々彼女自身が生理中の経血量が多い体質で、サニタリーショーツから経血が漏れてしまうことに悩んでいたそうです。彼女がファッションデザイナーの仕事をしていたあるタイミングで、女性用の機能性商品の開発を任されます。同僚の女性と話しあっていく中で、お客様も自身の悩みと同じように経血漏れの悩みを抱えていることが分かり、生理をキーワードにその悩みやストレスを解決するための商品を開発することになりました。最初は機能性のある生地をスカートなどの洋服に活用していたそうですが、それよりもインナーの方がどの服を着るときにもベースになるアイテムだということで、サニタリーショーツの上に履くインナーショーツを作ることになりました。

―開発時に最もこだわったポイントを教えてください。

中西　生地の結合部分です。段差がない突き合わせの形で結合しています。実は、競泳用の水着と同じ作り方を採用しているのです。競泳用の水着は水の抵抗を極力抑えるために生地を薄くする必要があり、薄くするために生地同士を重ねずに結合しています。こちらのインナーショーツも、生地の面と面をレーザーでピタッとくっつける方法で作っています。

これは、生地と生地の間に隙間が生まれないということで、繋ぎ目からの経血漏れを防ぐという点でも大切なことになりますが、女性が生理中も快適に過ごせるようにデザインするという点では、縫い目が肌にあたり違和感を感じたり、ショーツのラインがパンツに浮き出たりすることもないため、着用した際のストレスがありません。生理の日も普段と変わらずおしゃれをしてほしいというデザイナーの願いを形にしています。このように機能性素材を活用するだけでなくデザインにもこだわっているので、2つを融合させて生産することは難しいポイントでした。

―開発にはかなりの時間がかかったそうですね。

中西　はい、かかりました。生地にこだわって改良を重ねることを繰り返していたので、なんだかんだで3年から4年近くかかっていると思います。

2種類のタイプがあるので、シーンや好みによって使い分け可能。

―レースタイプとボクサータイプの2種類展開ですが、それぞれどんな人に手に取ってほしいですか？

中西　レースタイプは丈が少し長めに作られています。経血が漏れても自分では気付きにくい、就寝時に身につけていただくと安心感があると思います。お腹の部分がレースになっているので、締め付けが苦手な方でも使いやすいのではないでしょうか。ボクサータイプは丈が少し短いので、スポーツをするときやアクティブに活動したいときに動きやすいのが魅力です。デザインも平ゴムを使っているので、上にユニフォームを着ても重ね履きの凹凸が響かない仕様です。

アクティブに動きたいときはボクサータイプ、リラックスタイムを過ごすときにはレースタイプといった形で選んでいただくとよいかと思います。

―10代の女性にも使ってほしいと考えているそうですね。

中西　10代の若い方はまだ生理に慣れていない時期ですし、制服やユニフォームなどの大切な衣服を汚してしまう可能性が高いためインナーショーツの必要性を感じます。ボクサータイプのシンプルなデザインなら、スカート下に履く見せパンとしても活用できますし、いろいろなシーンで身につけていただけるのではないかと思います。サイズ展開もボクサータイプはXS～XLサイズ、レースタイプはS～Mサイズと体形に合わせてお選びいただけますので、小さいサイズはお子さまにも履いていただけます。

―商品の普及に関して、課題に感じている部分があるそうですね。

中西　「Angelite（アンジェライト）」は特許取得商品です。ほかのメーカーが類似の商品を販売できないため、このようなインナーショーツがあるということ自体が消費者に広まりにくいと感じています。なかなか皆さまに周知できていない、認知度がないというのが課題です。特許を取得したデザイナーの方としては、自分の開発した技術を広く使ってほしいと思っていらっしゃるので、これから認知度を高めていきたいです。

おしゃれなパッケージは、大切な方へのギフトにもぴったりです。

―母親が娘にすすめていったり、友人にもすすめたくなる魅力的な商品ですね。

中西　特殊な生地を採用しているため値段は少し高いのですが、そのぶん絶対に経血が漏れないという安心感はあると思います。もちろん、もう少し低価格であれば簡単に購入できるのにというご意見もいただきますが…。

―今後の展望についてお聞かせください。

中西　Angelite（アンジェライト）はまだ始まったばかりのブランドで、今はショーツのみを展開しています。これからユーザーの方にヒアリングをして反応を見ながら改善していく必要があると思いますし、この生地をショーツだけでなくほかにも活用して女性の悩みを解決できる商品を作れたらと思っています。初潮から閉経を迎えるまでの間の長い間、女性の方が使えるものでありたいです。

また、お子さまの生理について、親子の対話がなかなかできていないご家庭もあるのではないかなと感じています。弊社のインナーショーツをきっかけに、親子の対話が深まればいいなという思いもあります。スポーツをしている方にも積極的に使っていただきたいです。

―今回は貴重なお話をありがとうございました！

「Angelite（アンジェライト）| 機能性インナーショーツ【ボクサータイプ】」（XS・S・M・L・XL / ブラック・ベージュ）
価格：¥5,500（税込）
店名：Angelite（アンジェライト）
電話：03-6455-7600（東京支社）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://angelite.jp/products/ag-003
オンラインショップ：https://angelite.jp/

「Angelite（アンジェライト）｜ 機能性インナーショーツ【レースタイプ】」（S・M・L / ブラック・ベージュ）
価格：¥5,500（税込）
店名：Angelite（アンジェライト）
電話：03-6455-7600（東京支社）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://angelite.jp/products/ag-001
オンラインショップ：https://angelite.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
中西栄雄（カフカ株式会社 代表取締役社長）

1971年熊本県生まれ。杏林大学卒業後、繊維専門商社のカキウチ株式会社に入社し、2005年にカフカ株式会社を創業。婦人・子供服の卸売りを行うOEM・ODMメーカーとして歩みながら、近年は新規事業として女性向けの機能性インナーショーツ「Angelite（アンジェライト）」を開発。今後も女性の日常の悩みに寄り添う商品開発を進めていきたいと考えている。

＜文／Kasumi　MC／矢口優衣　画像協力／カフカ＞