今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、デリケートな目元を天然由来成分で守りつつ、自然体の美しさを演出するコスメブランド「AINOKI mebuki」。2023年11月に社長に就任したジャプロ株式会社 代表取締役の若松伴幸氏に、取材陣がお話を伺いました。

ジャプロ株式会社 代表取締役の若松伴幸氏

―まずは会社の概要を教えてください。

若松　もとは私の父が1980年に興した会社です。化学系商社に勤めていた頃に化粧品の貿易に携わったことがきっかけで、インドネシアの化粧品ブランドからアイブロウペンシルのOEM（相手先ブランド製造）を依頼され、つくることになったようです。私は10年前、2014年に入社しました。高専の建設環境工学科を卒業後、インフラに興味を持っていたのでJR西日本に就職し、線路の保守管理部門で予算管理などを担当していました。充実した日々を送っていたのですが、父の会社の後継者がおらず、また、健康面でも心配があって、そばにいた方が良いのではないかと思い、転職することにしました。

―入社後にAINOKIやAINOKI mebukiを立ち上げられた経緯を教えてください。

若松　得意先のインドネシアをはじめ、アジア諸国を視察しました。アジア各国でも女性の社会進出が進み、化粧品も買い求められている雰囲気を感じました。一方で、日本の商品が高額な価格で売られていたり、偽物が出回っていたりし、日本のように良い商品を安く手に入れるのは簡単ではないことを知りました。

弊社はインドネシアのおかげで発展できましたので、インドネシアの役に立てるよう、日本製の良いものを安く提供できる商品づくりに取り組んでみようと、2017年にAINOKIブランドを立ち上げました。日本ほど化粧をすることに慣れている人も多くなかったので、アイブローやアイライナーなどベーシックなアイテムをそろえ、カラー展開も黒やダークブラウンのようなベーシックな色を中心に展開することにしました。

インドネシアだけではなく、中国や台湾、ベトナム、バングラデシュなどでも販売し商談を進めて拡大する方向だったのですが、日本である程度売れている実績があった方が現地でも受け入れられやすいということで、日本国内のバラエティショップ向けにも1,000円前後の価格帯で販売しました。そうこうしているうちにコロナ禍になり、海外での販売はストップ。国内向けも、そもそもアジア向け商品だったこともあり、難しい局面を迎えました。

「AINOKI」の外装は、白を基調にピンクをアクセントにし、
アジア受けを狙ったデザインにした。

―AINOKI mebukiはどのタイミングで立ち上げたのでしょうか。

若松　コロナ禍で思うように活動ができなかったので、日本の国内向けに、ネット販売できるブランドを改めてコンセプトづくりから考え直し、ナチュラルオーガニック系コスメでありながら、年を重ねた大人も使えるカラーコスメをつくろう、ということになりました。2022年4月、「AINOKI mebuki」の誕生です。価格帯は3,000円前後。年齢や性別、肌タイプに捉われず、あらゆる人がメイクを楽しめるコスメにすることをミッションにしました。
コロナ禍でマスク生活が常になっていましたし、当社はもともとアイブロウペンシルから始まった会社ですので、目元にフォーカスし、天然由来成分を91％以上使用した商品で、「アイバーム」という目元の乾燥やくすみをケアできるスティック美容液と、リキッドアイシャドウからスタートしました。

リキッドアイシャドウが、ナチュラルやオーガニック系のコスメやスキンケア商品をそろえたセレクトショップ（実店舗・ウェブショップ）「Biople」で取り扱い販売されたことで、実店舗でのお客様との接点が増え、売上は大きく伸びました。

「AINOKI mebuki」の商品は、合成防腐剤（パラベン）、動物由来原料、
石油系界面活性剤、アルコール、合成香料、タルク、
紫外線吸収剤、カーボンブラック、シリコーンなどが不使用。

―今回取り上げるAINOKI mebukiの「クレンジングミルク」について、教えてください。

若松　ナチュラル系のクレンジングには乳液ミルクタイプが多いのですが、アイメイクなどは落ちにくい。オイル系は目に沁みたり、肌に必要な油分まで取ってしまってつっぱったりしがちです。しっかりメイクを落としつつ、肌に優しいクレンジングって、あるようでないかも！と、商品開発の担当者と話し、開発に乗り出すことにしました。

しかし、天然由来成分を多く使うことと、しっかりメイクを落とすこと、その両者を備え、私たち自身が納得できる商品がなかなかできず、とても苦労しました。結果的に、ミルクタイプでありながら、ポイントメイクアップリムーバーぐらいメイクオフでき、かつ、ミルクタイプの特性である伸びの良さのおかげで、摩擦をおこすことなくマッサージもできるようなオールマイティのクレンジングが完成しました。

ミルクがメイクに馴染むとオイル状に変化し、それをぬるま湯ですすぐと、またミルク状に戻り、洗い流すと汚れはさっぱり落ちている、という流れです。まつエクをしている方もお使いいただけます。私個人的には、メイクのりも良くなりますので、朝の洗顔時に使うことをオススメしています。男性にもお使いいただけます。私も毎朝使っています。

あと、香りにもこだわっていて、天然の精油を使っています。柑橘系の香りを感じたあと、最後は森林浴をしているような森の香りに包まれ、リラックス感を得られると思います。

メイクに馴染ませると乳液がオイルに変化する。
濃いアイメイクには、水分を含ませたコットンに
このクレンジングミルクを2～3プッシュ出し、優しくふき取ると良い。

―お客様の反応はいかがですか？

若松　イベントを開催した際に、お客様の手元でクレンジングをお試しいただくと、きれいに落ちつつもしっとりする効果と香りの良さを実感していただき、ご購入いただくことが多いです。また、イベント期間中にリピートして買いに来てくださる方も。20代から上の年齢の方まで、年代・性別問わずお使いいただいています。

―次に「カラーマスカラ」の特長を教えてください。

若松　「夜霧（よぎり）「茜」「時雨（しぐれ）」「萌葱（もえぎ）」の4色展開でしたが、人気に伴い2024年3月25日に新色の「天藍（てんらん）」「胡桃（くるみ）」の2色の販売もスタートしました。年齢を重ねた大人も使える、ニュアンスカラーを揃えました。「塗ってます！」と主張した印象ではなく、さりげない今風メイクに仕上げることができます。「夜霧」には、少しだけパールを入れていて、黒でありながらもグレーっぽく、きらりと、さりげなく光る演出を施しています。

こちらは天然由来成分を94％以上使用。かつ、ビューラーいらずで上向きまつげをキープしてくれます。年齢を重ねると、ビューラーを使ったときにまつ毛が切れたり抜けてしまったり、目元に負担をかけるとしわができやすくなったり…。目元悩みは尽きません。開発担当者の熱い想いもあり、ビューラーを使わずにカールアップできるマスカラにこだわりました。また、同時発売した下地の「マスカラベース」も併用いただくと、カールアップ効果が倍増。こちらは夜のまつ毛ケアとしてもお使いいただけます。

そのほかの機能としては、ウォータープルーフ処方でありつつも、お湯でメイクオフすることができます。さらに、速乾性がありますので、塗りやすい上に、塗った後はすぐに乾くので重たいまつ毛にならず、カールが落ちてもこないという優れものです。

まつ毛ケアしながら、さりげなく目元を彩ってくれる。

―今後の展開を教えてください。

若松　今回ご紹介した商品以外にも、弊社には目元の美しさにアプローチした商品の数々を展開しています。すべての商品にヴィ―ガン認証を取得しており、目元を癒すハーブ「アイブライトエキス」を配合しています。今後は、ネットでの販売だけではなく、ショッピングモールや百貨店でのポップアップショップを積極的に出していく予定です。

AINOKIもAINOKI mebukiも、開発担当者の熱い想いが詰まっています。かつて、障がい者施設でメイクを施す機会があったそうです。その方がメイクをした自分の姿を鏡で見たとき、表情が一瞬にして明るく笑顔になった、その感動が今でも忘れられない、といいます。

そういった経験から、メイクというのは、何かや誰かに抗い隔てるものではなく、すべての人を幸せにするもの。誰もが使える、笑顔になれるコスメを、ゼロからつくりました。そのためとてもたくさんの人が関わってくださってできたブランドです。製造しかり、SNS運営、デザイン、コンサルティング…。

とにかく、みなさんの想いが詰まったブランドですので、これからも責任を持って、より多くの人に愛されるよう、大切に育てていきたいと思っています。

―すばらしいお話をありがとうございました！

「フォレスト フィール クレンジング ミルク メイク落とし（100ml）」
価格：¥3,520（税込）
店名：AINOKI mebuki
電話：04-7197-5545 （9:00～17:00 土日祝除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://ainoki.net/mebuki/product/CleansingMilk/
オンラインショップ：https://ainoki.net/

「フォレスト フィール セイバー カールマスカラ カラーマスカラ（7g）」
価格：¥2,750（税込）
カラー：夜霧（グレーブラック）、茜（ブラウン）、時雨（ブルー）、萌葱（グリーン）、新色 天藍（ネイビーブルー）、新色 胡桃（グレージュ）
※2024年3月25日に新2色を販売開始いたしました。
店名：AINOKI mebuki
電話：04-7197-5545 （9:00～17:00 土日祝除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://ainoki.net/mebuki/product/ColorMascara/
オンラインショップ：https://ainoki.net/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
若松伴幸（ジャプロ株式会社 代表取締役）

1985年大阪府生まれ。福島工業高等専門学校卒業後、西日本旅客鉄道株式会社に入社し、9年間線路の保守管理部門の予算管理などを務めたのち、2014年にジャプロ株式会社へ入社。2023年に同社代表取締役に就任。

＜文・撮影／よしおかまさこ　MC／三好彩子　画像協力／ジャプロ＞