人生の約3分の1は、睡眠の時間が占めているといわれており、脳や身体の疲労を回復してくれる大切な時間です。ふわふわで気持ちの良い布団に包まれて眠りにつき、1日の疲れを癒したい方も多いのではないでしょうか。そんな上質な睡眠を届けたい想いで羽毛布団を提供しているのが「羽毛ファクトリーすやすや」です。その中でも、今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは「2枚合せ羽毛布団」。同ブランドを運営する株式会社新津の代表取締役社長の新津利子氏に、取材陣が伺いました。
お客様からの声から生まれた羽毛ファクトリーすやすやの「2枚合せ羽毛布団」で上質な睡眠を。
2024/05/01
株式会社新津 代表取締役社長 新津利子氏
―入社のきっかけをお聞かせください。
新津 当時は、父の会社へ入社して社長に就任することまでは想定していませんでしたね。当時の父の会社では女性スタッフが在籍してなかったので、私が生地のデザインに携わったり全体を取りまとめたりするようになりました。ブライダルカタログの企画や構成、デザインなどを担当させていただいていました。ブライダル寝具は、やはり男性ではなく女性側が選ぶカップルが多い傾向です。もともと寝具業界は、男性が多い業界でしたので、女性の観点が必要とされていたのだと思います。
当時のブライダル寝具・ブライダルカタログのデザインやネーミングには、それぞれに想いを込めていました。たとえば、ブライダルギフトのブランド名に「スペランザSperanza」と付けたことがあります。イタリア語で祈り・希望という意味です。私は音大の声楽科出身だったので、イタリア楽曲に触れる機会が多かったのです。よく、イタリア語を使用してネーミングを考えていましたね。
山梨県都留市にある羽毛ファクトリーすやすやの社屋。
―社長に就任するまでに着手されたことは?
新津 多くのブライダル寝具商品を生産していると在庫が増えてしまったので、2000年に大手のインターネットショッピングサービスへの出店を決意しました。出店と同時に、2代目社長に就任した夫によって、羽毛布団のほかにも、敷布団や枕、カバーなどの様々な商品が展開されていきました。
また、日本羽毛製品協同組合のリフォーム認定工場を取得したのを機に、羽毛布団のリフォーム事業を展開しました。布団をただ売るだけでなく、長く使ってもらうためのアフターメンテナスを提供したかったからです。この羽毛布団のリフォーム事業は、インターネットショッピングサービスでのノウハウを活かし、2007年に自社サイトで運営を開始しました。
―当時はまだインターネットショッピングが普及されていなかった時代ですが、どんな工夫をされましたか?
新津 当時はインターネットで1万円以上の高級羽毛布団を購入するのに抵抗を感じるお客様が多かったと思います。ですから、作り手が見えるようにしたり誠実に対応したりして、お客様からの信頼を得るように努めていました。
人気の無地。薄いカバーを付けても柄が透けて見えない。
―具体的に、お客様からどのように信頼を獲得されたのですか?
新津 フリーダイヤルを設置したのは大きな効果があったと思います。お客様からのお問合せやご相談に対して、誠実にお答えしていました。たとえば、フリーダイヤルから大学生を機に一人暮らしを始める息子さんのために布団の購入を検討している女性からご相談をいただいたことがあります。
その女性は、ポリエステル生地の羽毛布団を選ぼうとされていたのですが、弊社は綿100%の生地をご提案しました。なぜならば、ポリエステルは軽いのがメリットですが、蒸れやすいのがデメリット。大学生の男の子は汗をかきやすいので、少しお値段が高くても、綿100%の生地のほうが快適に利用できるからです。このように、実際に布団を使用される方に合わせて、どのような羽毛布団を選べば良いのかをご提案していました。
また、羽毛製品アドバイザーや睡眠環境寝具指導士の資格を取得しました。アドバイザーとして、様々な場所で、羽毛布団の種類の違いや選び方についての講習会をおこない、羽毛布団の普及活動にも注力しています。ここで養ったアドバイザーとしての知識が、インターネットショッピングを通じて多くのお客様に貢献し、信頼を得られているのだと思います。YouTubeでも羽毛布団の選び方について発信しています。
上品で落ち着いた薄いレクラット柄も好評。
ピンクとブルーの2色を展開中。
―フリーダイヤルがきっかけなのですね。
新津 はい。フリーダイヤルをきっかけに生まれた商品があります。15年ほど前に、ハワイのホテルにあるような、ふわふわの枕が欲しいとのお問合せをいただいたことがあります。枕の中に羽毛を入れると柔らかな枕が仕上がりますが、しかし羽毛は洗えないのが難点。そのようなとき、あるメーカー様から、羽毛の周りを撥水加工された羽毛を紹介されました。この羽毛によって「洗えるダウンピロー(羽毛枕)」が生またのです。
このダウンピローの開発を機に、様々な種類の「ダウンケット(羽毛が入っている薄手の布団)」を開発しました。ダウンケットでしたら、家庭の洗濯機での洗濯が可能です。しかし、ダウンケットだと冬場は寒い。だからといって、厚い冬用羽毛布団だと、洗濯機に入りません。そこでボタンで取り外しができる「2枚合せの羽毛布団」が開発されました。2枚にすると別々で洗えますし、2枚重ねると冬用の暖かい羽毛布団になります。
このように、お客様の声から生まれたダウンピローからダウンケット、そして洗える2枚合わせの羽毛布団へと、進化しながら商品が開発されていきました。お客様の声をダイレクトに聞くことで商品開発へと繋がり、それを販売していく流れができたのです。
洗えるダウンピローがきっかけで、洗える2枚合せの羽毛布団が生まれた。
ワンタッチボタンで2枚の布団の着脱が楽々。
カバーのズレ防止のためのヒモ止めが全部で8箇所に付いている。
―今回ご紹介する「2枚合わせの羽毛布団」の特徴やこだわりについてお聞かせください。
新津 もともと、夏用の薄い羽毛布団と、冬用の厚い羽毛布団をそれぞれ販売していました。しかし、一つの羽毛布団をオールシーズンで使えるほうが、お客様にお買い得感を感じていただける、という想いから「2枚合せの羽毛布団」を開発しました。また、2枚合せだと、一枚ずつに分けて自宅の洗濯機で洗えるのも特徴です。
羽毛は、実際にポーランドやハンガリーなどの現地の農場を訪れ、自分の目で確認してから仕入れている点にこだわっています。お客様に安心してご購入いただけるように、たとえ予算が高くなったとしても、質の良い羽毛を仕入れています。
新津社長が自らポーランドやハンガリーなどを訪れて、上質な羽毛を目利き。
―「洗える2枚合せの羽毛布団」は、どのような方におすすめですか?
新津 羽毛布団は、冬用の掛け布団しかお持ちでない方が多い傾向です。夏場は羽毛布団を使わない方が多いのです。しかし、夏の熱い夜には、クーラーを稼働しながら羽毛の掛け布団をかけて寝ると、熟睡できるのでおすすめです。健康的な眠り方は、頭は冷やして足元は暖める「頭寒足熱」が良いといわれています。タオルケットだと、通気性が良すぎてクーラーの風を通してしまい、体が冷えてしまいます。羽毛布団で体の熱を逃さないようにすると、質の良い睡眠ができます。夏用の羽毛布団をお持ちでない方には、弊社の2枚合せの羽毛布団をおすすめしたいですね。
2枚合せの羽毛布団は、収納にも便利です。一組でオールシーズン使えるため、冬用と夏用の掛け布団をそれぞれ購入する必要がありません。ですから、自宅の収納が少ない方にもおすすめです。
また、近年は住宅の室内環境が良く、マンション住まいの方だと、2枚合せの羽毛布団を購入しても、1枚だけで十分暖かいと言われるお客様もいます。しかし、災害時に電力が使えなくなった場合、2枚合せの羽毛布団があると安心です。暖房器具が使えなくなったとしても、とても暖かく過ごせますよ。
ハードケース付きなのも嬉しい。
オフシーズン時には、こちらのハードケースに入れて保管できる。
―今後の展望をお聞かせください。
新津 寝具や睡眠に関する知識の普及活動に注力したいです。質の良い睡眠を得るためには、寝具の選び方がとても重要ですが、あまり知られていないのが現状です。ですから、寝具の選び方や睡眠などの知識を持つ人材を増やしたいと思っています。そして、販売側からお客様へと、寝具や睡眠に関する正しい知識をお伝えできるようにしたいです。
また、SDGsへの意識が高まっている影響から、羽毛布団リフォームへの注目度が上がっています。質の良い羽毛布団だと、作り直すと長く使用できますし、5年に1度のペースで丸洗いすると膨らみが復活します。羽毛布団を長くお使い続けていただけるように、羽毛布団のリフォームを1人でも多くのお客様にご提案し、普及活動を行いたいですね。
―貴重なお話をありがとうございました。
「羽毛布団 シングルロング 2枚合せ 工場直販 日本製 ハンガリーホワイトグース ロイヤルゴールドラベル付き シングルサイズ オールシーズン2枚合せ羽毛肌+合い掛け 羽毛布団」(150×210cm 総重量約3.5kg)
価格:¥65,780(税込)
店名:羽毛ファクトリーすやすや
電話:0120-456-245(平日09:00~17:00 土曜日09:00~13:00 日祝休み)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/suyasuya/638083/#0000
オンラインショップ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/suyasuya/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
新津利子(株式会社新津 代表取締役社長)
1955年、山梨県生まれ。1978年に株式会社新津好商店へ入社し、ブライダル寝具の企画に携わる。2015年に社長へと就任。羽毛製品アドバイザー、睡眠環境・寝具指導士の資格を所持。YouTubeなどを通じて羽毛布団の選び方や羽毛布団の正しい知識の普及に努めている。
<文/土屋香名子 MC/山口優花 画像協力/新津>