今回、編集長アッキーの目に留まったのは、楽に身体を変える運動器具「楽体」とゴルフクラブ。これらを販売しているハルスポーツプロダクション株式会社は、日本のスポーツビジネスの先駆者的存在です。同社の運動器具などによって、日本人プロゴルファーの海外進出が実現されました。そんなハルスポーツプロダクション株式会社の代表取締役である常住治秀氏に、人気の商品のこだわりを取材陣が伺いました。

ハルスポーツプロダクション株式会社 代表取締役の常住治秀氏

―アメリカ大使館にお勤めされていた経験があると伺いました。

常住　はい。1981〜86年までアメリカ大使館に勤務しており、アメリカ製品の輸出・開発を行っていました。退職後はアメリカに渡り、ゴルフトーナメントの通訳や取材を行いながら、スポーツビジネスやマーケティングの勉強をしました。

そこで実感したことは、アメリカと日本のスポーツビジネスの差です。アメリカはスポーツがビジネスとして確立しており、選手がエージェントと契約を結ぶことが当たり前でした。

一方で、1980年代の日本にはスポーツビジネスやエージェントという概念がなく、日本人アスリートが海外で活躍するのは難しい状況でした。

「日本人アスリートが海外に行ける環境を作れば、海外でも勝てるようになる」と考えて、1989年に帰国して設立したのが「ハルスポーツプロダクション株式会社」です。

設立後はプロゴルファーを中心に契約選手を増やし、海外のツアーに参戦できるようにしました。そして、2001年に弊社の契約選手である丸山茂樹選手が、アメリカのツアーで優勝したのです。

―「楽体（らくだ）」開発のきっかけは？

常住　楽体は元々、弊社の契約選手のトレーニングのために開発しました。楽体の特徴は、楽な運動で身体が変わることです。普段運動をしていない方が、いきなり筋トレのように強度が高い運動を行っても、継続するのは困難です。また、筋肉が硬くなって動きが悪くなる場合もあります。

楽な運動で身体が変わる楽体の特徴を活かし、皆さんが元気に健康になれる環境作りをしたいと、一般向けの商品も開発することにしました。一般向けにできあがったのは、1990年代の後半です。

―どのような効果がありますか？

常住　身体の動きを変えるには、特に肩甲骨の働きが重要です。18歳くらいまでは肩甲骨が動きますが、大人になると腕を後ろに動かすことが減るため、肩甲骨が動きにくくなります。

肩甲骨の下には褐色脂肪細胞などがあり、肩甲骨を動かすことで代謝や運動機能が向上します。痩せにくい人にもおすすめです。また、肩甲骨を動かすことで姿勢が整います。

姿勢が整えば、筋肉が正しく動くようになり、代謝がよくなります。特に女性は、肩こりや二の腕などが楽になるでしょう。

楽体を体験した方から「気持ちいい」とよくおっしゃっていただけます。気持ちいいからこそ、楽に継続できるのです。たとえばリビングに置いておき、気が向いたときにテレビを見ながら運動してみてください。それだけでも、十分に効果を得られます。

―「楽体」のこだわりを教えてください。

常住　伸びて切れにくいシリコンゴムを使用しています。また、ゴムを三つ編みにしているのは、1本切れても全体が切れないようにするためです。手作りで三つ編みにしています。

ボールには時計の役割があります。上から下に5秒ほどで落ちるように設計されており、呼吸の練習が可能です。鼻から5秒で吸って、口から5秒で吐きましょう。呼吸がよくなると肌の状態が改善されたり、身体のバイオリズムが整ったりします。

また、5秒間姿勢を維持するストレッチも行えます。

―「HALMETHOD（ハルメソッド）」についても教えてください。

常住　HALMETHODのHALとは「Health And Life（ヘルスアンドライフ）」の略称で、「身体を生まれ変わらせる」メソッドです。健康寿命の向上、健康増進のためのトレーニング法になります。姿勢を整えることで、肩こりや腰痛などの改善を期待できます。

常住　どなたも50歳あたりから、姿勢を整える意識を持つことが特に重要です。姿勢が悪いと膝や股関節などに負担がかかって、痛めてしまう可能性が高まります。

筋肉を動かさないと、姿勢はよくなりません。筋トレなど強度の高い運動でなくても、日常生活のなかで楽体を使って運動するだけで十分です。しなやかな筋肉、動きやすい身体を作ることが重要です。

また、法人向けの講演も行っています。企業も働く人々を守るため、労働効率を上げるために、健康で動きやすい身体作りを求めています。

シニアの健康寿命を伸ばすため、現役世代の健康や労働効率向上のためにも、HALMETHODを普及させたいと考えています。

―ゴルフクラブも開発・販売されていますね。

常住　はい。ゴルフクラブも販売数が増えています。今回ご紹介する「ファラオJPハイパー（高反発モデル）」は、アマチュア向けに開発したクラブです。

多くのメーカーは、プロが使っているクラブを販売しています。しかし、プロと同じクラブをアマチュア選手が使いこなすのは難しいのです。

ボールを飛ばすにはシャフトをしならせる必要がありますが、プロが使っているクラブは硬すぎて、シニアや女性ゴルファー、初心者の方では十分にしならせられません。

特に50歳をすぎると、ボールが飛ばなくなってきます。飛ばなくなるとゴルフがつまらなくなって、辞めてしまう人が多いのです。

そこで、飛ぶクラブ、ゴルフが簡単になるクラブとして開発したのがファラオJPハイパーです。軽くて、高反発でしなりやすいため、アマチュア選手でも飛距離を伸ばせます。さらに、しなってもねじれないため、ボールがまっすぐ飛びます。

このシャフトの製造は非常に困難で、すべてハンドメイドです。数人の女性技術者しか編めません。

もともとはアマチュア選手向けに開発しましたが、現在はプロゴルファーの方々も使っています。

―最後に今後のビジョンを教えてください。

常住　シニアを元気にしたいと考えています。たとえば、寝たきりになると子どもたちに負担をかけます。子どもの手を借りないでいられることが重要です。

その点、ゴルフは健康寿命を伸ばす上でとてもおすすめです。プレー中は18ホールで1万歩（約10km）ほど歩く、基本的に4人で回るため友人と会話する、数字をすごく考える（グリーンまでの距離など）、約束した時間にしっかり行くなど、健康寿命を伸ばせる要素が詰まっています。

また、芝生の上を歩くため、コンクリートを歩くより膝にもよいのです。ゴルフ場に行くと、腰や膝の痛みが治ってしまう、というシニアもいます。そのため、60～70代の方々向けに、はじめてのゴルフ体験ツアーをやってみたいと考えています。

―貴重なお話をありがとうございました。

「楽体オリジナル」
価格：¥4,400（単品･税込）
店名：HAL SPORTS RPODUCTION
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://halspv.com/products/rakuda-original
お問い合わせ：https://halspv.com/pages/contact

「ファラオJPハイパー（高反発モデル）」
価格：¥109,780（税込）
店名：HAL SPORTS RPODUCTION
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://halspv.com/products/pharaoh-jp-hyper
お問い合わせ：https://halspv.com/pages/contact

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
常住治秀（ハルスポーツプロダクション株式会社 代表取締役）

1955年東京都生まれ。日本体育大学卒業後、米国大使館にて勤務。ゴルフトーナメントの通訳や取材経験等を経て、1989年ハルスポーツプロダクションを設立。丸山茂樹、田中秀道などプロの育成を行う。2000年以降、ゴルフスイングの研究からハルメソッド理論を構築。体幹、肩甲骨周辺の柔軟性を高めるための運動器具「楽体」等を開発し、現在では、国内外問わず企業や団体に向けた健康プログラムの普及に尽力している。

＜文・撮影／林本直　MC／三好彩子　画像協力／ハルスポーツプロダクション＞