日々の暮らしを豊かにしたいなら照明を見直すのがおすすめです。今回、編集長アッキーが気になったのは、イタリアで作られた「FLOS（フロス）」のテーブルランプ。愛着を持って永く使えるインテリアを販売するCONNECT（コネクト）を運営している有限会社ロワール商事の代表 高木智仁氏に商品のおすすめポイントや照明器具の取り入れ方などについて取材陣が伺いました。

有限会社ロワール商事 代表の高木智仁氏

―御社の沿革についてお聞かせください。

高木　弊社は1973年に私の父が設立しました。元々は贈答品を取り扱うお店で、両親のみで細々と経営していました。一方、私は大学卒業後に東京でインテリアの会社に就職しましたが、起業して自分でやってみたいという気持ちがずっとあったため、2005年に勤めていた会社を退社して香川県に戻りました。

そして、両親の会社を私が引き継いで代表に就任しました。そこから自分が得意とするインテリアの分野にしぼって取り扱う商品や事業内容を少しずつ変えていった結果、今のインテリアの情報発信とWEB販売の業態に至りました。

―屋号のCONNECTに込めた想いは？

高木　一つの商品に対して、製品をデザインしているデザイナーには製品に込めた想いがあり、製造しているメーカーには形づくるための工夫や苦労があります。そのような商品の裏側を消費者の方に伝えて届けるという橋渡し役となるのが、小売業を営む私たちの役目だと考えています。小売店には作り手の想いをつなげていくという役割があると思い、CONNECTという屋号にしました。

―北欧の家具を主に取り扱う理由とは？

高木　弊社は長く愛着を持って使い続けられるものを販売したいと考えています。購入してくださった方に「あの時買ってよかった」と言ってもらえるような商品を提供するのが、私たちの責任でもあると思います。

最初から北欧ショップを目指したわけではなく、丁寧に作られていて日本にはない美しいデザインのものを扱いたいと選び続けていくと、自然と北欧のインテリアが集まりました。そのため、北欧のインテリア以外も扱います。長く愛着を持って使い続けられるものかどうかというのが、私たちの判断の基準になっています。

選ぶ基準は丁寧にものづくりと向き合う姿勢が感じられるかどうか、
長く愛着を持って使い続けられるものかどうか。

―今回ご紹介いただく「FLOS」のテーブルランプの特徴は？

高木　今回ご紹介する「FLOS」は、北欧ではなくイタリアのブランドです。このテーブルランプは細いラインに球体がのっているとてもシンプルなデザインですが、ガラスの球体を美しく仕上げたり細いスチールのパイプに配線を隠したり、溶接を綺麗に仕上げたり、一つひとつの作業を職人が丁寧に行っているのが分かります。

見る角度によって見え方が変わるため、
向きを変えて変化を楽しむのもおすすめ。

高木　斜めの棒にガラスの球体がポンとのっているデザインは、浮遊感があって空間にポイントが生まれます。線が細いためどんなインテリアにも組み合わせやすく、調光機能も付いており、シーンに応じて明るさを変えられるのが特徴です。置く場所も選ばないため、まずはこのような照明から取り入れていただくと、いつもの空間がガラリと変わります。

―テーブルランプをおすすめするのはなぜですか？

高木　「シンプルで心地よい暮らしを提案する」というのが弊社の大テーマにあります。暮らしを提案するということは空間づくりにもつながりますが、日本の住宅は照明に対する考え方がとにかく遅れていると感じています。照明を明るくするためだけの道具として見ており、空間をより良く見せることと真逆のことを一生懸命やっている印象があります。

特に都市部の効率優先型の住宅は、部屋の中心に設置した照明で部屋全体を明るくするため、部屋の隅々が暗くなり視覚的に狭く感じます。照明器具を必要な部分に配置するだけで、部屋の雰囲気は劇的に良くなります。もっと多くの方に空間作りにはテーブルランプが重要だということを知っていただきたいです。

照明器具は明るくするだけでなく、雰囲気のある空間を生み出す役割もある。

―照明器具の上手な取り入れ方は？

高木　照明器具を部屋の中心に置いて真上から煌々と照らすのではなく、壁や部屋のコーナーに照明を当ててぼんやり明るくするとリラックスできる空間になります。人にも家具にも言えることですが、真上から光を浴びると陰影ができて見え方がよくありません。横側から光を当てると、側面が明るくなり反対側が薄暗くなることで立体感が生まれ、インテリアの美しさが際立ちます。

就寝前には照明を落とすと夕日が沈むような感覚になってきてリラックスできる。

―今後の展望をお聞かせください。

高木　本当に価値のある製品を多くの方に知っていただくために、いろいろとチャレンジしているところです。オンラインで商品を紹介する際にできるだけ暮らしに寄り添った形で発信したり、その延長線上として実物を見られる場所を増やすために北海道をはじめショールームを少しずつ展開し始めたりしています。

また、インテリアで暮らしを整えようと発信しているにもかかわらず、自分たちの周りには空き家や廃墟が増えているという現実も、ちゃんと捉えなければと感じています。インテリアが空間を劇的に変えることを体現するため、空き家のような使われなくなってしまった場所をリノベーションして、インテリアで整えることで新しい人の流れを生み出していくという試みも行なっています。

暮らしを豊かにすることをテーマにオンラインでインテリアプランニングも行っている。

―貴重なお話をありがとうございました。

「FLOS（フロス）/IC LIGHTS T1 HIGH（アイシーライトT1 HIGH）／ゴールド」（W281mm×D291mm×H530mm、質量1.7kg）
価格：¥117,700（税込）※2024年5月現在の価格です。
店名：北欧 インテリア CONNECT（コネクト）北欧家具・雑貨 通販サイト
電話：0877-86-1244（11:00～15:00 土日祝休み）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.connect-d.com/c/18/188/1846/flos-f3170059
オンラインショップ：https://www.connect-d.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
高木智仁（有限会社ロワール商事 代表）

1977年香川県生まれ。ヤマギワ株式会社を退社した後、2005年にロワール商事の代表に就任。2006年より北欧の雑貨インテリアを中心としたCONNECTを立ち上げ、シンプルで心地よい暮らしを提案している。現在は地元・丸亀で空き家の利活用などの提案も行なっている。

＜文／ウツギナオコ　MC／木村彩織　画像協力／ロワール商事＞