水処理のプロから健康と美のプロへ。水俣の公害を目の当たりにし、水のエンジニアを志した岸川良己氏が代表取締役を務める『成和インターナショナル株式会社』。今回、編集長のアッキーが注目したのは、この会社から生まれた化粧品「ヒアルロン酸原液」です。ヒアルロン酸原液を世に送り出すまでの道のりや、商品のこだわりについて、取材陣がお話を伺いました。
アットコスメ大賞を受賞!水処理のプロ集団から生まれた「ヒアルロン酸原液」
2024/06/17
成和インターナショナル株式会社 代表取締役の岸川良己氏
―健康や美容の事業をスタートしたきっかけは?
岸川 きっかけは飲むキダチアロエエキスの販売です。私の地元、九州の知人から、有機無農薬栽培のアロエを使った商品を売ってみないかと声をかけられたのです。当時は珍しかった有機無農薬栽培。そのアロエを収穫して絞り、100%のエキスだけを瓶詰めにして販売することにしました。
商品を販売するにあたり、ブランド名にアロエの文字を入れなければなりませんでした。そこで社員みんなで相談し、私たちの明るいイメージにちなんで「太陽のアロエ社」というブランド名が誕生したのです。
―「ヒアルロン酸原液」が誕生したきっかけは?
岸川 もともとアロエは万能薬として知られており、おじいちゃんやおばあちゃんの世代には馴染み深いものでした。しかし、徐々に若い世代の方々から、キダチアロエエキスを買っていただくようになったのです。
調べてみたら、キダチアロエエキス購入者のお子様やお孫様も購入してくださっていました。その方々のなかに、飲むだけでなく、薄めて化粧水として使うのが一部で流行していたようです。
そこで、化粧水として使われるなら、プラスアルファのおまけを付けようと考えました。たとえば、保湿成分の尿素をおまけとして付けました。クエン酸やグリセリンも同じように、おまけにすることもありました。
そんな時期に、化粧品原料としてヒアルロン酸が流通しはじめました。それで、ヒアルロン酸をおまけにつけることにしたのです。
そうすると、お客様から「このヒアルロン酸だけが欲しい」という声がたくさん届いて、なかにはヒアルロン酸を手に入れる目的でキダチアロエエキスを買う、なんて話もあったほどです。
そこで、このおまけを商品化しよう、という話になりました。ヒアルロン酸の原液そのものを化粧品としてユーザーに販売する。これが私たちの美容事業の走りであり、「ヒアルロン酸原液」の始まりです。
とろみのある「ヒアルロン酸原液」は、商品のおまけから生まれた。
伸ばすとサラッとする当社独自のテクスチャーで、化粧水やシャンプー、ボディーソープにプラスワンして使う人も。
―「ヒアルロン酸原液」開発秘話を教えてください。
岸川 化粧品業界の素人だった私たちが、水処理のプロとしての視点から生み出したのがヒアルロン酸原液です。化粧品原料として配合されるヒアルロン酸を、初めて「原液」として世に送り出したメーカーが私たちです。
実はヒアルロン酸にはいろいろな種類があります。「ヒアルロン酸原液」は、そのなかでも肌に塗るのに最適な、サラサラでベタつかないタイプを選び抜きました。価格は当時流行していたワンコイン、500円に設定。500円で売るには原価を相当抑える必要がありましたが、交渉の末に実現できました。
容量は10mLで、しっかり密封できるものを使わなければなりません。この容器は世界に一つしかないオリジナルで、型から製造しました。ポストに投函できるメール便に対応したサイズです。
このように試行錯誤を経て、2003年に「ヒアルロン酸原液」が誕生しました。おかげさまで、発売から20年が経った今でも愛され続けています。
ボトルは、必要以上にお金をかけず、安全を保てて使いやすいように開発された、完全にオリジナルのもの。
―御社のこだわりを教えてください。
岸川 水処理の世界で育った私たちにとって、品質管理は当たり前のこととして徹底しています。飲み水を扱う以上、1滴の水でも間違えれば命取りになりかねない。だからこそ、徹底した品質チェックが習慣になっています。
化粧品の製造でも、その姿勢は変わりません。1個1個、全品検査を行うのは当然だと思っています。何度も検品を重ね、基準をクリアしたものだけを出荷する。厳しいチェックを経てようやく、商品として世に送り出せるのです。
検査で弾くのは中身だけじゃありません。容器の傷一つ、光に当てないとわからないような欠陥も見逃さない。利益を追求するのは当然ですが、社員もユーザーも幸せにならなければ意味がありません。「健康と安全を何よりも優先する」という思いのもとで管理を徹底しています。おかげさまで、20年間で大きなクレームはほとんどありません。
80mLのお徳用ボトル。
海外のお客様が購入後、飛行機の機内に持ち込めるよう、100mL以下で開発された。
―お客様の反響はいかがでしょうか?
岸川 「ヒアルロン酸原液」は、口コミで評判が広がり、たくさんの方にホームページからお買い上げいただけるようになりました。2006年頃には、化粧品のコミュニティサイト「アットコスメ」を運営する株式会社アイスタイル様からオファーをいただき、販売をスタート。翌2007年には、アットコスメ大賞を受賞しました。
「太陽のアロエ社ヒアルロン酸原液」は中国でも大好評です。中国出身の有名な歌手・女優さんで、米国雑誌「TIME」の表紙に載ったこともあるポップス界のスーパースターが「太陽のアロエ社ヒアルロン酸原液」を愛用している事が、webサイト、ネットメディアでも取り上げられ口コミで一気に広がっていったのです。日本では、人気ロールプレイングゲームの主題歌を歌ったこともあります。
―今後の展望を教えてください。
岸川 ヒアルロン酸原液を美容業界に初めて導入したパイオニアとして、ヒアルロン酸をベースにした化粧品を世に送り出していきたいと考えています。日進月歩で進化するヒアルロン酸の技術を積極的に取り入れ、ニーズに応える製品作りを進めていきます。
すでに、さまざまなヒアルロン酸原液を組み合わせたシリーズをリリースしていますが、今後もラインナップの拡充を図っていくつもりです。今年(2024年)2月には、新ブランドとして「クリアデイズ」クレンジングシリーズ2種を発売しました。
「心身ともに美しく健康であり続けたい」という人々の夢を叶える。その実現に向けて、常に高品質な製品を追求し、新たな価値を提案し続けていきます。
ボトルには「mind Your Beauty(いつもあなたの美しさを大切にしていますよ~)」というメッセージが。
人々の美に寄り添う姿勢が伝わる。
―貴重なお話をありがとうございました。
「ヒアルロン酸原液 80mLおまけ付き」(80mL+(10mL×2本))
価格:¥4,180(税込)
店名:成和インターナショナル株式会社ONLINE SHOP
電話:0120-003-310(平日10:00~15:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.taiyou-no-aloe.com/products/detail/8
オンラインショップ:https://www.taiyou-no-aloe.com/products/list
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
岸川良己(成和インターナショナル株式会社 代表取締役)
1951年、佐賀県の海苔漁師の長男として誕生。
小学生のころ、隣の熊本県水俣地域で発生した、工場廃水に含まれていた水銀汚染による環境破壊への恐ろしさを知り、水処理のエンジニアを志す。社会人として水処理設備の総合プラント会社へ入社し、国内外での多くの建設現場で水源開発や水の浄化と環境汚染対策に従事した後、国際経済協力事業や国連難民キャンプ救済チームの一員として、アジア、アフリカ地域での多くのプロジェクト等に参加して経験を積んだのち、1989年に独立。成和インターナショナル株式会社を設立し、代表取締役に就任、現在に至る。
<文・撮影/西村初音 MC/高橋美羽 画像協力/成和インターナショナル>