今回編集長アッキーが注目したのは、プロ仕様の化粧品。サラッと薄づきでありながらも、カバー力やキープ力の高い商品です。株式会社シーヴァ 代表取締役の北野泰良氏は、通信販売の世界で独自の地位を築くために、機能に優れた化粧品を展開してきました。タレントや俳優が使う商品と同等の化粧品を、一般向けに販売できる理由、開発のノウハウ、そしてこれからの化粧品と会社のあり方についても取材陣が伺いました。

株式会社シーヴァ代表取締役の北野泰良氏

―リクルート社を経て起業されていますね。

北野　就職活動当時はリクルート事件の真っ只中。興味本位でリクルートの企業訪問などをしているうちに、起業家精神を育む社風にひかれ、入社しました。その後先輩が立ち上げた会社に参画し、「アメリカで売れているものを日本に輸入して売ろう」と社内起業のような形で事業を開始しました。だから、事業立ち上げ当初は化粧品を売っていたわけではないんです。

さまざまな新しいものを日本に紹介しようと持ってきたわけですが、最初は売る場所が見つかりませんでした。どんな小売店も、有名でない商品を積極的に販売してはくれませんでした。そこで唯一商品を販売してくれたのが、通信販売の会社でした。

当時の通販は、新しいコンセプトの商品や高機能の商品を積極的に売り出していました。良いものを広告なしに固定のお客様に売っていく。この通販というシステムとの出会いが、私のその後のビジネスを切り開く原動力になっていきました。

―その後、化粧品をメインの商品にされたのはなぜですか。

北野　私たちはまず通販企業へ売り込むのですが、バイヤーさんの目は肥えていてとてもシビアなので、通販媒体に掲載してもらうのが大変でした。

そこで商品を特化したビジネスをしようと考えました。どんな商品が良いかと考え、チャンスとストーリーがあるのが、化粧品だったんです。当時は化粧品開発に参入している企業は少なく、チャンスは大きいと思いました。また、「肌悩みを解決していく、そのためにこんな新規性や特殊性のあるアイテムがある」と、ストーリーを訴求できる商品だから、通販に最適であろうと考えたんです。

幸い技術力やノウハウに長けた協力メーカーさんのことを知っていましたし、きっとユニークな商品を展開できると思いました。特にテレビの撮影現場で使われているようなプロユースの化粧品を、一般向けに売り出そうと考えました。

エンターテイメントのプロ向けの化粧品を参考に商品開発。

―当初からプロ向けの化粧品を一般に向けて展開していたんですね。

北野　エンターテイメントの世界でプロが使っている商品と同等のもので、ナチュラルだけれどしっかりカバーできる商品というのが、変わらないコンセプトです。ちょうど化粧品に本腰を入れ始めた頃、ハイビジョン放送が開始され、テレビタレントや俳優さんたちが“よりナチュラルで美しいメイクを必要としている”という話が出てきたんですよ。プロ用の商品が厚塗りでカバーするだけでなく、自然さも加わったんですよね。そこから「女優肌」という売り文句も誕生しました。

こうした商品を開発するために、試作やモニタリングにも、かなり手をかけています。通販におけるファブレス企業は、商品開発はメーカー任せというところも多いのですが、当社はしっかりと作り込みます。通販って実はリピート注文が多いので、商品の息が長くて、ロングセラーも出やすいんです。だから長く愛してもらえるような商品を手間暇かけて作ることも、無駄ではないと思っています。

しっかりカバーするが、自然な仕上がり。

―カバーナチュールはどんな商品ですか。

北野　アンジエンドという、当社にとって3代目となるブランドの主力商品の一つです。薄付きでありながら、しっかりとカバーできるコンシーラーです。しみやしわなどの悩みに合わせて色の調整なども行っており、幅広い肌悩みに対応しています。

本当にマルチに活躍する良い製品なのに、お客様に伝わらなかったら意味がありません。その辺りは余さず伝えようと、当社の通販ノウハウを活かしてかなり長いランディングページを作り込んで商品の機能とそのメカニズムをしっかりと伝えています。

ラフに塗ってもしっかり隠すコンシーラー。

―ピンクプライマーも大人気だそうですね。

北野　メイク用品にピンク系カラーの流行があったんですよ。そこでもともと構想のあった毛穴カバーができるムース状のクリームに肌を明るく魅せるピンクの色効果を加えてこの下地を開発しました。こちらもあくまでナチュラルに肌の粗をカモフラージュできる商品です。使ってもらえばわかるのですが、ふわっとした独特の肌触りが特徴です。

この下地を使うと非常にメイク持ちも良くて、一日中崩れません。強いライトを浴びる俳優さんたちが、きれいな状態を保つために使っている下地とほぼ同じものです。私たちは俳優ではないので、強いライトを浴びることは稀かと思いますが、炎天下で汗をかくことは多いでしょう。激しい気候変化の中でも、ベストの状態をキープできます。販売前にスタッフなどに試してもらっても、大好評の商品でした。

メーカーの持っている技術と、私たちが集めた世の中のニーズをマッチングさせることで、今求められている商品が作られてきたと自負しています。

仕上がりを格段にアップさせるプライマー。

―今後の展望をお聞かせください。

北野　私たちの会社の規模では、大企業と真正面から戦っても勝てません。ニッチな市場で勝つことが大事だと思っています。大企業が入ってこない、5〜10億規模の市場にフォーカスすると、意外にこの市場自体が拡大していくこともあります。また市場という意味では、海外への展開も考えたいですね。

近年はECでの販売に力を入れているのですが、カタログなどの旧来の通販も変わらずにうまく活用していきたいです。カタログに掲載されることが広告の役割も果たしてくれるので、より広い層のお客様との出会いが期待できるからです。

商品の方向性としては、温暖化対応が必要になると考えています。これだけ暑い日が続くと、従来の商品とは違った解決策があっても良いのではないかと思います。実は温暖化にきちんと対処できている商品ってまだあまりなくて、これからさらに求められていくはずです。お客様のニーズとメーカーの技術を掛け合わせることで、これからの時代で長く使い続けられる商品を世に送り出し続けたいですね。

湿度（気候変化）や汗・皮脂に強い商品の開発も。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「アンジエンド カバーナチュール」
価格：¥2,980（税込）
店名：コスメジタンショップ 楽天市場店
フリーダイヤル：0120-71-4076（月〜金9:00〜18:00 土10:00〜17:00）
定休日：日祝日
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/cosmejitan-r/a003/

「アンジエンド ピンクプライマー」
価格：¥2,980（税込）
店名：コスメジタンショップ 楽天市場店
フリーダイヤル：0120-71-4076（月〜金9:00〜18:00 土10:00〜17:00）
定休日：日祝日
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/cosmejitan-r/b012-3/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
北野泰良（株式会社シーヴァ 代表取締役）

1965年生まれ。早稲田大学卒業後、リクルートに入社。1995年に起業。1998年からオリジナルコスメを通販で販売開始、2001年プロメイクブランド 女優肌エクスボーテ立上げグループ売上が128億円に。2006年 ダイヤモンド社の『10年後の大企業450社』で49位に。2007年 株式会社シーヴァ設立。『通販ビジネスはなぜ資金（おかね）がないほど成功するのか？』『10年早く！成功するためのシンプルな法則』上梓。自ら企画した商品の販売累計数は1,200万個を超える。

＜文／鈴木満優子　MC／山口優花　画像協力／シーヴァ＞