今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、「らく~にはけるソックス」と「ウォーキングソックス」です。製造しているのは靴下一筋で企画・開発まで担っているコーマ株式会社。100年を超える歴史を持ち、スポーツシーンから日常生活まで、多くの人々の足を快適にする靴下をたくさん生み出しています。特許技術も使われ、履く人に優しい靴下の制作秘話を伺うため、代表取締役社長の吉村盛善氏のもとを、取材陣が訪ねました。
指掛付きにつま先フィット。「買って良し、履いて良し」の高機能靴下で指先まで快適に。
2024/06/27
コーマ株式会社 代表取締役社長の吉村盛善氏
―御社の沿革を教えてください。
吉村 コーマは、1922年創業で靴下一筋。近年では、国産の機能的ソックスを開発し製造を続けています。私は3代目になるのですが、小さい頃から創業者である祖父に「継ぐんやぞ」と言われていたので、「いつか継ぐだろう」と思っていました。実際に、商社などに勤めたあと、コーマを継ぐことになって。
当時は、時代の変革期もあり、海外での生産が主流になっていく中、「3D SOX」を開発。特許も取得しました。その後、オリジナルブランド「FOOTMAX🄬」「らくらく博士🄬」などを販売。現在に至るのですが、機能的ソックスは一般のお客様だけではなく、足の動きにもこだわるクライミングや自転車競技など、スポーツ選手たちにも好評をいただいています。
足の形にフィットするように細部までこだわり抜かれた「3D SOX」。
大阪マラソンではブースを出すなどスポーツを楽しむ人も支える靴下を開発。
―会社経営で大切にしてきたことは?
吉村 先代のとき、「よろこばれる品質で奉仕いたしましょう」という言葉を会社の理念にしていました。初代も「よろこばれる品質」と言っており「お客様が何を求めているのか」という視点は、ずっと大事にしてきたことです。履いていていい靴下が、喜ばれる品質のベース。100年を超える歴史がありますが、いつの時代も「買って良し、履いて良し」の精神であることは変わりません。
足が出し入れしやすいゆったりした履き口やベロのような指掛けがポイントの「らく~にはけるソックス」。
編み方にも特長があり脱げにくい設計にしている。
―その精神の中で誕生したのが「らく~にはけるソックス」です。
吉村 これは「着脱がしやすい」ことを一番に考えました。すっと履けて、すっと脱げる。これがコンセプトです。ポイントとしては、靴下自体を柔らかく作っているので、伸びること。それから、かかとの部分。通常の靴下は120度ぐらいで曲がっているイメージがあると思います。
でも、そこが直角よりも鋭角になっているような構造です。これも開発し、特許を取得しました。
―開発のきっかけは?
吉村 当社は、老人ホームを所有しています。入居されている方が「靴下を自分で履けないのが悲しい。楽に履けるような靴下があったらいいな」とおしゃっていて。それが開発のきっかけになりました。靴下は通常、かがんで履くことが多いと思います。
その場合、高齢者の方だけではなく、妊婦さん、人工関節を用いている方、血管系の疾患等で片麻痺の方なども履きにくい。そこで、かかと上部に指掛けを付けて、片手で楽に履くことができるようにしました。履き口が立ち上がりやすいのも特長です。
さらに、かかと部分を通常より大きく編むことで、より足にフィットするようにしています。お客様から、よく聞かれる「滑り止め」もかかと部分に付けています。全体に付けてしまうと、つんのめってしまうなど、逆に危ない。それを回避するために、滑り止めの付け方は工夫しました。ズレにくく、脱げにくい優しいソックスになっています。
足が疲れにくい設計になっている「ウォーキングソックス」。柔らかい生地で履き心地も抜群。
―次に「ウォーキングソックス」のこだわりも教えてください。
吉村 足首の動きにフィットするⅤ型設計で、かかとからスムーズに一歩が踏み出せるウォーキングソックスです。多くのスポーツで実績を持つ「3D SOX」を採用しています。裏面を見ていただくとわかるのですが、母趾球、小趾球のところが立体設計になっており、足の形に沿って膨らんでいる形です。
また、土踏まず部分の伸びを抑えて、押し上げるような構造にしています。こうすることで土踏まずのアーチ機能をサポートできる。その役割を持たせました。全体のベース素材には「無撚糸」と呼ばれる綿100%の糸を使用することでゆったりとした履き心地のソックスになっています。ソフトな履き心地で、洗っても硬くなりません。
「3D SOX」は、つま先部分が指の形状に沿っている。
これにより締めつけ感や窮屈感もなく、履いていることを忘れてしまいそうなフィット感が実現!
―ウォーキングをされる方が主な購入者層ですか?
吉村 リピートしてくださる方の中には、ウォーキングを楽しんでおられるお客様もいらっしゃいます。それから中高年の方も、主な購買層です。加えて、最近は若い方も手に取ってくださいます。
オーガニックコットンを使用している「らく~にはけるソックス」も含めてなのですが、「地球環境に優しいか」という点でも製品を見ていて、手に取ってくださっているようです。「どういうモノづくりをしているのか」。購入する方は、そうした意識も高いと感じますし、スタッフからも聞きます。
世の中には、安価なものもたくさんある。でも、多少高価だったとしても、良いものを大事に使った方が気持ちもよく、エコでもあると考えています。靴下は消耗品ではありますが、足の形にきちんと沿ってる方が丈夫です。素材にもよりますが、突出している部分=つま先などは指が当たるので、伸ばされ、こすられて弱くなり、弱いと伸びやすくなるという悪循環で穴が開いてしまいます。
ところが足に沿っている靴下は、編目が均一になるため、親指だけが破れることはないはずです。穴が開いてしまうということは、そこに余分な力が入っていたり、余計なテンションが掛かってしまっていたりする状態なので、足にも良くない。
「ウォーキングソックス」の場合は、足首、つま先も含めて動きにフィットする設計です。足もストレスなく、ウォーキングや日常使いを楽しんでもらえると思います。
―今後のご展望をお願いします。
吉村 商品展開としては、はき易く個々の体形やニーズに合うような「着圧ソックス」を考えています。商品化はもう少し先になるかもしれませんが、私自身も期待しているものです。やはり、足の形、動き、働き。こうしたことを深く掘り下げながら、靴下作りを続けていきたい。
スポーツ時や日常生活で、どんな機能が求められているのか。企画・製造をしていく上でも、それはすごく重要なことです。当社は、様々な特許や技術を持っていますので、それをうまく応用して、あらゆる機能を求めている皆様へ、良い靴下を提供したい。単なる靴下ではなく、必要な靴下として買ってもらえるような製品作りを続けていきたいと思います。
―貴重なお話をありがとうございました。
「FML027 らく~にはけるソックス【J∞QUALITY認証商品】」
サイズ:S(22~24cm)、M(24〜26cm)
カラー:ブルー、ライトグレー、ベージュ、ピンク、ネイビー、グレー、オフホワイト
価格:¥1,650(税込)
店名:コーマオンラインショップ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.footmax.jp/?pid=152419916
オンラインショップ:https://www.footmax.jp/
「FXW020 ウォーキングソックス【J∞QUALITY認証商品】」
サイズ:XS(20〜22cm細身、普通)、S(22~24cm細身、普通)、M(24〜26cm幅広、普通)、L(26〜28cm幅広、普通)
カラー:ブラック、グレー、ピンク
価格:¥1,870(税込)
店名:コーマオンラインショップ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.footmax.jp/?pid=153875286
オンラインショップ:https://www.footmax.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
吉村盛善(コーマ株式会社 代表取締役社長)
1953年大阪府生まれ。グンゼ産業株式会社勤務を経て、1980年コーマ株式会社入社。1982年取締役、1992年代表取締役社長に就任。社員とともに、これまでにないニーズを創造すべく、国内自社一貫工程において、高機能高付加価値商品の開発に力を注ぎ、SDGsや健康経営にも力を入れている。
<文/青柳舞子 MC/白水斗馬 画像協力/コーマ>