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大切な人へのお礼状や季節のおたよりに最適。京都・老舗和紙店「紙司柿本」オリジナルの高級感あふれる「雲母(きら)ずり封筒・便箋」で、心から届ける手書きのお手紙を。

2024/07/11

今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、京都の老舗紙専門店「紙司柿本」のオリジナル封筒と便箋。四季折々のデザインが、「雲母摺」という手法で表現されています。この美しい封筒と便箋に込められた想いとは――。紙司柿本を運営する柿本商事株式会社の代表取締役会長・柿本遼平氏に、取材陣がお話をうかがいました。

柿本商事株式会社 代表取締役会長の柿本遼平氏
柿本商事株式会社 代表取締役会長の柿本遼平氏

―創業は江戸時代だそうですね。

柿本 はい。当社の歴史は長く、創業は1716年までさかのぼります。もともとは竹屋を代々営んでおりました。本社は京都市中京区の寺町通にあり、近くには竹屋町通があります。通りの名が示すように、周辺には多くの竹屋が立ち並んでいたと考えられています。

紙の扱いを始めたのは、1845年です。その頃は、和紙の需要が非常に広がった時代でした。当時の当主が、周りと同じことをやっていても知恵がないということで、時流を読み、和紙問屋へと事業転換していったそうです。現在の当主は私が担っており、紙の歴史においては6代目になります。

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和紙や洋紙といった紙を扱う事業をはじめ、多角的な事業を展開する老舗企業。
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本社ビルの1階で和紙のショップ&ショールーム「紙司柿本」を展開。
さまざまな製品が購入できる(2024年4月の取材時は、本社ビルの新社屋建設工事中につき仮店舗にて営業)。

―入社されるまでの経緯をお聞かせください。

柿本 大学卒業後、アメリカに2年間留学しました。語学やビジネスを学び、帰国後に当社に入社しました。入社後は、紙にまつわる事業のほか、教育支援事業や地域活性化事業など新しい取り組みにも携わっています。

―今回ご紹介いただく「紙司柿本オリジナル 雲母ずり封筒・便箋」について教えてください。

柿本 当社の小売店舗「紙司柿本」オリジナルの商品です。唯一無二の商品を作りたいと考え、四季をイメージした文様を雲母摺で表現いたしました。装飾が施された伝統工芸品の和紙「唐紙(からかみ)」に着想を得ています。普段使いはもちろん、大切な方へのお手紙にもお使いいただけるデザイン、品質に仕上がっていると思います。

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四季を表現したシリーズ。封筒、便箋ともに、桜モチーフの「春 桜どき」、
朝顔モチーフの「夏 垣の朝顔」、紅葉モチーフの「秋 吹寄せ」、雪の結晶モチーフの「冬 雪輪違い」の4種類を展開。
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写真左は封筒、右は便箋。

―文様のデザインからオリジナルですか?

柿本 はい、そうです。デザインは、唐紙で有名な京都の作家さんにお願いしました。ご自身で店舗を営まれていて、社外に向けてデザインを提供したことがないとおっしゃっていましたが、何度かお話をさせていただき、当社の想いをくんでくださり、ご承諾いただいた形です。

商品化にあたっては、出来上がったデザインをそのまま印刷するのがいいのか、色をつけて染めるような形がいいのか、それとも透かしがいいのか、とさまざまな表現手法について社内で検討を重ね、このデザインがいちばん生きる雲母摺という手法を選択しました。

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細部に至るまで慎重に調整を重ねたという美しいデザイン。
一枚一枚の花びらや葉の動きから四季折々の情景を表現する。

―雲母摺とは?

柿本 雲母摺とは、料紙や唐紙の装飾に使われる版画技法のひとつです。雲母とは硝子質の鉱石・花崗岩のことです。本品ではその雲母の粉末とこんにゃく糊を混ぜ、型染の技法を用いて和紙に文様を定着させ、雲母摺を再現しています。雲母が持つ独特の輝きをお楽しみいただけます。

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手間ひまをかけ、丹念に作られた雲母摺の便箋。繊細で美しく、和紙の温もりのなかに静かな気品を感じる。
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雲母摺のシリーズには懐紙も。上品なデザインは優雅さや真心、優しい気持ちを伝える。
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水性ペン、ボールペン、毛筆などが使用できる。
筆記具によるインクののり方の違いも楽しめる(写真左から筆ペン、水性ペン、ボールペン)。

―御社で作文コンクールを実施されているとうかがいました。

柿本 はい。2010年より「恋文大賞Ⓡ(現・言の葉大賞Ⓡ)」という作文コンクールを開催しており、毎年20,000点ほどの作品が寄せられています。デジタルツールが普及するなかで、紙に親しむ機会を提供できないか、手書きで思いを伝えることの大切さはどうすれば感じてもらえるか、と考え、企画したものです。また、「言の葉講座 作文添削」という事業も開始しました。

―ほかに始められた新しいお取り組みはありますか?

柿本 2017年から「御酒印帳Ⓡ」というプロジェクトを始めました。「御酒印帳Ⓡ」の公認酒蔵をめぐって、御酒印(お酒のラベル)をもらって貼りつけたり、お酒の味や感想などを記録したりして、楽しむものです。現在は、全国で250を超える酒蔵さんにご参加いただいています。

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「御酒印帳」はオンラインストアなどで入手できる。

―事業を行ううえで大切にしていることは?

柿本 当社が大切にしているのは、人の声を聞く、ということです。デザイナーや作家さん、紙を漉く職人さん、取引先の方々など、物づくりに携わる皆様から話を聞き、その声を、次は私たちがお客様にお伝えする――。そうすることで、作る過程やお客様を大切にした物づくり、販売活動が行えるのだと考えています。

―今後の展望について、お聞かせください。

柿本 皆様に紙を身近に感じてほしい、という願いがあります。和紙は生活のなかで必要不可欠なものではないため、興味が湧いたり必要になったりしない限り、店舗へ足を運ばれることはないかもしれません。皆様に少しでも興味を持っていただくために、海外の著名な作家さんがデザインした紙を仕入れる、店舗内で紙すき体験を行うといったことを現在、検討中です。紙に対する新たな知識や経験を得て、紙を身近に感じられるような空間を提供していきたいと思っています。

―貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

紙司柿本オリジナル 雲母ずり封筒 夏 垣の朝顔(90×205㎜、3枚入)

「紙司柿本オリジナル 雲母ずり封筒 夏 垣の朝顔」(90×205mm、3枚入)
種類:春 桜どき、夏 垣の朝顔、秋 吹寄せ、冬 雪輪違い(全4種類)
価格:¥715(税込)
店名:紙司柿本 web shop
電話:075-211-3481(9:30~17:00 月祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kamiji-kakimoto.jp/fs/kamijikakimoto/gd657
オンラインショップ:https://www.kamiji-kakimoto.jp/

紙司柿本オリジナル 雲母ずり便箋 夏 垣の朝顔(182×241㎜、10枚入)

「紙司柿本オリジナル 雲母ずり便箋 夏 垣の朝顔」(182×241mm、10枚入)
種類:春 桜どき、夏 垣の朝顔、秋 吹寄せ、冬 雪輪違い(全4種類)
価格:¥1,430(税込)
店名:紙司柿本 web shop
電話:075-211-3481(9:30~17:00 月祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kamiji-kakimoto.jp/fs/kamijikakimoto/gd653
オンラインショップ:https://www.kamiji-kakimoto.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
柿本遼平(柿本商事株式会社 代表取締役会長)

1984年 京都府京都市生まれ。大学卒業後、2008年より2年間、アメリカに留学。シアトルワシントン大学にてビジネスを学ぶ。2011年に柿本商事株式会社へ入社し、2024年、同社代表取締役会長に就任。

<文・撮影/棚田れんげ MC/木村彩織 画像協力/柿本商事>

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