さまざまなアイテムを通し、舞台の上で輝くダンサーたちを支えてきたチャコット株式会社。今回、編集長のアッキーが気になったのは、チャコットの知見と技術から誕生した「クレンジングウォーター」です。開発秘話を同社代表取締役社長の馬場昭典氏に取材陣が伺いました。

チャコット株式会社 代表取締役社長 馬場昭典氏

―沿革を教えてください。

馬場　チャコットの歴史は、1950年に創業者の土屋誠が会社を立ち上げたところから始まります。1961年にスワンシューズ株式会社を設立し、1974年に現在のチャコット株式会社に商号変更。以来、ダンサーを支えることを使命に、舞台に関わるコスメやダンス用品など事業を拡大してきました。

私自身はチャコットのグループ企業である株式会社オンワード樫山に入社後、チャコットに入ったのは2018年です。ブランドの根幹である「ダンスや芸術を支える」という想いを、もっと多くの方に届けていきたい。芸術に触れる機会を社会に提供し、人々の心を豊かにする。そんな企業でありたいと思っています。

ちなみに、チャコットがオンワードグループに加わった1990年、私がオンワード樫山へ入社しましたので私はチャコットと同期なのです（笑）

「チャコット」の印象を一体化するため、ロゴやカラー、広告デザインも統一した。

―「クレンジングウォーター」の開発の背景は？

馬場　私たちはバレエを始めとしたエンターテインメントを支えたいという思いがあります。だからこそ、演じる方々の足元からお顔までサポートできるものを提供しようと考えました。バレエの舞台に立つ方々は、必ずメイクをします。そこで1997年にコスメティック事業がスタートしました。

舞台では、普段よりも濃いメイクをするので、落とすのに苦労している方が多くいます。また楽屋には洗面台が人数分あるわけではなく、メイクを落とすために並ぶこともあります。洗顔からスキンケアまでをじっくりできる環境でもありません。

そこで「時間がかかってしまうメイクオフに役立つアイテムを作ろう」と生まれたのが「クレンジングウォーター」です。ダブル洗顔もスキンケアも不要なオールインワンタイプとして作りました。演者に役立つことを第一に考えるチャコットの熱い思いが詰まっています。

「ダンサーがみんなで使えるよう大容量にしよう」というアイデアから、
大容量の500ml入りとなった「クレンジングウォーター」。

―クレンジングウォーターのこだわりは？

馬場　洗浄力はもちろんのこと、肌への優しさにも徹底的にこだわっています。演者にはお子様も多いので。肌への優しさを追求し、逆浸透膜（RO膜）でろ過したピュアな水を使用しました。汚れにスッとなじむので、強力な洗浄成分を入れずとも、拭くだけでメイクオフできます。また、アルコールや香料、着色剤、オイル、パラベンは、すべて無添加です。

化粧水を付けずに肌のうるおいを保てるよう、美容液に使われるような保湿成分も配合しました。ただ落とすだけではなく、保湿ケアにまで繋がるように仕上げるところは、非常にこだわっています。

1,000万分の1mmのナノレベルまで細かくした特殊な水「RO水」を使用。
さらにカミツレ花エキスやアロエベラ葉エキスなどの保湿成分もたっぷり含まれている。

―お客様からのお声は？

馬場　実は発売を開始してからも、お客様の声を取り入れつつ、改良を重ねています。「目にしみる」というご意見をいただいたときは、すぐに処方の見直しを図りました。現在の「クレンジングウォーター」は、目にもやさしい低刺激処方です。他にも「コットンに含ませるのが面倒」という声をきっかけに、ワンプッシュで出せるポンプ式のボトルを採用するようになりました。

私たちが目指すのは、お客様の生活や社会に価値を提供できるブランドです。単純に「いい物」を作っているわけではありません。何を提供し、どのように役立ててもらえるか、という点まで考え、ブランドを作っているので、お客様の声も大切にしています。

「クレンジングウォーター」は歌舞伎役者の方に、銀座でまとめ買いしていただくことも。また口コミで海外にも広がり、購入の個数制限をするほどの人気です。

ウォータープルーフのアイライナーも「クレンジングウォーター」をなじませるとスルッとオフできる。

―どのような方に手に取っていただきたいと思いますか？

馬場　「クレンジングウォーター」はもともとダンサーのために作った製品です。しかし実は今はダンサーではない方々にも使っていただいています。仕事を抱えていたりすると、皆様、やはり忙しい。「クレンジングウォーター」は忙しいときでも、簡単にスキンケアを時短できます。忙しくてもきちんとスキンケアをしたいというときに使っていただければ、本望です。性別問わず、石鹸のように日常の中に当たり前に存在するアイテムになってほしいと思っています。

―最後に今後の展望を教えてください。

馬場　私たちが持っているアセットをオープンにしていくことです。クローズからオープンへと活動の幅を広げていきたいと考えています。

具体的に意識しているのは3つのポイントです。ひとつは、エリアのオープン化。国内だけでなく海外にもファンを広げ「生活に役立つブランド」として認知していただきたいと思っています。

2つ目は、カテゴリーのオープン化。バレエや芸術だけでなく、コスメやフィットネスなど一般の方の暮らしに寄り添える商品を広げ「日常に根差したブランド」としての存在感を高めていきたいです。

3つ目は、サービスのオープン化。物販だけでなく、スタジオ事業など体験型のサービスにも注力し、芸術そのもののファンを増やしたい。この3つの活動を軸に、チャコットというブランドへと進化させていく所存です。

―貴重なお話をありがとうございました！

「クレンジングウォーター」（500ml）
価格：¥1,320（税込）
店名：チャコット公式オンラインショップ
電話：0120-953-147（10:00～17:00 平日）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://shop.chacott.co.jp/product/detail505602-0001-18_070.php
オンラインショップ：https://shop.chacott.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
馬場昭典（チャコット株式会社 代表取締役社長）

1968年東京都生まれ。1990年株式会社オンワード樫山入社後、23区事業本部長等の主要ブランド責任者を歴任し2011年代表取締役社長就任。その後、2017年オンワードホールディングス取締役副社長を経て、2018年チャコット株式会社 代表取締役社長に就任。

＜文・撮影／西村初音　MC／高橋知　画像協力／チャコット＞