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手軽さと個性で手芸を満喫。「丸いステッチのキルティング」と手作りぬいぐるみ「モールドール」

2024/07/10

家庭でものづくりを楽しめる「手芸」。伝統的な技法はもちろん、続々と生まれる新しい手芸アイテムも魅力的です。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは「丸いステッチのキルティング」と、ふわふわのぬいぐるみを作れる「モールドール」。商品を取り扱っているのは、手芸用品・服飾材料の老舗卸売店です。日本紐釦貿易株式会社 代表取締役社長の松井謙典氏に、取材陣がお話をうかがいました。

日本紐釦貿易株式会社 代表取締役社長の松井謙典氏
日本紐釦貿易株式会社 代表取締役社長の松井謙典氏

―事業内容を教えてください。

松井 服飾・手芸用品に関する卸会社です。近年は自ら販路を開拓するメーカーも増えましたが、手芸業界は卸会社がないと商品が上手く流通しない特性が残っています。その上で独自の強みを持つ必要性も感じ、弊社は昔から自社商品を数多く企画してきました。ネット販売やSNSにも力を入れ、営業は日本全国のみならず海外に及びます。主な販売先は全国の手芸小売店舗や教室の先生方です。通販サイトは会員制で卸価格にて商品を提供しています。

―社長の経歴について。

松井 家業の4代目として2023年に社長に就任しました。4人兄弟の長男ではありますが、家業を継ぐ予定はなく前職はコンサルティング会社に勤めていました。クライアントのためのリサーチではなく、自分の意思で動ける仕事がしたいと考えるようになり、転職のタイミングと父からの打診が重なったことが入社のきっかけです。
弊社は商人のまち・大阪で創業し、100年以上の歴史があります。地域を守ってきた会社の一つであり、根っこには「商売」を極めるDNAがあると思います。社員教育にしても、商品というより商売そのものを学んでほしいと伝えています。

―企業としての強みは?

松井 大阪に会員制の卸売店舗を構えています。館内は、1階がビーズ・アクセサリー、2階がボタンやレースといった和洋裁・服飾用品、3階がバッグ・手芸用品、4階が生地・パッチワーク用品、5階が和手芸・クラフト用品、別館は輸入品の生地がメインとなっています。各フロアの店員は接客だけでなく、バイヤー・商品開発・営業・在庫管理まで手分けして担当するため、1ヶ所にすべての情報が集まることが強みです。お客様の声や流行をダイレクトに把握して、スピーディーに対応できています。

―「丸いステッチのキルティング」はどんな商品ですか?

松井 円形のステッチが特徴的な日本製キルティングです。キルティングは正方形が一般的ですが、技術が進み自由な形で製造できるようになりました。色へのこだわりも新しさがあり、キルティングと糸の組み合わせによるバリエーションを楽しめます。柄入りよりもシンプルな生地が主流である中で、個性を出せるのではないでしょうか。
キルティングは分厚いので生地を何枚も重ねる必要がなく、そのままアイテムを作れる点が魅力です。カバン作りに最適なほか、服の裏地に使って温もりをアップしたり、ポケットにポイント使いしたり、いろいろな用途があります。

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シンプルながら印象的なサークルステッチ。生地の厚みもほどよい。

―「モールドール」の魅力について。

松井 韓国から輸入した「モールドール」を「#moru doll」として日本で広めています。「モールドール」は針や糸を使わず、1本の太いモールで作るふわふわした人形です。ゆるっとした雰囲気と色合いがかわいく、キーホルダーにするのも人気です。韓国を中心に中国や台湾でも流行していて、日本では「推し活」界隈から注目されています。弊社ではドール用の小さい服や、眼鏡などのアクセサリーも取り扱っています。10分ほどで誰でも簡単に作れるので、手芸を始めるきっかけにもおすすめです。
「モールドール」は最終的にかわいく作れればOKです。そんなゆるさもアジアで流行しているポイントかもしれません。

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色とりどりのモールをねじるだけで、かわいいぬいぐるみが完成。
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アクセサリーやキーホルダーパーツをつけて自由にアレンジ。

―今後のビジョンについて。

松井 「若者の手芸離れ」とよく言いますが、自分の好きなものを作って楽しむ人は多くいます。需要を発見して「手芸」の分野でもムーブメントを作ることが今後の課題です。ヨーロッパやアメリカでは、世代を問わず昔ながらの手芸が根付いています。日本をはじめ、アジアには手芸に流行があり、刺繍等の様々な分野で新しい道具や手法が毎年のように登場します。日本の手芸は世界的に見ても特殊な市場なので、「日本らしさ」で海外の方の心も掴んでいこうと思います。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

丸いステッチのキルティングCIRQL(サーキュル)

「丸いステッチのキルティングCIRQL(サーキュル)」
(最低単位30cmから10cm単位の切り売り、巾:約85cm、厚さ:約1mm、表地・裏地:綿100%、中綿:ポリエステル100%、サークルサイズ:Φ約4.3cm)
価格:¥2,370/m(税込)~
店名:つくる楽しみ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.tukurutanosimi.com/c/gr01000000/gr01200000/gr01200017/gr01200020/cirql
オンラインショップ:https://www.tukurutanosimi.com/
※こちらは小売りサイトです。

モールドール

「モールドール」
(毛部分:合成繊維、ワイヤー部分:ステンレス 亜鉛合金、サイズ:約1m)
価格:¥528(税込)
店名:つくる楽しみ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.tukurutanosimi.com/c/gr09000000/gr09090000/mol-b
オンラインショップ:https://www.tukurutanosimi.com/
※こちらは小売りサイトです。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
松井謙典(日本紐釦貿易株式会社 代表取締役社長)

1977年大阪府生まれ。京都大学卒業後、アクセンチュア(株)に入社。9年のコンサルティング業務を経て2010年に日本紐釦貿易へ入社。2023年に同社代表取締役社長に就任。

<文・撮影/マスダアヤノ MC/矢口優衣 画像協力/日本紐釦貿易>

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