今回、編集長アッキーの目に留まったのは朝用と夜用の2つで1セットの歯磨き「COSMiON(コスミオン)」。朝と夜の口内の状態の違いに合わせて開発され、オーラルケアやホワイトニングが期待できます。また、汚れ落としやホワイトニングに特化した粉末の歯磨き粉「MASHIRO(マシロ)」にも注目です。今回は個性的な歯磨き粉を開発するスモカ歯磨株式会社の代表取締役社長 藤野和仁氏に取材陣がお話を伺いました。
朝・ホワイトニング、夜・抗菌。2つで1つの歯磨き粉「COSMiON(コスミオン)」
2024/07/17
スモカ歯磨株式会社 代表取締役社長の藤野和仁氏
―長い歴史がある会社だと伺いました。
藤野 弊社は1932年に創業しました。2024年で92年目になります。スモカ歯磨は、元々1925年に株式会社寿屋(現在のサントリーホールディングス株式会社)から発売された商品でした。喫煙者の歯の黄ばみを落とす歯磨き粉としてたばこ屋さんで売られていたものです。
なお、スモカ歯磨の「スモカ」は喫煙者を意味する「スモーカー」が由来です。
しかし、寿屋さんはお酒に力を入れたかったそうで、工場を作るためにスモカ歯磨の事業部を売ることにしました。そして、1932年に事業部を買い取ったのが藤野家です。私の祖父が初代社長に就任しました。社名も「スモカ」の当て字で「寿毛加社」(「寿屋に毛のはえた会社」という意味)とし、戦後に現在の社名となりました。
藤野家は資産家の一族で、スモカ歯磨を買い取った私の曽祖父(ひいおじいさん)は元実業家の藤野亀之助です。曽祖父は、豊田紡織(現トヨタ紡織株式会社)の大株主だった人物でした。
2025年でスモカ歯磨が発売されてから100年になる。
―継ぐ決意をしたのはいつですか?
藤野 継ぐ決意をしたのは大学を卒業する頃でした。弊社は大阪にありますが、私は東京都に生まれ横浜市で育ちました。父は会社を継がずに、東京で働いていたためです。そのため、祖父の仕事を見たことはありません。
私は中学と高校は桐蔭学園で、大学は東海大学でラグビーに打ち込むラガーマンでした。
弊社は創業からずっと祖父が社長でしたが、私が高校3年生のときに祖父がなくなりました。私が大学を卒業するくらいのときに「会社をどうしようか」という話になったそうです。
そして、両親が仕事でスペインに行っている間に、家にFAXが届き「スモカを継がないか」と書かれていました。普通に生きてきた自分を変えるきっかけになるかなと思い、継ぐ決意で入社しました。
―「COSMiON(コスミオン)」はどのような歯磨き粉ですか?
藤野 「COSMiON」は朝用と夜用の2つで1つのセットです。口内の状況が、寝ているときと起きているときでまったく違うため、2つに分けています。
歯は酸に弱く、菌も酸から発生します。唾液が酸を中和しますが、睡眠中は唾液があまり出ないため、浄化機能が低下し菌が繁殖してしまうのです。寝起きで口内がねばねばするのは、菌によるものです。
通常の歯磨きでは磨いているときに殺菌はするものの、寝ている間は無防備なので、また菌が繁殖してしまいます。そこで「COSMiON」の夜用のジェルは、歯磨き後も歯をコーティングして抗菌するように開発しました。
朝用はクリーニングとホワイトニングです。清掃成分はシリカを使い、汚れを削るのではなく微粒子のシリカに汚れをくっつけて剥がします。24時間365日、歯の健康が保たれるように開発しました。
もちろん電動歯ブラシでも使用できます。
朝と夜の口内の違いに合わせて開発された歯磨き粉「COSMiON」。
夜用はジェルになっており、磨くといい意味で口の中が気にならない。
―歯を磨くおすすめのタイミングを教えてください。
藤野 朝は朝食後5分以内がおすすめです。夜は、寝ているときに抗菌するため、寝る前に磨きましょう。しかし、多少の時間差で大きく変わるものではないので、厳密に守らなくても問題ありません。昼も磨く場合は、朝用を使ってください。
なお、夜用のすすぎは1回だけで十分です。1回だけでもあまり気持ち悪くなりません。朝用は、何回すすいでも大丈夫です。
―お客様からはどのような感想をいただきますか?
藤野 不快感が減った、さっぱりした、ほかの歯磨き粉が物足りなくなった、やめられなくなった、などの感想をいただいています。
口内のことは感覚なので、中々比較が難しいものです。すっきり感や口臭の違いなどを、体感していただけていると思います。
汚れ落としやホワイトニングに特化した歯磨き粉「MASHIRO」。
グッドデザイン賞を受賞したパッケージは、インテリアとしてもおしゃれ。
―「MASHIRO(マシロ)」はどのような歯磨き粉ですか?
藤野 「MASHIRO」は、吸着して汚れを落とすシリカ系の清掃成分を使用しています。一般的なペースト状の歯磨き粉は約30%が清掃成分ですが、MASHIROは70%です。
また、一般的なホワイトニングの多くは、酸で溶かす成分が入っています。それだと菌が繁殖してしまうのです。一方で、MASHIROは物理的に汚れを落とします。
清掃成分が多く入っていることで汚れの落とし方が違うため、汚れ落としやホワイトニング効果が高いのです。
なお、弊社が作っているシリカのジェルは、歯医者のクリーニング剤として使われています。医療機器なので一般向けには商品化はできませんが、その同一の原料を配合したホワイトニング成分を使っています。
開発には3年かかりました。シリカは水分を吸い取るため、水分を吸い取ると粉がパサパサになってしまいます。そのため、シリカを粉状にするのがとても難しかったです。
容器の開発にも時間をかけ、グッドデザイン賞を受賞しました。また、歯ブラシに粉をつけやすいように使う方の利便性を考えて開発しました。
味は、ハーブミントとザクロミントの2種類です。
―「MASHIRO」のおすすめの使い方を教えてください。
藤野 朝晩使っても、夜だけ使っても大丈夫です。最低でも週3回、寝る前の使用をおすすめします。寝る前に汚れを落として着色を防ぎます。それも難しい場合は、週1~2回でもいいでしょう。
MASHIROは残す必要はないので、何度すすいでも大丈夫です。なお、電動歯ブラシでも使用できます。
―藤野さんはどのように磨いていますか?
藤野 朝はCOSMiONペーストで磨いています。そして、寝る前に歯間ブラシを使ってMASHIROで歯間を磨きます。その後歯ブラシを使ってMASHIROで歯全体を磨いて、うがい薬でうがいをしてから、くちゅくちゅと洗い流します。最後にCOSMiONジェルで磨いて終了です。
毎晩時間がかかりますが、予防効果が期待できると考えています。
「COSMiON」と「MASHIRO」は、歯科大学の先生の治療から生み出された。
さらに、OEMでさまざまな商品を生産している。
―今後の展望を教えてください。
藤野 この会社の目的は、歯科疾患を治す製剤を作ること。作れないなら、この会社を辞める覚悟です。効果効能を徹底的に求めて、他に真似できない歯磨きのレベル、口腔衛生の商品を作り続けます。そこに向けて研究を続け、一歩一歩進化させていきます。
儲かる儲からないは、その次の話です。売れるけど効果がないなら商品化しません。
地味な研究をコツコツ続けてやり尽くすことが、私の使命だと思っています。また、自分が亡くなったあとも、研究を続けてほしいです。そこを、皆さんに評価していただけると嬉しく思います。
なお、2024年から「COSMiON」は、ドラッグストアなどの店頭でも買えるように動いています。「MASHIRO」はコーヒーショップなど、カフェなどで売れるように企画中です。
―貴重なお話をありがとうございました!
「COSMiON コンプリートセット」(朝用100g・夜用70g)
価格:¥1,833(税込)
店名:SMOCA SHOP
電話:0120-461-182(10:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://smoca-shop.jp/view/category/cosmion
オンラインショップ:https://smoca-shop.jp/
「MASHIRO ホワイトニングパウダー ハーブミント」(30g)
価格:¥1,800(税込)
店名:SMOCA SHOP
電話:0120-461-182(10:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://smoca-shop.jp/view/category/mashiro
オンラインショップ:https://smoca-shop.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
藤野和仁(スモカ歯磨株式会社 代表取締役社長)
1967年生まれ、神奈川県出身。東海大学卒業後、1991年スモカ歯磨株式会社に入社。主に営業と開発に従事し、2008年同社代表取締役社長に就任。
<文/林本直 MC/伊藤マヤ 画像協力/スモカ歯磨>