花束を受け取るのは嬉しいですが、花瓶を用意しなければならないし、枯れたらなくなってしまうため、少し面倒を感じてしまう人もいるかもしれません。そんな悩みを解決するのが、今回、編集長アッキーが気になった「きせかえローズ」。いただいたらそのまま飾ることができるだけでなく、生花の花束の中にプリザーブドフラワーが1輪忍ばしてあるので、生花が枯れても思い出を残しておけるという優れものです。一体、どんな工夫が施されているのでしょうか。
販売元の株式会社アペル 代表取締役の井上雅之氏に、取材陣がお話を伺いました。
枯れないローズを着せかえて二度楽しめる。そのまま飾れる花束「きせかえローズ」
2024/07/24
株式会社アペルの代表取締役の井上雅之氏
―創業の経緯を教えてください。
井上 大学を卒業後、老舗の生花店で12年間営業職を経験しました。35歳の頃に自分で花のビジネスを始めることを決意し、妻と二人で小さな事務所を借りてスタートしたのが始まりです。
当時はプリザーブドフラワーが新しく注目され始めた頃だったので、いろいろなジャンルのギフトを扱ってらっしゃる小売店さんと一緒に新しいコラボ商品を作り、花の魅力を広めることに情熱を注いでいました。
例えば宝飾店さんとは、ジュエリーケースに花を敷き詰めたプロポーズ企画や、お菓子屋さんとは、箱の中にお菓子と花をセットする誕生日ギフト企画など、生花では難しかった保水や商品寿命の問題をプリザーブドフラワーで克服し、特別な瞬間をさらに引き立てる新しいギフト演出を実現してきました。
2021年には、消費者に直接販売する花のDtoCブランド「noemie(ノエミ)」を始めました。noemieという言葉は、フランスで女性の名前として使われることが多く、「愛嬌のある、魅力のある、愛らしい」という意味があります。その名にふさわしい、可愛らしくて大人っぽい、シンプルで心をくすぐる商品をコンセプトにしています。
―プリザーブドフラワーに注目したきっかけは?
井上 前職で営業に携わっていた頃、さまざまなお客様のニーズを聞いているうちに、生花では実現できないことがすごく多いと感じていました。その中で出会ったのがプリザーブドフラワーでした。枯れない生花という特性が評価され、当時私が担当していた法人様に紹介したところ、ギフトとして配ったり、ディスプレイとして飾られたりと、いろいろなシーンで活用されていました。
―貴社の特徴は?
井上 弊社は全国の約380店舗の小売店に花のギフトを提供しており、プリザーブドフラワーの輸入を行っている一方で、生花も取り扱っているユニークな会社です。この両方の強みを生かして開発したのが「きせかえローズ」です。
生花とプリザーブドフラワーを組み合わせた花束「きせかえローズ」。
―「きせかえローズ」にはどんな思いが込められているのでしょうか。
井上 生花には咲いて枯れてしまう儚い美しさがある一方、プリザーブドフラワーは形を残しておけるので、思い出を残しておけるところに価値があります。両方のいいとこどりをできないか、という思いで開発しました。
―楽しみ方は?
井上 「きせかえローズ」の楽しみ方ですが、まず最初は、そのまま飾れる生花の花束としてお楽しみください。ラッピングの中には、栄養剤入りの保水ゼリーが入っていますので、花瓶も水やりも不要です。
バラ以外の生花の部分は、時間の経過とともにやがて枯れていきます。生花を楽しんだ後は、花束からカード(取扱説明書)、バラ(プリザーブドフラワー)、香りのサシェを取り出します。ローズをサシェに着せ替えればフレグランスローズサシェとして再び楽しむことができます。
また、当店ではメッセージカード(無料)や手提げ袋(有料)もお選びいただけますので、他のお店で買い足す必要はありません。
商品を持ち運びされる場合におすすめの、手提げ袋(有料)は、
上質な厚手のペーパーと、手にやさしいアクリル平紐のハンドルが特徴。
―開発時に苦労したところは?
井上 一番苦労したのは、商品をどう説明するかというところです。「きせかえローズ」は、最初はそのまま飾り、生花が枯れたらプリザーブドフラワーだけ取り出し、サシェに着せ替えて飾れるという、二度楽しめる商品ですが、こうやって説明するだけでも複雑な商品だと感じられると思います。
なので、贈る人も受け取る人も、一瞬でどんな商品なのか理解できるようにするには、どんなネーミングやコピーがいいのか悩みました。できるだけ説明書を添付するのは避けたかったので、楽しみ方を簡潔にまとめた、店頭POPのようなカードを花束に添えることにしました。
商品の説明を簡潔にまとめたカードが花束に添えられている。
井上 また、生花が枯れた後も美しく咲き続けるプリザーブドフラワーをどうやって飾るかという課題もありました。なぜなら、このプリザーブドフラワーには、茎がないため、花瓶に挿すことができないからです。
そこで、香りのついたサシェを付属し、生花が枯れたらプリザーブドフラワーをサシェに移し替えて楽しんでいただく仕様にしました。
生花が枯れたら、サシェにプリザーブドフラワーを移し替えて二度楽しめる。
―サシェの香りにもこだわっているそうですね。
井上 30年以上バラの香りを研究してきたスペシャリストが作ったフレグランスオイルを採用しています。その香りは、人工的ではなく本物のバラのような豊かさがあります。香りは時間とともに薄れ、やがて消えてしまいますが、サシェとプリザーブドフラワーは残るので、形として思い出を残せるところがいいかなと思います。
―「きせかえローズ」の加工はどこでされているのでしょうか。
井上 プリザーブドフラワーはエクアドルの農場で作ったものを輸入しています。この農場は、創業して間もなく、ブランディングのオファーをいただいたことをきっかけに関係がスタートし、今では農場の経営にも携わっています。
届いたバラは、自社で組み立てています。花束を作る作業は全て手作業です。お花や葉っぱの形が一つ一つ異なるので、それを最終的に全て同じような形にするには配置や組み立て方を少しずつ変えたりしなければなりません。これは、長い年月をかけて、少しずつ磨かれた技術によって作られています。
―お客様からの反響は?
井上 メールで直接お礼をいただいたり、プレゼントを受け取った方がInstagramで商品をアップしてくださったりと、いろいろな形で喜びの声が届いています。リピーターのお客様も多く、ありがたい気持ちでいっぱいです。最近、レビュー投稿の受け付けを始め、そこでも皆さんからのお声をいただいています。
たくさんの花屋の中から弊社を見つけてくださり、大切な人にお花を贈るという大事な場面を託していただけるのは本当に奇跡的なことだと思います。その信頼に応えることを責任として感じつつ、弊社の商品やサービスがお役に立てていることが嬉しいですし、さらに「ありがとう」と言っていただけるなんて、本当に良い仕事だなと思います。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
井上 先日、「そのまま飾れる花束 菊てまり」やお配り用の「小さな花束の詰め合わせ」の販売を開始し、早速反響をいただいているので、今後もいろいろなシーンで花瓶や水やり不要のそのまま飾れる花束をご活用いただきたいと思っています。
今後はnoemieの認知度をさらに高め、特別な日に贈るフラワーギフトを探されているお客様に、真っ先に思い付いていただけるブランドに成長したいです。
左からお供え用の「そのまま飾れる花束 菊てまり」、
お配り用の「小さな花束の詰め合わせ」。
―貴重なお話をありがとうございました!
「きせかえローズ(ヌードピーチ)香りのサシェ付き」
価格:¥4,400(税込)
店名:noemie(ノエミ)
電話:0120-020-087
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.noemie.jp/c/all/category/fresh/KR1003
オンラインショップ:https://www.noemie.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
井上雅之(株式会社アペル 代表取締役)
1970年大阪府出身。大学卒業後、老舗の生花店で12年間修業し、2006年に独立して株式会社アペルを創業。
プリザーブドフラワーの輸入業を主軸に、消費者に直接販売する花のDtoCブランドを展開しています。
<文/サカモトアヤ MC/石井みなみ 画像協力/アペル>