今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、世代を問わず愛用できる「ライチ イヤーカフ」と「フィナンシェ ネックレス」です。上質かつどんな服装にも合うデザインで、普段使いにもぴったり。ジュエリーは特別な日につけるイメージがあるかもしれませんが、お守り感覚で日常的につけるのもおすすめです。この二つを製造販売している、株式会社CAFERINGの代表取締役の青木千秋氏に、取材陣が伺いました。

株式会社CAFERING 代表取締役の青木千秋氏

―創業の経緯を教えてください。

青木　もともと普通のOLで営業職として働いていたのですが、当時は寿退社が主流な時代だったので、その会社では長く勤めることができないと思っていました。私はできるだけ長く仕事をしながら、プライベートとバランス良く生活したかったので、転職を考えていたのですが、特別なスキルを持っていたわけではなかったので、自分が望む会社に転職できるか自信がありませんでした。

だから、起業して自分が生きたい環境を作ろうと思い、最初に始めたのがパソコンソフトの販売会社の代理店です。その後、ソフト開発してくれる会社とタッグを組み、オリジナルソフトの開発と販売をしましたが、当時のIT業界は成長が目まぐるしく、自分には向いていないと感じたので、もっと生涯をかけて取り組めるビジネスをしたいと思うようになりました。

―なぜジュエリーの仕事をするようになったのでしょうか。

青木　自分らしく落ち着いて取り組めるビジネスは何かと考えたときに、20代の頃から年に1、2回ご褒美ジェリーを買っていたことを思い出したからです。何かの節目でジュエリーを買い揃えていく人生って素敵だなと思い、1999年にパソコンソフトの仕事をしながら、7坪のオフィスビルのスペースで生涯愛用できるジュエリーを扱う仕事を始めました。

―最初は何から始めましたか？

青木　まずはブライダルジュエリーの取り扱いから始め、徐々にファッションジュエリーも扱うようになりました。製造の委託先は、展示会などに参加して2年くらいかけて探し、弊社のジュエリーは全て日本の工房で作られています。お店づくりは、商品のデザインやクオリティ、お店の雰囲気、接客といった、この三つのバランスを意識しました。

―2001年には「二面仕様」のリングで特許を取得されています。

青木　お店を始めた頃、他店とどうやって差別化するか考えたときに、リバーシブルで使えるリングがあったらいいのになと思いました。二面使用できるリングは探しても意外となかったので、特許を申請してみたら、運良くストレートに取得することができたんです。
なぜこんなに簡単に取得できたのか、弁理士の先生に聞いたところ「特許は日本経済の発展に役立たせることが目的だから」とおっしゃっていました。なので、私たちが届けられない地域の人たちに、地元の宝石店を通してお届けすることができれば、少しでも日本経済の発展にお役に立てることができるかなと思い、「CAFERING」というブランドを立ち上げました。
今では銀座に直営店が1店舗と、全国約80店舗の宝石店に、「CAFERING」を展開しています。

手のひら側にも貴石がセッティングされているので、指輪を回すとデザインを変えられる。

2024年4月にリニューアルオープンした銀座店。

―「CAFERING」という名前の由来は？

青木　カフェでお茶を楽しむようにジュエリーを楽しんでほしいという意味を込めています。ジュエリーは特別な日につけるものだと思う方も多いと思いますが、もっと日常で楽しんでいただきたい。
特に、ダイヤモンドは地球上で一番硬い物質で、全然傷もつかないから、日常使いに最も適しているんですよ。

―デザインはどのように決めていますか？

青木　社内にデザイナーがいるので、イメージを投げかけていくつかデザインしてもらい、その中から一緒に作り込んでいく感じです。流行を意識するよりも、年齢を重ねても長く楽しんでいただけるように、一つ一つ丁寧に作っています。
あとはコラボをするのも大好きなので、20年くらい前に出会ったシルバーアクセサリーのデザイナーさんに、プラチナジュエリーのデザインを依頼したこともあります。

―「ライチ イヤーカフ」のデザインはどのように？

青木　これは元々、アクセサリーデザイナーさんとのコラボシリーズで、約5年前にイヤーカフを作ったのですが、当時はまだイヤーカフにやんちゃなイメージがあり、しっくりこなくてお蔵入りしていたんです。
だけど上質なパールをつけるとすごくエレガントになるし、カジュアルにも楽しめると思ったので、パールを施したデザインを作り、デビューさせました。楊貴妃が大好きだったライチの瑞々しさをイメージしていて、私自身もヘビロテで愛用しています。

―どんなファッションにも合いそうですね。

青木　素材はプラチナ、イエローゴールド、ピンクゴールドからお好みで選べるのですが、幅広いシーンで活用したいなら、プラチナがおすすめです。パールはサイズを選ぶことができ、その大きさによって印象が少し変わります。
チェーンの部分は垂らしたり、スタッドピアスに通したりと、付け方によっても印象を変えられます。

その日の気分によって付け方を変えられるところが嬉しいポイント。

―続いて、「フィナンシェ」のシリーズはいつ頃誕生しましたか？

青木　20年以上前に、ホワイトダイヤモンドのブライダルリングから始まりました。このシリーズは、花びらのようなかたちの石枠でダイヤを包み留めているデザインが特徴です。

「フィナンシェ」シリーズはネックレスとピアスが用意されている。

―「フィナンシェ ネックレス（ブルーダイヤモンド）」の素材について教えてください。

青木　これはトリートメントのブルーダイヤモンドです。世の中に出回っているブルーダイヤモンドの殆どがトリートメント（人工処理）されています。0.15キャラットのアイスブルーのダイヤモンドは、天然のものだと約2,000〜3,000万円する、非常に高価なものです。ブルーダイヤモンドは「一生に一度見れれば幸運だ」と言われるくらい、希少価値があります。
質の悪いダイヤモンドは、色をつけると傷などが目立ってしまうのですが、弊社が扱っているダイヤモンドは無色透明の状態でも十分質が高いので、透明感のある綺麗な青色が出ています。中からトリートメントしているので、色落ちすることもなく、生涯このままの美しい色味を楽しめます。
ネックレスのチェーンはプラチナです。チェーンには長さ調節できるアジャスターが付いているので、お好みの長さに合わせてご利用いただけます。

元は上質なホワイトダイヤモンドなので、綺麗に青色が表現できる。

―商品化されて販売に至ったのはいつ頃ですか？

青木　2023年の秋頃、クリスマスに間に合うように販売を始めました。まだ半年も経っていませんが、ブルーダイヤモンドは意外と珍しいこともあり、とても人気です。小さくてもすごく存在感があります。
実店舗でも取り扱いがありますが、ECサイトから購入される方もすごく多いです。デザイン的に、現物を見なくても買いやすいのかもしれません。

―お手入れはどのようにしたらいいですか？

青木　ダイヤモンドは赤ちゃん用の柔らかい歯ブラシに、ご家庭の食器用洗剤をほんの少しつけてぬるま湯で優しく洗っていただく方法を推奨しています。チェーンの部分も同じように洗っていただくだけで大丈夫です。命が吹き返したように輝いてくれます。

パールはメガネを拭くような優しい布で拭くだけで十分です。石によっては洗ってはいけないものもあります。パールは海の中で育ったものですが、水で洗わずに、柔らかい布で軽く拭いてください。

―お客様からの反響は？

青木　ありがたいことにファンの方もついてくださり、ウェディングリングを初めて弊社で買われた方がその後も記念日ごとにジュエリーを買い揃えていったり、キャリア層の方がお守りとして購入してくださったりと、リピーターの方が多いです。30〜40代の方が多いですが、50～60代の私世代の方もいらっしゃいます。

銀座店限定でブライダルフェアをすることも。

―最後に、会社としての今後の展望を教えてください。

青木　少し前までは還暦を迎えたら老後はゆっくりしようという時代でしたが、今後は年金生活もままならず、75歳くらいまで現役で働くことになると思うので、年を重ねても輝き続けていけるようなジュエリーを提供していきたいと思います。
私自身、まだまだ頑張っていくためのご褒美ジュエリーを望んでいますし、同じ気持ちの方もたくさんいらっしゃるんじゃないかなと思うので、そういった方たちに向けての展開をしたいですね。
娘も一緒に仕事していて、若い世代のデザインなどを担当してくれているので、母娘でそれぞれの世代が求めているものを感じとりながら、これからもジュエリーを作っていきたいです。

―貴重なお話をありがとうございました！

「Litchi ライチ イヤーカフ/Pt」
価格：¥93,500（税込）
店名：CAFERING銀座店
電話：03-3561-5771（11:00～19:30）
定休日：火曜日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://cafering-shop.com/?pid=181823684
オンラインショップ：https://cafering-shop.com/

「Financier フィナンシェ ネックレス/Pt・IBD」
価格：¥94,600（税込）
店名：CAFERING銀座店
電話：03-3561-5771（11:00～19:30）
定休日：火曜日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://cafering-shop.com/?pid=177862668
オンラインショップ：https://cafering-shop.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
青木千秋（株式会社CAFERING 代表取締役）

1964年生まれ。1999年、ジュエリー業界に参入。業界の中では数少ない女性経営者として、独自の視点で「2面仕様リング（特許No.3158117）」などを手がけて注目を集める。2023年より、日本ジュエリー協会（JJA）の常任理事を務める。ジュエリープロデューサー・起業家として、ファッション誌・経済誌・新聞・TV・ラジオなどで取材も多数。

＜文／サカモトアヤ　MC／三好彩子　画像協力／CAFERING＞