「オシャレは足元から」という言葉通り、靴は印象を左右するファッションのキーアイテム。お気に入りの靴を履くだけで、気分が上がるという声もよく耳にします。今回、編集長アッキーが注目したのは、根強いファンも多い婦人靴ブランド「あしながおじさん」の「厚底ヒールレースアップブーツ」と「cava cava Vカットパンプス」です。靴の特徴や靴づくりに対する想い、今後の展望などについて、株式会社クロスロードの代表取締役田邉章一郎氏に取材陣が伺いました。

株式会社クロスロード 代表取締役の田邉章一郎氏

―創業して何年になりますか？

田邉　私の父が1978年に創業し、今年で46年目になります。先代が「あしながおじさん」というブランドを立ち上げてスタートさせました。「あしながおじさん」のコンセプトは今も大きく変えていませんが、長い間多くの方にご愛用いただいています。その後はブランドも増え、もともと合皮の靴を主体に製造していたのですが、現在は革靴も多数作っています。

10年ほど前までは全国の靴専門店や百貨店向けの卸しが中心でしたが、徐々に直営店やECサイトでの販売も行なうようになりました。

―浅草で創業した理由は？

田邉　弊社は浅草駅から徒歩15分ほどの場所にあります。中心地から少し奥に入ったエリアですが、この辺りは昔、婦人靴の問屋がとても多くありました。靴のメーカーや工場がたくさんあったのですが、現在は閉めてしまった会社や工場も少なくありません。弊社の創業当時は同業者がたくさんいたため、そのような関係もあって父はこの地を選んだのだと思います。

―家業を継ごうと決めたのはいつ頃ですか？

田邉　高校生の頃には漠然とですが、家業を継ぐつもりでいました。ファッションに携われておもしろそうだと思っていたため、高校卒業後は仕事の買付などに役立つことから英語の専門学校へ進学しました。その後、アメリカのニューヨークに4年ほど語学留学し、帰国して弊社へ入社しました。

―社長に就任するまで担当されていた仕事は？

田邉　2002年に入社した当初は営業部に所属しました。営業先にサンプルを持参して販売しに行ったり、海外出張でヨーロッパやアメリカへ仕入れに行く際に同行したりしていました。その後は、百貨店の売り場に立って販売の仕事も担当しました。

―靴づくりにおいて、心がけていることとは？

田邉　流行りは繰り返すため、古くてよいものを温めながら、他社にはないような商品を作っていくということを大事にしています。また、履いた時に楽しい気分になるような、ワクワクするデザインの靴を開発していくことを心がけています。履き心地も重視しており、厚みがあってクッション性の高い中敷きを採用しています。

ネイルヘッドを全体的に並べた高級感のある雰囲気のローファー。
タッセルが目を引き、デザイン性抜群。

―御社の強みとは？

田邉　弊社は直営店と工場、物流センターを自社で運営しており、一貫してすべてを行なっています。例えば、自社の物流センターでは、発送時に細やかな対応ができます。ラッピングひとつにしても、弊社では大切な方へ靴のギフトを送りたいというお客様に「ふろしきギフト」というサービスもご用意しています。そのような対応は発送を外部に委託していては難しいと思います。

母の日のギフト用にもふろしきに包んで送ることができる。
ふろしきは使い方も多彩で便利。

―「あしながおじさん 厚底ヒールレースアップブーツ」の特徴は？

田邉　ブーツの前部分は少し厚みを持たせて丸みのある形です。太くて安定感のあるブランドオリジナルのストームヒールを採用し、全体的にずっしりとしてボリュームのあるブーツに仕上げました。昔から「あしながおじさん」を愛用しているお客様には、どこか懐かしさを感じていただけると思います。また、靴の裏に速乾性のあるライニングを採用することで蒸れにくくなっています。

ウイングチップデザインを施したトラッド感のあるデザイン。ヒールが太く歩きやすい。

―「cava cava Vカットパンプス」についても教えてください。

田邉　「cava cava Vカットパンプス」は、映えを意識した新色のブロンズと合わせやすいネイビーの2色をご用意しています。柔らかな履き心地を意識して、ライニングにはくたっとした素材を使い、かかと部分にカウンターと呼ばれる芯を入れていません。とても柔らかいため、外反母趾の方にもおすすめです。3年以上販売するロングセラー商品で、その都度色を変えたり、サイズ展開を増やしたりしています。

踵を踏んでも履けてしまうほど柔らかな履き心地。
シンプルなデザインで、いろいろなシーンに使える。

―この2つの商品は自社で製造されている？

田邉　今回ご紹介させていただいた「あしながおじさん 厚底ヒールレースアップブーツ」と「cava cava Vカットパンプス」は、どちらも浅草の自社工場で製造しています。海外で作った商品よりも高価にはなりますが、日本人の職人よる高品質の仕上がりにご満足いただけると思います。

―現在、注力されていることは？

田邉　コロナ禍以降、弊社ではお客様と触れ合う機会を積極的に作るようになりました。例えば、浅草の自社工場で月2回週末に、余っている革を使ってワークショップを開いています。過去には、革小物を作ったり、靴を作ったりしました。工場見学もセットなのですが、靴の製造工程を間近で見られるということで参加者の方に大変好評です。また、本社のショールームで新作をいち早くチェックできるのも、弊社の靴を好きな方には大変喜ばれます。

自社工場で行なわれるワークショップでは、現在も革小物や靴づくり体験が開催されている。

―最後に、今後の展望についてお聞かせください。

田邉　コロナ禍以降、お客様の消費の動向やライフスタイルなどがとても変わったと感じています。また、気候変動によって暑い時期が長かったり、なかなか寒くならなかったりして、季節商品が売りづらくもなっています。このような環境に合わせて、商品自体を見直し、その時々で適切な商品をご提案していけるように努力していきたいです。

今後はお客様と直接つながっていけるような場を持つなどして、地道に弊社のブランドのファンを増やしていきたいと考えています。

―貴重なお話をありがとうございました！

「あしながおじさん 厚底ヒールレースアップブーツ」（AS_3710373）（サイズ 22.5～24.5cm、ブラックコンビ：牛革×羊革、その他の色：ブラック、マロンブラウン、ダークブラウン：牛革、ヒール高さ：8.0cm、片足の重さ：約342g）
価格：¥29,700（税込）
店名：あしながおじさん／cava cava（サヴァサヴァ）靴の公式通販サイト【公式】
電話：03-5824-8522（平日10:00～17:00 12:00～13:00を除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.crossroad-shoes.co.jp/c/category/boots/3710373
オンラインショップ：https://www.crossroad-shoes.co.jp/

「cava cava Vカットパンプス」（CA_3720395）（サイズ 22.0～25cm、ブラック、ダークブラウン、ネイビー、ブロンズ、グレージュコンビ：牛革、ヒールの高さ：2.5cm、片足の重さ：約190g）
価格：¥18,700（税込）
店名：あしながおじさん／cava cava（サヴァサヴァ）靴の公式通販サイト【公式】
電話：03-5824-8522（平日10:00～17:00 12:00～13:00を除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.crossroad-shoes.co.jp/c/category/pumps/3720395
オンラインショップ：https://www.crossroad-shoes.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
田邉 章一郎（株式会社クロスロード 代表取締役）

1977年神奈川県生まれ。専門学校卒業後に渡米。現地での語学留学を終え、2002年に株式会社クロスロードへ入社。国内外展示会での商談、営業、物流センター、数店舗での販売を経験。2017年代表取締役就任。

＜文／ウツギナオコ　MC／伊藤マヤ　画像協力／クロスロード＞