育毛剤というと男性向けと思いがちですが、女性からの支持も熱い育毛剤があると聞き、編集長アッキーが注目。徳島県の株式会社河野メリクロンが開発した「蘭夢」について、シンビジウムに魅せられた創業者の思いを引き継ぐ、同社代表取締役社長 河野圭佑氏に伺いました。

株式会社河野メリクロン 代表取締役社長 河野圭佑氏

―御社の歩みを教えてください。

河野　弊社は、1977年に創業者で先代社長の河野通郎がシンビジウムの育種とメリクロン苗（茎頂培養苗）を生産する会社として設立しました。先代社長は農業高校に通っていた時に一冊の園芸書でランに出会い、「青春も命もすべてをささげよう、人生かけよう」とその魅力に引き込まれたそうです。アルバイトで貯めた全財産数万円で苗を取り寄せ、温室の片隅で栽培するところからはじめ、試行錯誤しながら独自のメリクロン技術を確立しました。
それから数十年は、生産者にシンビジウムの苗を販売しており、1986年には「あんみつ姫」、1991年には「マリーローランサン」という品種を企画販売し、話題を呼びました。2002、2012年にはオランダで10年に一度開催される世界園芸博覧会「フロリア―ド」において、出品した品種が2大会連続で最高賞の金賞1席を受賞しました。

ランの中でも最も進化した品種と言われるのが、
シンビジウム「グレートフラワー・マリーローランサン」。

―シンビジウムの開発がヒットし、評価も高いところから、ヘアケアに注目したきっかけは？

河野　｢マリーローランサン｣の作出によって、観賞用としてのシンビジウムだけでなく、多用途化の研究を進めることになりました。
シンビジウムは開花期間が1ヶ月半近くあるのですが、｢マリーローランサン｣は倍の期間咲き続けます。この生命力に注目し、様々な研究者とのご縁によって成分研究を探求し続けています。
その結果、お茶やワイン、育毛剤を開発し特許を取得しました。
シンビジウムでできることは何でも挑戦しようという先代の思いと行動がカタチになりました。育毛剤は当社の主力商品にまで成長しましたが、この先も、｢マリーローランサン｣の研究は続きます。

自社にて栽培したシンビジウムから成分を抽出し、商品開発を行なっている。

―まず育毛剤を開発された経緯は？

河野　徳島文理大学薬学部にて、「マリーローランサン」の研究をしていく中で、「サポニン」「ポリフェノール」といった成分が豊富であることがわかりました。これらは抗酸化作用、抗菌作用があることがわかっています。
また、シンビジウムの保湿力が優れているということがわかり、スキンケアに利用することも考えましたが、20年前に育毛剤というのはあまりありませんでした。それで、育毛効果があるといわれている全草エキスに着目して育毛剤を開発することにしました。

現在の「蘭夢」シリーズ。
社員たちは基本的に「毛髪診断士」の資格を取得しており、ヘアケアのエキスパートとして商品開発、販売にあたっている。

―販売の方がすぐにうまくいったのでしょうか？

河野　当初は、ランを原料にできた商品ですので、業界の方と協力して販売しようと生花店や市場との連携を提案しました。しかし、思うような広がりを見せず、試行錯誤するなかで、ある広告代理店の方とご縁いただき新聞広告をはじめたことで反響がありました。
商品には絶対的な自信がありましたし、蘭から誕生した商品ということでイメージもよかったのかもしれません。

―販売方法も変わっていたとか？

河野　信じられないかもしれませんが、最初は売らなかったんです。初回は「1ヶ月まず使ってみてください」ということで、「1ヶ月後に判断してお金を払ってください」という形です。当初は大半の方がお支払いくださり、継続購入していただいたと聞いています。それだけ何かしらの効果を感じてくださる方が多かったのだと思います。現在も、初回のお客様には同様の方法で販売しています。

―どのようなメカニズムで育毛効果が期待できるのでしょうか？

河野　シンビジウムの全草エキスに加え、育毛効果が期待できる植物由来のエキス14種が入っています。特に大事なのが、頭皮環境です。乾燥が一番の敵だといわれていますが、それを「蘭夢」の保湿効果で補います。
お使いいただいているのは男性だけでなく、女性も非常に多く、50%は女性です。抜け毛や髪が細くなってきた、ボリュームが気になるという方に好評です。
ご購入者ハガキには、外に出るのが楽しくなった、とか、自信を持って友達と会える、といったお声を毎月たくさんいただいております。

薬用育毛剤 「蘭夢黄金率」（写真右）には、
4種類の有効成分に加え独自のシンビジウム全草エキスを中心に12種類の天然植物抽出エキスを配合。
薬用育毛剤「蘭夢黄金率プラス」（写真左）にはさらに2種類の天然植物由来エキスを配合し、3種類のエキスを増量。

―使い方を教えてください。

河野　朝晩、10プッシュほどをつけてマッサージしてください。たっぷり使って指の腹でマッサージしていただくとさらによいです。私は20プッシュくらい使っていますが、ベタつきなどはなく、かゆみやフケが軽減され、髪がツヤツヤになります。

地肌につけてしっかりマッサージ。筆者も試してみたが、一度だけで髪がしっとりし、ツヤが出たのがわかった。

―ヘアカラークリームも発売されています。

河野　今では、ヘアのエキスパートとしての立ち位置を確立したいと考えています。そこで、ヘアカラークリームを開発しました。徳島県といえば藍染です。その藍を使っています。天然の素材ですから、頭皮に優しいものになっています。トリートメントなので、内側から補修しながら毛染めができ、「キシキシしないでサラサラになる」「一回でしっかり染まる」といったお声をいただいています。あまりにもしっかり染まるので、商品のもちが良すぎるくらいです（笑）。

手軽なトリートメントタイプのヘアカラー。色はブラックとダークブラウンの2種類。

徳島ならではともいえる、藍染の材料、技術をヘアカラーに応用している。

最初は毎日、その後は週2日ほどの使用でOK。しっかり染まったビフォー・アフター。

―会社の真摯な姿勢が伝わります。

河野　シンビジウムの新種を開発するには10年はかかります。とても根気のいることです。開発しても世に出るかどうか定かでない中、世界に広めたいという一心で交配を重ね、研究を続けるわけですから、その情熱は並大抵ではないと感じます。
私は婿養子で、いつかは入社すると考えていましたが、金融機関に勤めていましたので、なかなか決心がつかず、入社したのは2017年でした。これから先代にいろいろと教えてもらおうとしていた矢先、2020年に亡くなってしまい、本当に残念でした。

―今後の展望をお聞かせください。

河野　弊社のタグラインは「ヒトも花も美しく」です。花、ヘアケア、健康食品といった商品を通して、お客様の美と健康を支えていきたいと考えています。
また、会社としては、9割が女性社員ということもあり、子育てや介護がしやすい働きやすい環境づくりを心がけていきます。有給取得率、男性の育休取得も100%を目指しています。

機能性表示食品「めぐりすらり」を発売。
洋蘭栽培に関わる従業員が冷えやむくみに悩まされていたことから開発したもの。

―貴重なお話をありがとうございました。

「薬用育毛剤 蘭夢黄金率」
価格：¥6,800（税込）
店名：薬用育毛剤「蘭夢」公式通販サイト
電話：0120-55-9614（8:30〜19:00 年中無休）※2024年8月21日より 8:30～18:00 日曜定休日・年末年始休
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://ranmu.jp/products/hairtoniclist/ranmuogonritsu/
オンラインショップ：https://ranmu.jp/

「蘭夢ヘアカラークリーム（ダークブラウン・ブラック）」
価格：¥3,850（税込）
店名：薬用育毛剤「蘭夢」公式通販サイト
電話：0120-55-9614（8:30〜19:00 年中無休）※2024年8月21日より 8:30～18:00 日曜定休日・年末年始休
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://ranmu.jp/products/haircare/haircolor_cream/
オンラインショップ：https://ranmu.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
河野圭佑（株式会社河野メリクロン 代表取締役社長）

1979年徳島県生まれ。大学卒業後、金融機関に入社し、14年の修業期間を経て2017年に株式会社河野メリクロンへ入社。常務取締役、副社長を経て、2020年に代表取締役社長に就任。シンビジウムを観賞用だけでなく、化粧品や健康食品等の多用途化を進めている。

＜文・撮影／尾崎真佐子　MC／三好彩子　画像協力／河野メリクロン＞