子どもの誕生や成長を祝う機会には、特別な思いをこめた贈り物をしたいものです。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは「《名前入りオリジナル絵本》赤ちゃん絵本 メモリーズ」。製造しているのは、ひな人形・五月人形の老舗メーカー「人形のはなふさ」です。開発のきっかけや絵本の魅力について、株式会社人形のはなふさ 代表取締役社長の英智哉氏に取材陣がお話をうかがいました。

株式会社人形のはなふさ 代表取締役社長の英智哉氏

―会社の歴史を教えてください。

英　「人形のはなふさ」は1717年に創業し、今年で307年目を迎えた会社です。私は14代目にあたり、2023年9月に社長へ就任しました。家業の歴史としては、岡山・備前地方の筆職人だった家元が1632年の藩替えで鳥取へ移り、筆屋を創業した流れがあります。
1830年頃、江戸後期の先代が先を見越して「筆以外の柱を作りたい」と考え、人形の頭（かしら）職人となりました。筆屋も継続しつつ、明治時代には「頭師（かしらし）」として京都で修行し、少しずつ人形事業に転換していったと聞いています。

―「頭師」とは？

英　ひな人形などの人形作りは分業制であり、全行程をひとりで行う方はほとんどいません。顔部分を作る頭師から、細かい部分では「手」を作る職人さんがいます。ひな人形売り場で目にする作家名は、基本的に「胴」を作る作家さんの名前となっています。人形全体をプロデュースした方として名前が表に出るイメージです。

―多彩な事業展開について。

英　日本の伝統文化として、古来より伝わる節句という和の心。ひな人形や五月人形は、親の「子どもに元気に育ってほしい」という想いをカタチにした大切な文化です。そのため、昭和以降はお子様の成長にさらに寄り添った事業を展開しています。七五三やお宮参り用の着物販売・レンタルをはじめ、フォトスタジオや幼児教室の運営、近年はランドセルの取り扱いもスタートしました。子どものあらゆる行事に対応する「子どもの総合産業」を目指しています。

―ものづくりへのこだわりもお聞かせください。

英　住宅事情やお客様の好みなど、時代で変化するニーズと守るべき伝統のバランスを取りながら毎年新しい商品を展開しています。特に職人さんが手をかけて作っている人形に関しては、伝統技術を継承できるものづくりを意識しています。ランドセルはかばん職人さんが手がけたもので、いわゆる「工房系」です。手に入れやすい大手メーカーの製品とは異なる、特別なランドセルに特化しています。

―「《名前入りオリジナル絵本》赤ちゃん絵本 メモリーズ」。どんな内容ですか？

英　お子様の名前を主人公にした世界にたった1冊だけのオリジナル絵本です。生まれたときの日時や体重・身長といった大切なデータも物語に登場します。お母さんやお父さんからのメッセージも絵本の中に取り込むことで、お子様が成長したときに親御さんの思いや出生時の記録にふれられます。誕生から成長まで、たくさんの思いがこもった絵本となるでしょう。ちなみに物語の絵・文は、絵を描くのが好きな社員・ユソコさんが担当しています。

自分が主人公の絵本に子どもはワクワク。誕生記録もしっかりと伝えられる。

大人になっても読み返したくなる、まさに世界に一つの贈り物。

―商品を開発したきっかけは？

英　きっかけとなったのは、私の母がオムツの懸賞で貰った「子どもの名前が入った絵本」です。赤ちゃんだった私に読み聞かせたいと思った母は、必死に応募用シールを集めたそうで、とてもすてきな思い出だと感じました。子ども関連事業として「自社でも名前入りの絵本を作りたい」と思い、当初はひな人形や五月人形の購入特典としてお客様に贈呈していましたが、絵本へのお問い合わせが多いことから商品化に至りました。

―印象的なお客様からの声はありますか？

英　やはり、お子様自身がとても喜んで、親御さんも満足してくださることが一番うれしいですね。自分が主人公として登場するストーリーなので、「夢中になった子どもが絵本を離さない」「毎日『読んで読んで』とせがむほど気に入ってくれた」といったエピソードは印象的です。次のお子様が生まれたときにリピートされる方もいます。
出産のお祝いとしてはもちろん、お孫さんへのプレゼントにも選ばれています。誕生日やクリスマスがテーマのオリジナル絵本もあり、お届けは発注日から10日前後とスピーディーです。おもちゃのプレゼントも喜ばれますが、絵本ならば成長してからもアルバムのように楽しんでもらえるはずです。情報やアイテムが多様化した時代において、長く手元に残したいと感じる贈り物の良さを感じていただければと思います。

―今後の展望について。

英　僕は学生時代に海外を旅したことで、日本独自の風習・文化を残していかなければと改めて実感しました。少子化が進む中でも、子どものための伝統は根強く未来へ繋がっていくでしょう。私たちは伝統を繋ぐものを扱い、総合的にサポートする会社として、国内外に日本の素晴らしいブランド力を発信していきたいと思います。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「《名前入りオリジナル絵本》赤ちゃん絵本 メモリーズ」（サイズ: A4横変形判、全24ページ）
価格：¥4,400（税込）
店名：人形のはなふさ
電話：0857-37-3300（10:00～18:30 季節により変わります。公式HPよりご確認ください。）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://hanafusa.theshop.jp/items/78309244
オンラインショップ：https://hanafusa.theshop.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
英智哉（株式会社人形のはなふさ 代表取締役社長）

1986年、鳥取県生まれ。証券会社での勤務を経て、26歳で株式会社人形のはなふさに入社。2023年、代表取締役社長に就任。

＜文／マスダアヤノ　MC／伊藤マヤ　画像協力／人形のはなふさ＞