編集長アッキーが注目したのは、水引をイメージした「アコヤ本真珠ピンブローチ」と「お多福錫製 片口お猪口セット」。
広島県内に多数のジュエリー店を構えている株式会社新川。最近は自社ブランドの商品開発にも力を入れており、多数のブランドを展開しています。今回は代表取締役社長の工藤清恵氏に、同社が手掛けているジュエリーについて取材陣がお話を伺いました。
伝統の技で職人が手作りするアコヤ本真珠のジュエリーと多福錫製 片口お猪口に注目!
2024/08/22
株式会社新川 代表取締役社長の工藤清恵氏
―創業の経緯を教えてください。
工藤 弊社は、1967年に私の父が創業しました。前身は祖父と祖母が営んでいた時計店で、父は学生の頃から時計やバンドを売り歩いていたそうです。ジュエリーの取り扱いを始めたのは、創業してから。母がアクセサリー好きだったことがきっかけでした。
―工藤社長は、昔から会社を継ごうと考えていたのですか?
工藤 もともとは、会社を継ごうとは考えていませんでした。小さな頃から両親が商売をする姿を間近で見ていたので、「こんなに大変な仕事はしないほうがいい」と思っていたんです。
ただ、大学生の頃に「アメリカに行って、ジュエリーの鑑定士の資格を取ったら」と両親から提案されて。今まで考えたこともありませんでしたが、アメリカにも行ってみたい気持ちもあったので、渡米してジュエリーの勉強をすることにしました。
―鑑定士の資格とは?
工藤 GG(グラジュエイトジェモロジスト)という資格です。Gemological Institute of America(ジェモロジカル・インスティテュート・オブ・アメリカ:以下、GIA)という、宝石やジュエリーなどを鑑別する機関で取得できるもので、宝石の知識やグレーディング・鑑別技術などを取得した人に与えられます。
私は取得した後も3ヶ月間ほどGIAに在籍し、デザインの勉強もしてから帰国しました。
同社が制作した「希望の明日へ」。
JJAジュエリーデザインアワード2023で特別賞を受賞した作品だ。
―入社後は、自社ブランドの立ち上げにも携わられたそうで。
工藤 2004年に「オランジェ」という自社ブランドを発表しました。テーマは「生命」です。このブランドのジュエリーには、水をイメージしたドット柄をつけたり、葉っぱをモチーフに使ったりしていて。オランジェは太陽という意味の言葉なので、太陽と何かの掛け合わせで生命の誕生を表すようなデザインを意識しています。
悲しいときも楽しいときも、太陽はいつも出てきてくれるものです。命を大切に思う気持ちが、このブランドの商品を通して伝えられればいいなと思っています。
―今回は、別の自社ブランドの商品をご紹介くださるとのこと。
工藤 一つ目にご紹介するのは、「OTAFUKU PEARL(お多福パール)」というブランドの商品です。このブランドができたのは、入院中の母を喜ばせようと、父がお多福人形を買ってきたのが始まりです。
「自分によく似ている」と母が人形を集め始めると、いろいろな方がプレゼントしてくださるようになって。いつの間にか700点ほど集まっていたんです。「せっかくならいろいろな方にお見せしたい」という話になり、「ギャラリーおたふくさん」を立ち上げました。「笑顔が連鎖されてくように」という会社の理念と、平和都市である広島を組み合わせて世の中に発信したいという思いから、「OTAFUKU PEARL」のブランド化に至りました。
「ギャラリーおたふくさん」にあるお多福人形。
「OTAFUKU PEARL」シリーズ。ロゴにも使用されている。
―「アコヤ本真珠ピンブローチ 7.5mm K18&PT900 水引~結び切り~」の特徴は?
工藤 プラチナと18金、アコヤ本真珠を使い、手作りにこだわっているところです。近年はComputer Aided Design(コンピュータ支援設計:通称、CAD)を用いた製造も盛んになってきましたが、この商品ではそういったものは使っていません。
「希望の明日へ」をオマージュして作られた
「アコヤ本真珠ピンブローチ 7.5mm K18&PT900 水引~結び切り~」。
―水引をモチーフにした理由は?
工藤 「アコヤ本真珠ピンブローチ 7.5mm K18&PT900 水引~結び切り~」は、「希望の明日へ」という作品をオマージュしています。広島・瀬戸内にある宮島と関係が深い陰陽思想と、日本らしさを取り入れ、このデザインにしました。
また、結びきりには「悪いものと縁を断ち切る」という意味もあります。そのため、結婚式といった晴れの場以外にも、お見舞いのシーンなどにも使っていただきやすいかと思います。
―もう一つご紹介するのが「お多福錫製 片口お猪口セット 瀬戸内の潮」。
工藤 「お多福錫製 片口お猪口セット 瀬戸内の潮」は、コロナ禍に開発した商品です。抗菌作用のあるグッズへの感度が高くなっている時期に、作品作りに協力していただいている方から「抗菌には錫(すず)がいい」と聞いたのをきっかけに作りました。
お猪口の明度が落ちたら、重曹をつけて歯ブラシで擦れば元通り。お手入れも簡単だ。
―この商品の注目ポイントは?
工藤 太陽の光でキラキラと輝く穏やかな瀬戸内海をイメージしてデザインした模様に、ぜひ注目してください。日頃から使用されている中性洗剤で洗えるので、日常的に使いやすいアイテムになっています。
食卓のアクセントに最適な酒器セット。
―今後の展望を教えてください。
工藤 後世に残してもらえるようなジュエリーを提案していきたいと考えています。使わなくなったジュエリーを買取に出す方も増えてきましたが、デザインを変えることで長くご愛用いただけるアイテムに生まれ変わらせるようなサービスを展開したいです。また、やがてJAPANジュエリーを世界に広めるために、発信もしていきたいと思っています。
―すてきな商品をご紹介くださり、ありがとうございました!
「アコヤ本真珠ピンブローチ 7.5mm K18&PT900 水引~結び切り~」(アコヤ真珠:約7.5mm/商品サイズ:20mm)
価格:¥121,000(税込、送料込)
店名:SHINKAWA
電話:0120-400-500(10:00~19:00 水曜休業)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/shinkawakirakira/240422/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/shinkawakirakira/
「お多福錫製 片口お猪口セット 瀬戸内の潮」(錫製の片口:1つ/お猪口:2つ)
価格:¥45,000(税込、送料込)
店名:SHINKAWA
電話:0120-400-500(10:00~19:00 水曜休業)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/shinkawakirakira/240422-002/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/shinkawakirakira/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
工藤清恵(株式会社新川 代表取締役社長)
1969年、新川家の長女として広島県で誕生した。大学卒業後に渡米し、GIAにてグラジュエイトジェモロジスト(G.G)を取得。同学校デザイン科を修了した。1993年4月に株式会社新川へ入社。2004年に自社ブランド「オランジェ」をデザイナーとして発表後、現在まで自社オリジナルブランドの運営を担う。2017年に代表取締役社長に就任した。
<文/奥山りか MC/三好彩子 画像協力/新川>