今回、編集長アッキーこと坂口明子が注目したのは、神戸生まれの高機能トートバッグ。カラーバリエーションが豊富で汚れにくく、シーンを問わず愛用できる名品です。驚くのは、乱雑になりがちな中身を整理できる仕切り。最大3部屋を作れる仕様で細々としたものも持ち運びがしやすいようになっています。開発秘話を株式会社バギーポート 代表取締役の福井大器氏に取材スタッフが伺いました。

株式会社バギーポート 代表取締役の福井大器氏

港町神戸で創業した株式会社バギーポート。
オンラインショップのほか、三宮などに実店舗も構えている。

―沿革を教えてください。

福井　株式会社バギーポートは、1991年に兵庫県神戸市の北野で創業しました。当初の取り扱いはバッグのみ。その後、お財布なども企画・販売を始め、現在に至ります。その過程で、コロナ禍真っ只中の2年半前に私が2代目になりました。

―現在は4つのブランドを立ち上げています。

福井　創業者は「自社ブランドを持って、熱い思いでカバン作っていこう」という考えでした。そのため、当時からプライベートブランドを立ち上げ、様々な製品を手掛けています。
現在扱っているブランドは4つ。まず会社名と同じ「BAGGY PORT」です。これはメンズカジュアルが主軸。次に「BAGGY’S ANNEX」です。ユニセックスでカジュアルな商品群がそろっています。3つ目が「SEAGULL SHIP」。男性目線から見た女性のかわいさを表現するレディースブランドです。最後が「KOI」。藍染製品を取り扱っているメンズブランドになります。

当社の特徴は、営業も企画もひとりで完結させる体制であることです。これにより、お客様に自分の作った商品を、思いを持って伝えられる。同時に、お客様の声も反映しやすくなりました。それは、当社ならではの強み。今後も続けていきたいと考えています。

サイズもカラーも豊富な18OZアーミーダックトート。
シーンを選ばずに使えるのもうれしい。

―人気商品のひとつが「BAGGY’S ANNEX」の「18OZ（オンス）アーミーダックトート」です。

福井　「18OZアーミーダックトート」は、男女どちらでも持てるユニセックス仕様のトートバッグです。オンラインショップ以外に直営店でも販売していますが、サイズ違いや色違いで買っていかれるご夫婦もいらっしゃいます。

―こだわりは？

福井　トートバッグは収納力がありますが、中は乱雑になりがちです。それを対処することをコンセプトに企画開発しました。要は収納物の居場所を作ってあげること。脱着式の仕切り機能を搭載しているのが一番のこだわりです。
スナップフックで最大3つの仕切りを作ることができる仕様で、2LDKみたいなトートバックになりました。大きなものを入れたいときはフックを外す。細々とした物を入れる場合はフックで部屋を作るようなイメージです。

フックボダンで最大3つまで仕切り部屋を作ることができる着脱式の仕切り。
荷物の量や入れる物によって仕切りを変えられるこだわり仕様。

福井　そこに加えて、間口が広いため、出し入れと視認性の良さを大きなポイントにしました。カバンの場合、大は小を兼ねないときがあります。そこに着眼点を置いたのが開発リーダーです。独自の目線で、トートバッグを使う際にストレスになってしまう部分を付加価値に変えてくれました。

バッグの中が整理して収納できるので便利。

福井　それから、生地も特徴的。実はアメリカの軍需素材である「Armyダック」を用いています。軍事で使えるような素材のため、強度も高く耐久性もある。なおかつ軽いです。この生地を、2次～3次加工をしてヴィンテージ感も出しました。これにより汚れにも強くなります。この加工した素材にプラスして様々な機能を落とし込んだ渾身のトートバッグになりました。
家にあるとついつい持ってしまうトートバッグで、生活に本当に馴染む。ヘビーローテーションになると思いますし、経年変化も楽しめます。お客様にもよく「デニムのようなアタリ（色落ち）が出てくるので楽しみにしていてください」とお伝えしているほど。
現代は、ファストファッションの時代。でも物を大事にする。物に愛着を持ってほしいという思いがあります。ニーズに応え、カラーバリエーションを広げながら作った高機能トートバッグ。これに代表するような、長く愛用できる製品を皆様に届けていきたいです。

―カラー展開は全7色です。

福井　これまでの製品でのカラーバリエーションは、だいたい3～4色ほどでした。でも、このトートバッグは定番色6色、限定色1色で展開しています。
色の多様化は求められることですし、ファッションの多様化に合わせて使いやすい色もある。その意味で、7色をチョイスしています。カバンが主役になるというよりも、トータルでご自身のライフスタイルを表現できればという思いです。

男女ともに人気のグレー。
爽やかな発色なので、洋服などにも合わせやすい。
男性に好評のカーキは使うほどに味が出そう。

―人気カラーやおすすめカラーは？

福井　男女問わず、一番人気はグレーです。メンズ系はカーキ、ネイビー。女性はオレンジや限定の黒も選ばれる方が多いです。
明るい茶色のようなマスタードは、男女ともに手に取られます。カラーによって経年変化の具合も変わりますから、お気に入りの色を見つけていただけたらうれしいです。

サイズ展開は3種類。
ワンマイルに適した小ぶりなものから旅行用まで、様々な用途で使える。

―サイズ展開は？

福井　S、M、Lの3種類。Lに関しては、ボストンぐらいの容量がありますからゴルフやアウトドアなどにぴったりです。汚れにくい生地なので旅行なども合うと思います。おじいちゃん・おばあちゃんなら慰安旅行。お母さんが使うならお稽古バッグというように、家族みんなで共有できる。
MサイズはA4サイズも入りますし、お弁当、水筒も入れることが可能。手提げでも、肩掛けでもいける持ち手も絶妙な長さにしていますから、ビジネスシーンでも使っていただけると思います。Sサイズはお買い物や散歩など、日常使いにもぴったりな小ぶりサイズです。

―どのような方に使っていただきたいですか？

福井　サイズも3つ。カラーも7色あります。サイズ別や色違いで持つのもおすすめですし、ご家族やご夫婦でシェアしたり、使い回したりしてもらえたらうれしいです。
それから、軽いトートバッグなので女性も持ちやすい。お買い物時のミニバッグや通勤時などでも活躍すると思います。

―今後のビジョンもお聞かせください。

福井　バギーポートが33年間培ってきた経験を大事にしていきたい。企画から販売まで一貫していることもそうですが、職人さんとの絆もあります。

当社は自社工場を持っていませんが、その分、質の高い商品を製造委託先の皆さんが作ってくださる。職人さんたちの確かな技術があるので、「こうした方が強度は高くなるよ」と相談したり、意見を伝え合えたりします。その関係性は、当社の強み。そうした面も大切にしながら、「また使いたい。またバギーポートの製品を買いたい」というお客様を増やしていきたいです。
当社はオンラインショップ以外に、直営店もありますので、直接、手に取っていただくこともできます。お客様の中には同じカバンを3回買い換えた方がいらっしゃるほど愛用してくださる方もいますので、ぜひ一度使っていただけたらうれしいです。
皆様、楽しみにしてくださっているので、魅力ある製品を今後も、職人さんと一緒に作っていきたい。そして、従業員のみんなが楽しく働ける環境作りも合わせて行っていきたいと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

「18ozアーミーダックトート」
サイズ：S、M、L
カラー：ブラック、グレー、アイボリー、オレンジ、カーキ、マスタード、ネイビー
価格：¥11,880、¥14,300、¥19,800（税込）
店名：BAGGY PORT
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://baggyport.site/2022_enjoy_picnic
オンラインショップ：https://baggyport.site/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
福井大器（株式会社バギーポート 代表取締役）

1976年静岡県伊豆生まれ。2004年に同社に入社後、OEM事業の立ち上げと運営に携わり、2021年10月に代表取締役に就任。“オリジナル帆布”と“豊富な財布群”をメインに港町神戸からブランドを発信中。

＜文／青柳舞子　MC／津田菜波　画像協力／バギーポート＞